星空が綺麗

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 星空が綺麗だ。


 今までじっくり眺めた事なかったけど、星空って綺麗だったんだな。


 特にここは、大気を汚すものが何もないから。


 余計にそう見えるんだろう。


 この光景は何度も、数えきれないくらい眺めてきたよ。


 けれども、綺麗だと感じた事はなかった。


 わずかな光がともるだけの真っ暗闇の夜の空は、不安感を膨らませるだけだったから。


 それにいつもそこに、探すべきものがないか、必死になって目を凝らしていたからかな。


 今、心配から解放された今は、とても綺麗に感じる。


 僕は星空の隅にうつる、宇宙船を見てそう思った。


 宇宙旅行の際に、遭難して、この星に救命ポッドを使ってたどりついた。


 でも、人がいなくてずっと孤独だった。


 早く故郷へ帰りたいと思っていた。


 救難信号は発信していたから、いつか人が助けにきてくれるとは思っていたけど。


 やっぱり実際に見てみると、安心感が違うな。


 僕は「おーい」と叫びながら、船に向かって手を振った。


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