その国に箱が運び込まれる理由
仲仁へび(旧:離久)
第1話
あるところに、箱を運ぶ男性達がいた。
男性達は、中身の事は詮索せずに、ただ箱を運ぶ事を命じられていた。
不審に思った者は多かったが、高い給料が出るので多くの者達が箱を運ぶ仕事をした。
箱はとある王国へ運び込まれる。
その王国は丸いものが多い国だった。
王様が丸い体形で、自分と同じ丸いものを愛しているので、国中丸いものだらけになってしまったのだ。
もう丸いものは見たくない。
そう思った市民達が、四角いものを取り寄せたのかもしれない。
箱を運んでいる男達はそう考えていた。
箱は、どんどん王国へ運び込まれる。
次から次へと運び込まれる。
ひっきりなしに運び込まれる。
やがてその王国は、四角いものだらけになった。
箱を運んでいた男達はその国に一体何があったのだろうと、疑問だった。
だからある日、王様の住むお城に箱を運び込んでいる男は、誰かに聞いてみようと思っていた。
国の要人の誰かなら、きっと事情を知っているに違いないと思ったからだ。
そういったわけで、その日お城の中で箱を運びながら、話しかけやすそうな人間を探す男。
しかし、聞かずとも分かった。
偶然その男は目撃したからだ。
ダイエットか何かに成功して、代わりに筋肉がついてしゅっと四角くなった王様の姿を。
「ふふふ、サプライズで余が次に国民の前に姿を現す時は、驚きのあまり失神するものもでようぞ。わはははは」
そういえば、その国の王様は、サプライズ好きだったと男は思い出していた。
その国に箱が運び込まれる理由 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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