第88話 君との文化祭。

 茜と過ごした一晩。そこまでやるとは思わなかったけど…、めっちゃ痛かった。

 今朝から涙が出るほど痛くて、気づいた時にはもう赤い歯形が俺の首筋に残された後だった。これは…、やはり俺が悪いんだよな…?もうちょっと茜に気遣うべきだったから…。


「ご、ごめん…。柊くん…」

「いや…、ごめん。こっちこそ、茜がそんなに痛がるとは思わなかった…」

「……」


 真っ赤になった顔でこっちを見つめる茜に、俺も恥ずかしくなる。


「次もあるからね?そんなに落ち込まなくても…」

「やっぱり…、柊くんは優しい…!好き…」

「俺も茜のこと好きだよ…。次はもっと気をつけるから…」

「うん!」


 手を繋いで一緒に歩くこの道、俺たちはいつもの通り登校している日常に戻ってきた。季節は秋になり、見える景色も少しずつ変わっていく。それでも俺のそばには茜がいてくれた。長い間、ずっと一人で俺を待っていた彼女を…、そのそばにいてあげるのが俺の役割だ。繋いだこの手は離さないから、もう心配しなくてもいいよ。茜。


「よっ〜。不良」

「誰が不良だ!」


 教室に入ると、すぐ俺に挨拶をする加藤がにやついていた。


「どーだった?」

「まぁ…、多分上手くできたかも…」

「そっか…、よかったな…。てか、首のあれはなんだ?」


 やっぱり、これに気づくのか…。


「いや…、なんでもない。本当に、なんでもないから…!」

「え…?それもしかして歯形?歯形か…?茜ちゃんに噛まれた?」

「うるさい!声を下げろ!」

「……アハハハハッ」

「ったく…、だからお前は嫌なんだよ」

「なんで?そっちは上手くできなかったみたいだな」


 昨日の夜、電気を消した暗い部屋で俺たちはセックスの準備をしていた。

 茜の制服を一つずつ脱がして、ゆっくり彼女の胸にキスマークをつける。照れながらも喘ぐそのエロい声に、俺のモノはすぐ反応してしまった。目の前の茜に精一杯入れたい衝動を我慢して、俺は愛撫を続ける。もっと気持ちよくさせたかったから…、我慢しないと…。


「うっ…、恥ずかしいけど、気持ちいい…」

「そう…?」


 しばらくその体を撫で回して胸を揉んだり、アソコを撫でてあげたりして茜の性欲を満たしてあげた。ベッドと茜。とてもエロい顔で俺と目を合わせる彼女に、さりげなくキスをしてしまう。すると、震える手で俺のモノを握る茜が小さい声で話した。


「これ…ほしい…」

「今日は入れてもいい?」

「我慢してみる…」

「けっこう…濡れたよね?」

「そんなことは言わなくてもいいよ…。本当にマナーがない…」

「可愛いよ〜。ずっと、そう思ってたから…」

「知らないよ…」


 服を脱いで茜と体を重ねると、温かい茜の体温が感じられる。

 そして体がどんどん熱くなるのは、それほど緊張しているってわけだよな…?茜の頭を撫でた後、アソコに俺のモノを近寄せた。すると、びくっとした茜の体が感じられる。それもそうだけど、心臓の鼓動も激しくて…茜も俺も精一杯我慢していた。


 真っ赤になる体、両腕で俺を抱きしめた茜は震えている声でこう話した。


「は、初めてだから…や、優しくしないと…!お、怒るからね!」

「……じゃあ、痛かったら俺の肩でも噛んでみて。そうすると、少しは楽になるかも」

「うん…」


 ぬるぬる…。少しずつ茜の中に入るモノは湧き上がる感情にどんどん硬くなる。

 入ったのは頭の部分だけなのに、火傷をするほど熱くて…平常心を維持するのができなかった。今すぐ…、我慢していた俺の欲求が爆発しそうでとても危ない状況だった。


「あっ…、あ…っ…!」

「……もう、ちょっとで…」


 ぎゅっと抱きしめた茜の両腕に、力が抜けるような気がする。


「うぅ…っ…!い、痛いっ、痛い!痛い!」


 と、声を出しながら俺の首を思いっきり噛んでしまった…。


「痛いっ…!」

「あっ…!ごめん。柊くん…」


 まぁ…、こうなったけど、仕方がないよな…。

 茜はこんなことをするのが初めてだったから、やはり俺が悪かった…。


「その顔は…やっぱり茜ちゃんとは無理だったのか?」

「うるさいよ。この変態が!」

「俺たちはもうやっちゃったからな」

「はあ…?お前狂ったのか!相手は一年生だぞ!」

「え…、一年生とかそんなの関係ないよ。やりたいからやるだけ…それだけさ」


 こいつはある意味ですごいな…。

 上野はよくもこんなやつと…、いや…カッコいいからむしろやりたかったってことか…?こいつなら、まぁ…なんとなくできそうだけど…。てか、めっちゃ早いな…。


「焦ってもしょうがないからな。ゆっくりでいいと思うよ」

「お前には聞いていないけど…、このクッソ変態が」

「え…ひどいな。あ、そうだ。そろそろ文化祭だから…、お前はどうする?」

「もうそんな時期なのか…、文化祭か…うちのクラスは何をする?」

「えっと…、委員長はお化け屋敷とかバニー喫茶とか言ってたけど…」

「そっか…」


 お化け屋敷か…、なんか会長を呼んだら面白くなりそうだな…。

 今年の文化祭もいろんなことがありそうだけど、それより茜と二人で文化祭を回りたいのが本音だから…。後で茜に何をするのか、聞いてみよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る