昔、面倒を見てあげた女の子が戻ってきた件について。

第６１話 ごろごろ。

　本当にやるのか…。ちらっと見た茜の顔がもう覚悟を決めているように見えて、むしろこっちが緊張してしまう。あの茜が…先にキスをしてセックスを強請るなんて、そうする気はなかったけど、先に言ってくれた彼女を拒否するのも悪いんだから…。

「ベッド…、連れてて…」

　と、両手を広げる茜がこっちをじっと見つめていた。

「あ、もしかして…お姫様抱っこしてほしい？」

「……うん」

　照れてる顔で俺を見上げる姿。うわ…、これは心臓に致命傷だ…。

　何…？何この可愛い生き物…！今日の茜、どうしたんだ…。そんなに飢えてたのか、俺が変なことを教えてあげたからこうなったんじゃない…？しかも、着替えた服が脱がせやすいのも…これはマジやばいって…。

　お姫様抱っこ。彼女の体を持ち上げると、両腕で俺を抱きしめる茜が「ううん…」と可愛い声を出していた。相変わらずいい匂いがする体…、そして見せびらかすためなのか…。首周りがすっきり見える後ろVネックのブラウスを着るなんて…大胆だ。

「ねね、柊くん…」

　部屋まで連れて行く時、人差し指で胸元をつつく茜が話した。

「うん？」

「私、重い…？」

「全然…？ちっちゃいから…、すごく軽いよ」

「そう…？これ好き、もうちょっとこのままでいたい…」

「甘えん坊…」

「柊くん、あっち見て」

「えっ…？何？」

　指先が指しているところを見ると、すぐ俺の首筋を吸う茜に一瞬だけ力が抜けてしまう。本当にびっくりしてそのまま落とすところだった…。全く…、危ないことを…と言うタイミングなのに、一人だけ夢中にキスマークをつけてる。

「キャー！綺麗！」

「……危ないよ。茜」

「へへ…、行こう！柊くんのベッドへ！」

　俺の話、全然聞いてない…。

　正直言えば、部屋に入る前に茜の方から諦めると思っていた。なのに、こんな状況になっても男の性欲を煽るなんて…やはりその気持ちは本気だったんだ…。俺も茜とセックスしたら…慰められるのか…？茜なら俺を救ってくれるのか…？そんな可能性はないよな…、今はただ茜を満足させるだけでいいと思う。

「……っ」

　俺のベッドに横になっている彼女を見ると、もう我慢できなくなる。

「……本当にやる気だよね？俺は茜のこと大切にしたいから、ここで辞めないと…茜は本当に食べられちゃうよ…？それでもいい…？」

「……」

　真っ赤になった顔をして、何も言わないままじっとしていた。

　彼女の答えを待ちながらちょっとだけ茜の頬を手の甲で触ってみた。これは暖かいレベルじゃなくてめちゃ熱いんですけど、自分で言ったくせにすごく照れてるじゃん…。本当…、怖いなら怖いって言ってもいいのにな…。

「……っ、の…あの！」

「うん？」

「セックスって痛いの…？」

　……すみません。男なのでよく分からないんですけど…、女性の場合は…どうでしょう…？

「うん…、やってみれば分かると思う…」

「……優しくして…。私そんなのやったことないから…」

　やっぱりやるんだ…。

　大雨に強い風まで…、窓が揺れる俺の部屋には心の準備を済ませた二人がいる。

「うぅ…っ！」

「声…、エロいね。茜」

「……恥ずかしい」

　初めてかな…、茜の体をこうやって触るのは…。

　腹が丸見えになって、そこから少しずつ胸があるところまでゆっくり撫で回した。でも、初めてって言った茜の反応が予想したことよりエロくて、ブラ越しに感じられるその柔らかさに俺のモノが勃ってしまった。

　それより茜って体はこんなに細いのに、胸がけっこうあるんだ…。

　さりげなく彼女の胸を触ると、すごく恥ずかしい声が聞こえてきた。

「あっ…！はぁ…、おかしくなっちゃう…」

「そう。セックスってそんなことだからね…」

「まだあるの…？」

「うん…、今からだよ…」

「そんな…」

　そう言ってから茜のブラウスを脱がして、邪魔になるブラも外してあげた。

「ひっ…、服が…柊くん…。あのちょっと…ゆっくり…」

「うん…？スカートはどうする？茜の手で脱ぐ…？」

「……脱がして…」

「うん。大丈夫、安心して…怖がらなくていいよ」

「うん…」

　スカートなんてパンツと一緒に脱がせばいい…。

　あっという間に裸になってしまう茜、それから見える彼女のボディーラインに俺も着ていた服を全部脱いでしまった。彼女と体から重ねて、お互いの体から感じられる温もりは言葉で言えないほど気持ちいいことだった。

「なんか…、暖かいじゃなくて熱い…。柊くんもそうなの？」

「うん…。茜の体、熱いよ…。エロいこと考えたんでしょう？」

「全然…！むしろ平気…とは言えない…。すごく恥ずかしい…、柊くんの前で私裸になってる…」

「うん。茜、可愛いよ…」

「柊くん…好き。好き…、ギューして…」

　俺は裸のままベッドの上で彼女が言う通りぎゅっと抱きしめてあげた。

「なんか、めちゃ熱いモノに触れてるけど…？これって…もしかして…」

「あっ、茜と今エロいことしてるからね…。男はこうなんだよ」

「さ、触ってみてもいい…？」

「うん」

　今日は本当におかしい…、茜が自分の口で俺のモノを触ってもいいって聞いた…。

　その小さい手で俺のモノを握りしめると、すごく気持ち良くて恥ずかしい声を出してしまう…。だからその声を出さないように、こっちも茜と唇を重ねるしかない…。重ねた体、俺たちはお互いの恥ずかしいところを触りながら止まらない欲求を発散していた。

「すごく硬くて…、熱くて…これはどうしたらいいの…？」

　あ…、もう頭が回らない…。