12月

12/1~12/10

1日


一緒に生きるなら、貴方とがいい。

それを上手く伝えることが出来なくて、いつも反対のことばっか言っちゃう。

こんなに大好きなのに、こんなに一緒にいたいのに。お願い、この天邪鬼な性格を、見抜いて。

そう願ったとき、貴方が私の背に手を添えた。

「憑いてるよ、天邪鬼」

「憑くものなんだ……」


「ツンデレの原因」




2日


今日は気分が沈んでいるし、嫌な事も沢山あった。だから余計に気分が沈んじゃって、負のスパイラル。

だからそんなスパイラルから自分を解き放つために、わざと楽しい気持ちになる。歩く時は陽気にスタッカートを踏んで、ランチはちょっとお高いペスカトーレ。

それで言うの。「今日は良い日だった!」


「今日の集大成」




3日


大人になると、色々なことに気がついてしまう。パパとママは実はとっても仲が悪くて、マイちゃんはいつも人の前で笑うけど、裏では悪口が止まらない。

そんなことに、いちいち傷ついてしまう。

でも、そんな私だからこそ、優しくいたい。

だから目を閉じて、鈍感になって、大切な人のために備えるの。


「鈍感モード(※ただし大切な人は除く)」




4日


この世界に、君はいない。君の姿を見ることはできる。スマホさえ開けば、いつでも。それでも私は君の温もりを感じることが出来ないし、用意された音声しか、何回も聞くことが出来ない。

私は、貴方のいる世界に生まれたかった。貴方が大好きだから。

……ああ、出てきてほしいな……私の二次元の推し。


「ガチ恋」




5日


命は脆くて儚い。そう笑って言った君は、僕の前から居なくなった。絶対に居なくならないと思っていた。

君は何度死んでも、その度生まれ変わって現れてくれるから、安心していたんだ。でも君の命は永遠じゃなかったね。沢山痛い思いをさせてごめん。

僕はコンティニューせず、ゲームの電源を落とした。


「残基0」




6日


無理に傷つかなくたっていいんだよ。わざわざ貴方自身の悪口を探しに行かなくたって。そんなことしなくたって、私が何度でも、何個でも、貴方の素敵なところを、大好きなところを言っていくから。嫌いなところも、直してほしいところも言うよ。大丈夫、正しく傷つこう。そして、私と一緒に笑って頂戴。


「正しく傷つく」




7日


貴方の海の様な美しい色の瞳に、私は虜になってしまっている。

貴方が微笑むと、その瞳の中の海が綺麗に揺れるの。それを見る度、私の心はざわめく。こんなに焦がれてしまう。まるで恋みたいに。

全ての生物は大昔、海から地上に上がってきたらしい。それを聞いて納得する。私は、貴方に還りたいのね。


「瞳の中の海」




8日


美味しい林檎はいかが?……あらやだね、毒入りなんかじゃないわ。そんなことしたら、商売上がったりだもの。

大丈夫、きちんと美味しい林檎だよ。一口食べるだけでこの甘美をきっと分かってくれるはず。

一個お買い上げだね、ありがとう。

ただもう一つ、実はその林檎にはあるものが入っているんだ。


「知恵の実」




9日


窓の外にある景色に焦がれた。外で遊んでみたくて、健康ではない自分の体をとにかく恨んだ。

その悔しさをバネに治療に励み、やがて治った。私は嬉しくて仕方なく、外に飛び出す。

そこで見たのは、廃墟となった街。そうだ、あの窓から見えたのは全部映像で。

振り返ると、医者ロボットが笑っていた。


「楽園からの解放」




10日


貴方がいるから、この世界は光で照らされた。

貴方がいなければ、この世界は暗闇の奥底に隠されていた。

貴方のその笑顔が、声が、貴方を構成する全てのものだけが、この世界の希望です。

だからいなくならないでください。祈っています。貴方という光が消えないことを。地上より、大きな愛を込めて。


「光り輝くものへ」

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