【第三章】用語・キャラクター紹介
【用語】
【オラクル】
マギステア聖国の北に位置している街。質の良いガラスで有名な街であり、マギステア聖国内で使用されている街灯や窓などのガラスの多くがこの街で作られている。同時に美しいガラス細工でも有名であり、こうしたガラス細工を求めて訪れる観光客も多い。
【ネーレテイア】
洞窟などの暗い空間を好むトカゲの魔物。成体の体長は約3メートル。焔袋という器官を持ち、内部で作られた粉末に少量の魔力を混ぜて吐き出す事で、爆炎を発生させる。大型の魔物でかつ攻撃的な能力を有しているものの、争いは好まない傾向があり、野生で発見してもこちらから手を出さなければ大人しくしている。好物は洞窟内に大量に生息している昆虫。
【マギステア聖国】
『マギ』を国教とし、中央教会によって支配されている国。住民は全て基人族であり、森人族や獣人族をはじめとした亜人に対しての差別が根深い。国を挙げて国内からの亜人の排除を行っており、それ故に周辺国からは厳しい目を向けられている。しかし、それでも争いが起こらないのはひとえにマギステアの軍事力が世界でも頂点に位置しており、下手に手出しできないという理由がある。特に、聖堂騎士団のトップである六大聖天と呼ばれる6人の騎士はヒヒイロカネ等級の冒険者に匹敵すると言われており、下手な戦力では一騎当千の力を持つ彼らに壊滅させられてしまう。
【ドウナガネジレエビ】
パエリアに使われていたエビの魔物。ネジレエビという、海底の砂地に縦穴を掘って生活するエビの一種。体長は約27センチ。他のエビの魔物と比較しても体長に対する胴体の長さの割合が大きく、その姿からこの名前が付いた。味は『こちら側の世界』で言うクルマエビに近い。可食部が多く、生育・繁殖が容易であるため、央海の比較的温かい海に面した場所で養殖が行われている事が多い。
【竜鉄】
魔力による影響を非常に受けにくい稀有な金属。主に洞人族の国『ユミトモンテ』の鉱山で採掘されている。金よりも希少で、高値で取引される。魔力の影響を受けにくいという性質から、鎧や盾の表面コーティングに使用されたり、魔道具の最も重要な部分の保護をする部品に使用される。竜鉄と言う名は、竜種・龍種の魔物が高い耐魔力性を有している事から連想して名付けられた。
【複合魔法】
2属性以上の魔法を同時に使用する魔法の事。使いたい属性の魔法を正しく習得していることが使用の最低条件。高い魔力操作技術を求められ、下手な魔術では逆に威力を弱めてしまう結果になってしまう事も。中には属性の相性が悪く、組み合わせる事が困難な魔法もある。
【グリセントファミリー】
世界的な犯罪組織であり、禁止薬物売買・人身売買・暗殺・通貨偽造など多くの犯罪行為に手を付けている。元はそこらの盗賊と同じような集りだった。あまり表立って活動するような組織ではないが、ここのところ派手な動きが多くマギステアでも多くの構成員が検挙されている。
【イヴリース】
この世界で最も北に位置している国。エルフの部族の一つである『樹氷の民』が中心となって作られた国であり、獣人族や洞人族なども多く暮らしている。亜人に対する差別が根強いマギステア聖国と隣接しているために、国境付近ではたびたび小競り合いが発生している。
【馬車】
この世界の主な交通手段の一つ。魔物や盗賊が蔓延る危険な道をゆくなら使うべき。馬車という名前だが、荷車を引くのは馬ではなく馬のような姿をしたゴーレムである『スレイプニル』。ゴーレム故に疲れ知らずであり、休みなしのピストン運行が行えるのはこれのおかげ。ちなみに御者の方はちゃんと交代する。
【ワーム・ヨルムンガンド】
アルバータ大森林の頂点捕食者であるミミズのような姿をした虫の魔物。成体の体長は40メートルにも至る。魔法を使うことは無いが、常に体内に蓄えている魔力によって体表に氷の鋭く尖った鱗を纏っている。大地を掘り進んで移動してゆき、土壌の浄化を行うと共に、時折地表に現れてはあらゆる魔物や人間を捕食する。しかし基本的にアルバータ大森林の外には現れることは無いため、周辺で暮らしている人々は基本的に大森林へと入ることは無い。
【龍神アイオーン】
伝説上の存在である魔物。『邪なる龍神』とも。正式な名称は『死水龍神アイオーン』であり、とある魔物の進化の到達点の一つである。魔王によって召喚され、英雄セシル・聖なる獣マアトと戦い、そして敗れたと言われている。伝承ではあらゆる生命を奪い、全てを破壊し尽くす存在として伝えられているが、セレスによればその正体は炎と水の力を司るドラゴンであるという。だが一方で、ムジカはその条件に当てはまる主人公を龍神の紛い物と呼んでおり、その正体は謎に包まれている。
【アイオーン】
エルフの男、ムジカ・ニグ・デアロウーサがマギステア聖国の六大聖天に対抗する為に世界中から集めた戦闘集団。龍神アイオーンの身体がモチーフであり、『主頭』『右頭』『左頭』『右龍翼』『左龍翼』『龍尾』の6人からなる。集まってきた理由は、マギステアへの恨みや思想への賛同、強者との戦いを求めてなど様々。
【溟渤龍イドラ・ヴァーグ】
藍色の鱗と、左右に伸びた平たく大きな角を持った巨大なドラゴン。全身をめぐる蛍光色に光る発光体と、青い瞳が特徴的。感情が昂ぶると全身の鱗が波打つように玉虫色に変色する。あまりの目撃例の少なさから半ば幻の存在と化していた。
【龍脈】
マギステア聖国の大地に木の根のように広がっている魔力の通り道。膨大かつ濃密な魔力が流れており、その魔力は基人族と龍神の巫女と呼ばれる特別な亜人を除いた全ての人族に悪影響を与える。変化までにそれぞれ時間差はあるが、龍脈の魔力にあてられた続けた人々は理性なき魔物へと変化してしまう。しかし、龍脈の存在も、それによる影響も知る人は少ない。
【キャラクター紹介】
【セシル】
主人公。生態系最底辺の魔物『イノリ』に転生してしまった男。ニニィとの旅を続ける中で、自分と何か関係があるらしき獣人族の少女と出会い、名付け親になる。大切な仲間を守りたい心と、獣人族の少女セレスの持つ力が呼応し、水竜イリノアから溟渤龍イドラ・ヴァーグへと進化した。北国イヴリースの権力者ムジカ・ニグ・デアロウーサに龍神の紛い物と呼ばれている。
【ニニィ・エレオノーラ】
本作のメインヒロイン。呪いによる不死の身体と誰もを魅了する美貌を持つ凄腕の女冒険者。これまで人との関わりを避けてきたが、セシルと出会った事で周囲に目を向けるようになり、人間らしさを取り戻しつつある。その戦闘力は凄まじく、人間としては強さの限界点にいる。
【セレス・エレオノーラ】
セレスの養子になった獣人族の少女。狐のような耳と尻尾をしている。セシルの事を『かみさま』と呼んで慕っており、彼に名前を付けられてからはまた少し距離が近くなったよう。北国イヴリースから龍神の巫女として狙われている。
【オルキス・トラヴァース】
マギステア聖国が誇る六大聖天の一人。漆黒の鎧を纏い、牙の紋章を背負う第四聖天。亜人の聖獣化の秘匿の為にマギステア聖国に侵入した亜人の殺害を行っているが、その性格故に人を殺す罪悪感を苛まれている。力、スピード、守りのバランスが高くまとまっている優秀な騎士で、六大聖天の中でも広い種類の任務に従事している。
【ボリス・ディアント】
マギステア聖国が誇る六大聖天の一人。純銀の鎧に見を包み、羽の紋章を背負った第六聖天。光の如き速さが持ち味で、広範囲をまとめて攻撃する魔法すらも避けきってしまう。マギステアの空を守る銀色の羽。
【アルト・ギーソン】
聖堂騎士団の騎士。セシルを倒すために『奇跡』の力によって聖獣マアトに変身したが、暴走した聖獣もどきから街を守る為に自然と共闘することに。最後はブレスのぶつかり合いによる爆発からセシルを庇い、央海に浮かぶ島でその命を落とした。
【ムジカ・ニグ・デアロウーサ】
イヴリースの権力者であるエルフの男。イヴリースの時期指導者を決める選挙に出馬しており、その当選はほぼ確実。自身の計画の為に世界中から実力者を集め、武装集団『アイオーン』を作る。龍神の巫女としてセレスを狙っていたが、聖獣マアトの出現を確認したことでセレスを諦めて聖獣マアトの討伐を命令する。世界中に龍神の紛い物となるドラゴンの卵をばらまいた。
【アルヴィ・ニグ・アリステラ】
武装集団アイオーンの『右頭』であるエルフの男。元々はヒヒイロカネ等級の冒険者であり、広くその名が知られている。『龍尾』テオ・サラメーヤと共にセレスを拐うためにセシル達に襲い掛かったが、第五聖天ボリスの襲撃に加えて聖獣マアトの出現により、作戦が変更。自らの聖獣化を防ぐ魔道具を放棄して聖獣もどきと化し、見事聖獣マアトの討伐に成功した。
【テオ・サラメーヤ】
武装集団アイオーンの『龍尾』であるスロゥプの男。元々は遥か極東の国の諜報員。強者との戦いを求めていた。真っ向からの戦闘でもヒヒイロカネ等級の冒険者にも劣らないだけの力を持ち、更にはニニィに気付かれないレベルでその身を隠すことが出来る。真っ向からの戦闘では、実体を持った幻影を何十も召喚して、数の暴力と瞬間移動で反撃すらさせずに倒してしまう。しかし、本気のニニィには敵わずに全ての幻影を撃破されて倒された。
【黒髪の男】
セシルに流入してきた記憶の中に現れた謎の男。マギステアの地で、二人の仲間と共に龍神アイオーンらしきドラゴンと戦っていた。セシルは彼の顔に見覚えがあるようだが……。
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