委員会決めと部活見学

投稿ミスしていました。

本来はこちらでした……。


─────


今日は月曜日。学校がある。

まぁ、前世では高校に行くのは嫌いだった。

なんなら月曜日が嫌いだった。

土、日と休みが来て次の日が学校っていうのが嫌だった。

分かるだろ?


まぁ、今世では高校生活を楽しむことにしてるから学校に行くことが苦ではない。

むしろ楽しみまである。


んで、確か今日は……



「今日は委員会決めをしたいと思います!」


「委員会か……俺は何にしようかな?橘くんは決めてある?」


「んー、俺はまだ特に……」


「そう。中野さんは?」


「んー、私もまだ決めてないかなぁ。何がいいと思う?」



そう聞かれたので少し考え……



「保健委員でいいと思う」


「それまたどうして?」


「保健体育で……」


「ちょっとよくわかんないだけど?」


「体育好きでしょ……?なら……保健も変わんない……」


「保健と体育、大分違うだろ……」



橘くんは呆れたように言う。

なんか腹立つので、教室のみんなに聞こえるように



「なるほど……保健に興味あるんだね橘くん……。このむっつりスケベ……」


「なぜそうなる!?」


「「「うわぁ……引くわぁ……」」」



教室の女子たちが思いっきり引いている。



「違うんだけど!?」



橘くん、大声で否定するほどそう思えるよ……?

まぁ、狙い通りなんだけど。



「橘、お前ワイのポジション奪う気なんか?」



急に前から橘くんに話しかけてきた。

確か、先生に初っ端から告白した勇者の中村タイキくんだ。



「ん?どのポジションなんだ?」


「アホでムードメーカーポジション」


「別にいらねぇよ!?なんで俺が奪うと思った!?」


「あ、違うわこれ、ただのツッコミ役だわ」


「もういいよ……」



俺は橘くんの肩を叩いて



「お疲れ様」


「ほぼ雨宮の所為なんだが!?」



結局、俺は文学少女の田中美月さんと同じ図書委員になった。この際に田中さんと仲良くなろ。


橘くん達は……聞いてなかったからどの委員会になったか知らないや。

またそのうち聞いておこ。








委員会決めが終わり、放課後。

俺たちは部活動見学に来ていた。

パスン、パスンとキャッチボールをする音がする。



「で……なんで野球部……?」


「ん?あぁ、回る順番決まってるんだよ、ほら」



渡された紙を見る。そこには確かに回る順番が書かれていた。

順に、野球部、サッカー部、陸上部、卓球部、バスケ部、バレー部、吹奏楽部、美術部だ。

結構、部活動は充実している。

帰宅部もあるが、ほとんどの人が何処かの部活に所属するようだ。



「私は何処に入ろっかなぁ〜?やっぱり、運動部に入りたいよね〜」


「さすが……スポーツ女子……」


「俺はどうしようか?いいとこ無ければ帰宅部でいっか」



おれもどうしようか?運動部は……頑張ればなんとかなる。

文芸部は一応大丈夫だと思う。

野球部のキャッチボールを眺めながら考えていると、急に「危ない!!」って声がした。


見ると、ボールがこっちに向かってくるではありませんかヤダー。

まぁ、当たれば痛いので普通に



「メイドさん」


「かしこまりました」



メイドさんを呼んで、キャッチしてもらった。

橘くん達は何処からともなく現れたメイドさんに驚いているようだ。



「え?メイドさん?何処から来たんですか?」


「メイドって……すげぇ……」


「ありがとう……メイドさん……」


「いえ。では、失礼致します」



それだけ言ってメイドさんはどこかへ行ってしまった。

流石、メイドさん。略してサスメイだね!



「なあ、雨宮」


「なに……?」


「メイドさんって何者?」


「私も気になってた……」


「おれの……護衛兼、食事係兼、その他諸々を勤める最強メイド……」


「ほへぇ、なるほどねえってなるか!こえーよ!メイドってそんなにできるもんなの!?」


「ゲームで言うと職業がパーフェクトメイドってなってる……」


「わけわかんねぇ……」


「メイドさんって最強職業なんだ……覚えとこ」



橘くんと中野さんはメイドの凄さを知った。

野球部の子達は全員で謝ってきた。

ミスをした子はグラウンド十周らしい。



続いてサッカー部に来た。

今はシュート練習をしているようだ。

次々にシュートを決めていってる。

かっこいい。おれもあんな風にシュートを決めて、どやってみたい……橘くんに。


するとまた、「危ない!!」という声がした。

本日二度目である。なんでだろうか?今日の運勢は最下位だったはずなんだが……。


まぁ、そこは置いておいてどうしようか。

蹴り返そう。そしてそのままシュートを決めよう。そして、橘くんにドヤ顔を見せてやろう。

決めた。



「雨宮!」


「とうっ……!」


ボールの位置が高かったのでジャンプする。

そして、空中で捻りをくわえてボールを蹴る。

そして、ボールはそのままゴールに入った。

おれは橘くんの顔を見て



「ドヤっ……!」


「ドヤっ……!じゃっねぇよ!!なんだよあの動き!」


「メイドさんに教えて貰った……。リハビリも兼ねて……」


「あぁもうわけわかんねぇなこれ……」


「あれ?雨宮さんって私よりよっぽど運動神経いいの?スポーツ女子という私の唯一無二の立ち位置は?」



唖然としていたサッカー部の人達だったが、一人が気づいたようにこっちに走ってきて



「申し訳ない!怪我は無かったか!?」



おれはその少年に近づいて、少し微笑んで



「大丈夫……。もう二度はしないでね……?」


「は、はい!」



走り去った少年は顔を赤くしていたが、何故だ?

おれは微笑んだだけだぞ?



「あ〜、また雨宮の犠牲者が……」


「可哀想だね……」


「なんの話?」


「「なんでもない」」


「そう……」



次に陸上部の所に来た。

野球部とサッカー部は女子はマネージャーを募集していたが、陸上は普通に選手として募集している。



「ほへ〜さすがに走るの速いねぇ」


「俺はあんなに速く走れないな」



走っている様子を見ていると、一人の女子がこっちに来て



「ねぇねぇ、見学の子達!少し走ってみる?」


「あ〜、どうしようか?」


「橘くん……勝負。中野さんも……」


「え?私も?いいけど」


「ふふん……おれの足の速さに驚くがいい……」


「ドベならジュース奢りな!」


「いいだろう……」



スタートラインに立つ。

ここからあそこまでなので五十メートル走だ。



「位置についてぇ〜」



手をラインの上にのせる。



「よぉーい〜」



体を起こす。パンツが見えそうだがまぁ気にしない。

中野さんは……スパッツだと……!?

ズルい!



「ドン!」



足に一気に力を入れかけ出す。

走る時は徐々に体を起こすといいと聞いたのでそれを実践する。

後、おれは歩幅が小さいので足の回転をなるべく多くする。



「え?速っ!」


「おい、嘘だろ……」



橘くんや、中野さんを追い越して

そのままゴールを駆け抜ける。

そして出たタイムが



「五秒九七……え?計測間違え?」


「ブイ……!」



陸上部の人達はめっちゃ驚いていた。

その後、君なら陸上競技に革命を起こせるとか何とか意味わかんないことを言っていたが、とりあえず断っておいた。



そして、全ての部活動を見回り、夕方の帰り道


「はぁ……疲れた……」


「私、スポーツ女子としての威厳守れた?ねぇ、橘くん?」


「え?守れたんじゃね?知らんけど」



橘くん適当だね。おれが言うのもなんだけどもう少しちゃんと返しなよ。

わかるよ?スポーツ女子の威厳とかよくわかんないよね。



「どうしてそんなに落ち込んでるの……?」


「ヒナタのせいだよ?スポーツしか取り柄のない私を薄めるような動きするからだよ?

ついこの間まで寝てたんじゃないの?」


「メイドさんとのリハビリのおかげ……」


「マジメイドパネェ」


「そう聞くと新しい言葉に聞こえるな」



しばらく間が空いたので、思ったことを聞く。



「そういえば……いい部活見つかった……?」


「あぁ……俺はイマイチだったなぁ。なんかこうピンと来なくてさ」


「私も……なんて言うか……ヒナタにメンタル打ち砕かれた……」


「じゃあ……新しく部活作る?」


「え?作れるの?」


「確か、最低3人集めれば作れる……」


「ほーん、それなら楽そうだな」


「ねー、雨宮さんのファンクラブができてるからね。その人たち集めればいいんじゃない?」



ファンクラブなんてあんの?初めて聞いたんだけど?

え?入学式からそんなに日が経ってないよね?

え〜、恥ずかしいなぁ……。

まぁ、いいや。



「じゃあ……橘くん……」


「なんだ?」


「新しく作る部活……考えておいて……?」


「え?」


「バイバイ」



そのまま車に乗り、橘くんの叫び声を聞きながら車が走り出す。

さて、どんな面白い部活を考えてくれるのだろうか……楽しみだ。

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