6の3

ご飯を食べながら皆で話す。


「ごめん、誰か、醤油取って!」


堺君が言うと、


「はいっ!」


佐々木君が渡してくれる。


「あっ、ヤバい、箸を落とした……。」


堺君が言うと、


「僕が拾うから。」


園田君が拾ってくれる。


「飲み物はストローもらって来たから、これで飲んだら?」


桜井君がストローを渡す。


「俺、介護されてるな……。」


堺君がそう呟くと、皆が笑う。


「そういえば、怪我してても食べやすいように、昼御飯はおにぎりだって。」


真奈が言うと、


「そうだよな、箸とか落とすもんな。」


堺君が苦笑いしている。


「今日は何するんだっけ?」


佐々木君が言うと、


「何か博物館とか見るんだっけ?」


桜井君が言う。


「俺、手が痛いからバスで寝てても良いか?」


堺君が笑いながら言うと、


「でも、あんまり寝てないよね?

寝不足だって言えば良いかもね?」


園田君がそう言った。

堺君は多分病院から戻って来たのが遅いと思う。


「アイツの方が寝不足じゃない?

あっちの方が痛そうだぜ?」


堺君は弓弦の事を私に言っている。


「本人は平気って言ってるけど。」


そう答えるしか無い。

痛くても騒ぐような人じゃないよ、弓弦は。


「俺は睡眠時間短くても平気だけどな。

でもやっぱり痛くないわけないし、サボるかな。」


堺君がそう言うと、


「一緒に行きたいなら付き添うけど、博物館だから、行きたくない?」


桜井君がそう言う。


「俺も一緒にサボりたい。」


佐々木君は眠そうに言うと、


「サボるなよ。」


桜井君が苦笑いしながら言った。


「何かクラクラするなぁ。」


そう私が言うと、


「アレ?

沙希ちゃん、顔が赤いよ?」


園田君が私の顔を覗き込んでいる。


「言われてみれば、体が熱いような?」


私はもしかしたら熱があるかもしれない。


「先生、佐藤沙希さん、熱あるかも?!」


近くにいた担任に、桜井君が言ってくれた。


「あっ、何か顔が赤いね?

歩ける?」


担任が心配そうに私を見る。


「ちょっと歩けないかも?」


私は、そう言った後……どうなったか分からない。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る