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入学して、しばらく経って。
キャンプという行事がある事を知った。
「キャンプかぁ……。」
「班別だってさ。」
「好きな人同士?」
「出席番号順?」
結局、真奈と私は同じ班だった。
他に男子四人が同じ班。
「佐藤さんだと、どっちか分からないから、真奈ちゃんと沙希ちゃんって呼んでいい?」
「うん、いいよ。」
班長になったのは、
わりとイケメン。
「真奈ちゃんは副班長で大丈夫?」
「うん。」
真奈がちょっと嬉しそうにしているのは気のせいかな。
「桜井、ほーんと班長似合ってるよな。」
「似合ってるも何も無いだろ。
「やだよ。
会議とか面倒じゃん。」
「お前、面倒って口癖だよな。」
「面倒だもーん。」
面倒くさがってるのは、
「桜井君と佐々木君は前から知り合い?」
「うん、同じ中学。」
「そうなんだ?」
タイプは違うけど仲良さそう。
他の男子はおとなしい……。
「キャンプってカレー食べるのかな?」
「え?」
「甘口しか食べられないかも。」
甘口カレーしか食べられないらしいのが、
可愛い系の男子。
「園田、見た目だけじゃなくて、中身も可愛いんだな。」
「よく言われるけど嬉しくないよ。
男らしくなりたいもん。」
「男子だもんな、そりゃ可愛いより、カッコいい方がいいよな。」
「うん。」
カッコいいに程遠いレベルの可愛さがある……。
「テントとか、どうやるんだろうな?」
「知らない。」
「教えてくれるでしょ?」
「そうだよな、分からない人もいるもんね。」
テントって、どうやって……って、私も知らない。
「あっ、俺、キャンプ行ってたから分かる。」
「え?」
「簡単だよ!」
「分かる人がいると助かるよ!」
キャンプに行ってたという男子が、ちょっとヤンキーっぽい
「堺君って怖いのかと思ってた。」
「おいおい、本人を目の前にして言うなよ。」
「あっ、ごめん。」
「堺でいいよ。
俺も桜井って呼ぶから。」
「うん、ありがとう!」
桜井君は誰とでも仲良くなれる、周磨みたいタイプ。
ちょっと懐かしい。
「沙希ちゃんって、弓弦の友達?」
いきなり堺君に言われる。
「高橋弓弦の事?」
「うん。」
「友達だよ。」
「そっか。
一緒に歩いてたの、沙希ちゃんっぽいと思ってさ。」
「堺君、弓弦の知り合い?」
「うん。
アイツの兄貴の後輩が俺の兄貴。」
「あっ、そうなんだ!」
「オタクみたいだった弓弦が、あんな風に化けてビックリだよな。」
「そうだよね。」
まさか、堺君が弓弦の知り合いとは思ってなくて、ビックリした。
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