第47話 フラグ回収率高め系男子
「ふう。とりあえず終わりかな。」
「旦那。こいつ重過ぎだろ。」
ガリウスには気絶中の龍人女性をおんぶしてもらった。
「すいません。でも、損はないでしょう?」
「ああ。いい感じに柔らかい感触が背中越しに伝わるぜ。」
大きからね。俺も是非・・
『キモいのでやらないで下さい。』
ですよね。辛辣な意見どうもありがとう。
「さてと、残りは地下か。」
「行かれますかな?
では、こちらへどうぞ。」
案内され、地下室へ入る。
相変わらず、汚ねえし臭え。しかもグロい。
『仕方ありません。』
他の奴らも連れてきてるが、キツそうにしている。
まあ、自身の境遇と比べたらな。
「だ、旦那。
本当にコイツら使い物になるのかよ。」
「ま。そこは気にせんでよいよ。」
鎖付きの堕天使さんは私が歩かせてます。
何と言っても全身包帯クルクル星人だからね。
しっかり誘導しないと。
それに何人かいるね。使えそうな奴が。
「本日は掘り出し物はありますかな?」
「掘り出しって。
まあいいや、3人かな。」
『流石の私でもここまで弱っていると、何も感じ取れません。』
俺の気力眼は潜在的な部分を見るからな。
「3人もいるとは・・どれでしょうか?」
「そこの男2人と近くの女1人かな。」
「かしこまりました。
只今、部屋へ手配いたしましょう。」
「よろしく。」
そして、例の部屋へと俺たちは向かう。
「んじゃま。一気に3人やるぞ。」
『おや。今回は強気ですね。
倒れたら2度と外の世界は見られませんよ?』
え?何それ怖くね。
大丈夫だとは思いますよ。大丈夫だよね?
大丈夫か。不安になってきた。
『言った手前、成し遂げて下さい。』
お前は・・分かった。やるよ。
「『完全完治気』」
一気に3人の手に触れて気を流し込む。
確かに減って行く感じはある。
だが、さまざまな戦いで成長したので問題ありません。
修行もしっかりと積んでますからね。
フンフン!
「お、おいおい。こりゃすげぇぞ旦那。」
「す、凄いで、す。」
酷かった怪我や失っていた手足や目が徐々に完治していく。
「素晴らしい!!
前回より精度が上がっているとは!!
やはり、あなた様と関係を築けて良かったです。」
称賛の拍手をいただいた。
どうもどうもありがとう。
『天狗ですね。』
ははは。気にしない気にしない。
それよりも、パツ金青年と黒髪青年に緑の髪お姉さんを引き連れないと。
こうして、3人を一気に担いで店を後にした。
とある宿の1部屋
「さて、じゃあ改めて自己紹介かな。
俺の名前はキャストだ。よろしく。
一応、王国の冒険者で『ファミリア』のギルドマスターを務めさせてもらっている。」
『胡散臭い演説家ですね。』
俺もそう思った。
「旦那が悪い奴じゃないのは解ってる。
見ればわかるぜ。
伊達に俺も長々生きてきた訳ではないしな。」
「ありがとう。
皆にはギルドで活躍してもらう予定だが、無理はさせないし、お金も出す。
そして、飯や服も提供しよう。
代わりに利益を出してもらう。」
「了解した。
じゃあ俺からかな?俺はガリウスってんだ。
なんで奴隷なんかになってるかは聞かないでくれ。しょうもない理由だからな。」
キザっぽく自己紹介して、借金とギャンブルです。とは言えんわな。
「わ、私ですね。サラティーナです!
年齢は11歳です!よろしくお願いします!
親は既に亡くし、魔力も封印されてしまい、何もできず奴隷商に捕まりました。」
暗い!暗いから!てか、年上なのね。
『よかったですね。年齢がかなり近い方がいて。
私のお陰ですね。』
自画自賛すな。
「次は私か。
私の名はヴィシュヌ・イル・カルラと言う者だ。
出身は魔導国で騎士をしていた。
不覚にも戦争で死にかけ、奴隷商に売られてしまった。
身体がボロボロだったため、犯されてはいない。
機能不全もしていたからな。」
なんで戦争を?どことやっていた?
気になるが後回しだ。
「よろしく。」
「よろしくお願い致します。神よ。
身も心も全てあなた様に捧げます。
夜はよろしければこの身体をお使い下さい。」
なんでそうなるの?
お願いしてもいいかな?
『ゲスなんで黙って下さい。』
ショートヘアーに緑の髪に前髪が白がかっているツートンカラーなのかな?
スタイル抜群の身長180cmほど。
完全なるお姉さんだ。
「どうか。私をこき使っていただければ。」
なんかM臭いぞこの人。
構いすぎると次に行かなくなる。
「いいかな?私も主人様に紹介したいのだが。」
「チッ。勝手にしろ。」
「それはどうも。」
怖いですがね。
「初めまして主人様。
私はウェイン・ラル・セメスターと申します。
出身は法国です。種族はハーフエルフです。
成り行きは省きますが、魔法騎士を担当しておりました。
この命、生涯を懸けてあなた様に捧げることを誓います。」
金髪の耳長に青年や。イケメンだった。
けど差別しないわ!
イケメンも悪くないって、最近思えるようになったの。
『別の意味に聞こえてきますよ。』
聞かないでおこう。敢えてね。
「よろしく。」
「次は僕だね。
僕は倭国出身のカイト・ロウ・シジマと言います。よろしくお願いします。
経緯は仲間と共に討伐任務についていた際、強力な怪物と戦っている時、仲間によって裏切りの攻撃を受けてしまいました。
そして奴隷商に売られ、流れ流れでこちらまでやってきました。
ですが、これも倭国の『アマテラス』様のお導きです。
新しき王に仕えよと。そう命じられているようです。
僕もあなた様に全てを捧げる覚悟を決めております。」
「う、うん。よろしくね。」
『こうなるのは分かっていたでしょうに。』
ソウダネ。マァ、ツギニイコウカ。
「包帯さんとおねんね中の龍人さんか。
龍人さんは暴れ出しそうだな。
うーん。包帯さんも危険かな。
どっちからがいいか。」
門前の狼と後門の虎か。正にそんな感じだ。
こいつらを戦わせる訳には行かないしな。
って、結局フラグ回収かよ。
『遅かれ早かれですね。』
「じゃあ、門前の狼さんより後門の虎さんの龍人さんから行きますか。
えーと、起きてくださーい!」
パチっと目が空いた。
めっちゃ睨んでくるんですが。
そして、迫り来るパンチを避けた。
既に目を開けてからの行動が解っていた。
そのため、無駄なく避けた。
「貴様!解放されたとはいえ、神を攻撃とは!
許されんぞ!」
魔力全開のヴィシュヌさんです。
おっと後ろからとんでもない殺気を放っているウェインだ。
武器は無いし、身体も復帰したばっかだし、無理はさせられないね。
手を出すなという視線を送る。
『今のマスターらしく、かっこいいですよ。』
普段の俺ってどんだけ間抜けなのよ。
「へぇ〜。ガキのクセに根性あるじゃねえか。
力比べしようか?坊ちゃんよ。」
「なら外でやろうや。裏に空き地がある。」
「上等だ。」
「君たちは部屋にいて。
そっちの方が安全だからさ。」
ピクっと龍人女が反応していた。
「「「かしこまりました」」」
「任せとけよ。行って来な。旦那。」
「あ、あの。帰ってきて下さいね。お兄様。」
な、なにぃ!こ、これは・・悪くないな。
『さっさと行ってください。キモいので。』
ディスられながらも裏の空き地へと進む事に。
「さてと。名前でも名乗ろうかい?」
「へぇ。そんな下らないやり取りが好きなのかい?
じゃあ、名乗ってやんよ。
アタシの名はただのベルナーレだ。」
よく見ると女性なんですね。
美しいバディに、手に納まりそうにないお胸、サイドダウンの綺麗なピンク色の髪の毛だ。
お尻の方もキュッと引き締まっている。
『下心丸出しで戦いますか?』
んなゲスな。ってゲスだわ。
人のこと観察しながら解説までしてた。
「何ジロジロ見てんだよ。あーなるほどな。
私の姿に見惚れてやがったか。
こんな姿のアタシに見惚れるとは案外物好きだな。」
「うーん。素直に綺麗だけどね。」
「!!ハハ。そんな事言う奴が現れるとはね。
いいだろう。
アタシが負けたらアンタの女になってやるよ。」
「なんて事だ。燃えてきたぞ。(何言ってんだよ!)」
『本音と建前が逆になってますよ。』
聖剣に呆れられる。
俺もこんな自分に呆れていた。
「本当素直な奴だね。気に入ったよ。
本気で殴り合うとしようか。」
殴り合うのはどうしてもか。
やるしかない。
ベルナーレさんは詰め寄り、プレッシャーをかけるタイプっぽいからね。
だからといって張り合い、詰め寄りすぎると、あの空気感に飲まれる。
「行くぜ!」
案の定一気に詰め寄る。
しかもとんでもないプレッシャーだ。
まるで、エラルドが向かってくる迫力が伝わる。
いきなり、拳の嵐を飛ばす。
全てを受け流すか!『守空圏』。
自陣地の中に入ってくる攻撃を全て躱し、受け流した。
この『守護園』を改造した新たな技が『守空圏』だ。
新たな守り技だ。
この技はカウンターより完全なるガードや避ける用の技で開発した。
こっちは隙など無い。
代わりに攻撃力が0という始末だが。
「奇妙な事をすんのな。
もっと本気でぶつかってきなよ!」
そんな事したらアナタの力によって俺がハンバーグになる。
真っ向から打ち合いはまず無理だ。
だから避けまくれ!
そして、お馴染みのカウンターや!
またしても拳の嵐を炸裂してきた。
ここだ!
連続攻撃の隙間から拳を腹部に当てた。
「!よっと。」
おいおい効いてないのかよ。
完全にボディへ打ち込んだぞ。
カウンターを当てられたと気づき、後ろへ下がった。
「ふーん。器用に当ててきやがんな。
好きだぜ。だが、火力不足だな。」
「知ってる。こっからは少し強めに行くよ。」
気力を強めに纏うか。
『気活極』ほどではないが、純粋な気力も高かいぜ。
この拳は鉄をも砕く!
「それじゃ続きだぜ!オラっ!」
蹴りから入ってきた。
綺麗で長い足のため、多少の距離感でも俺の圏内に入ってくる。
もちろん先読みで避けれた。
「結構、距離感あったぞ。
一気に詰めて、遠くからの距離で蹴りか。
手数が多いですね。」
「へっ。分かってんじゃん。
アンタ気に入ったよ。
やっぱ、アタシが勝ってもアンタを貰うわ。」
なんだと!是非お願い致します!
『バカですか。それこそ人類滅亡のカウントダウンが進みますよ。』
た、確かに。油断したぜ。コイツ強いな。
『あなたが単純なだけです。』
「そらそらそら!」
考えてる最中に攻撃が数発きた。
しかし、圏内で全て流す。
カウンター!
「!なんてな。」
「おいおい!」
また拳が当たったが、ピクリともしなかった。
まるで鉄より硬い物質に攻撃したみたいだ。
「捕まえた。」
手を掴まれた。
「そらそらそら!」
連続打撃が来た。
避けられるのは避けるっ!がっは!
「まだまだまだ!」
「チッ。鎧の強度高いんだがね。」
痣ができ、口から血が垂れてきた。
腹部にダメージが入った。
とりあえず手を離してもらうか。
『風人脚』!
危険を察知したのか、すぐさま手を離し、横へ避けた。
「かなり危険な技を使ってきたな。」
頬のかすり傷だけかよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます