気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜

ennger

第1章 苦労人の生誕

第1話 どうしてこうなった 1

 どうしてこうなった・・・・


 今の自分がとても小さく、動きの自由が利かない赤ん坊だ。


 そんな少し前に時を遡る































 なんでか瞼が重い。

 頑張って目を開けてみると知らない天井・・・ではなく、本当に知らないお部屋です。


 ベッド周りに白いカーテン、壁に知らん海の絵画、すぐそばに備えてある花瓶、そしてなによりも、ザッ貴族ベットの周りに人が沢山いる。


 40代ぐらいのお医者さん夫婦、老執事1名、茶髪メイド2名、金髪騎士1名と綺麗で長い髪の白髪と綺麗なワンピースを着た美しい女性がベッドの上で私を抱きかかえていた。


「私の子供・・・・・キャスト。なんてかわいいの。」


 私はその綺麗な翡翠色の瞳に吸われるよう、その目を見つめていた。


「おめでとうございます。メイリーン様。心から祝福を申し上げます。」


 金髪騎士さんを中心に周りも同じことを次々と言い、拍手とお辞儀をし祝福していた。


 ああなるほど。私の謎の白髪さんは母親であり母上なのね。と冷静に判断しいる自分がいるが。

 とりあえず泣いときます。


「ふぇーーーーん!」


 あれは今から2021年の頃か、いや令和3年の頃かだったか。まあいい。


 私こと久田 楽苦(ひさだ らく)27歳の工事現場のした働き務め。趣味やさまざまなだが、アニメやゲームとか好きだよ。


 え?聞いてない?


 ちなみに『らく』ってなんか当て字みたいで何かあれですが、嫌いじゃないです。子供もおり結婚しているため、順風満帆な人生を送っています。と思うじゃん。


 嫁さんの妊娠を機会に実家へ近いところがいいと言われ田舎の地方に引っ越した。


 知り合いのツテから転職し仕事を見つけたのはいいものの、月〜土曜日まで朝から連勤三昧の休みは日曜だけ。

 家族サービスなぞ、碌にできない日々を送っていた。


 あ、でも帰りは17時過ぎだからまだマシなのかな?


 子供や妻に割いてあげる時間は限り無く少ない。子育てへの影響もあり、歪み合う日々である。徐々にお互いの折り合いがつかなくなり、別居するようになってしまった。


 ここまで来たのにとんだ仕打ちです。

 とまぁ、こんな感じに割と人生を苦労しております。


 小中学から野球したり、遊んだりと好きなことをしたりと順調だった。

 だが、高校から勉強と読書やらで友達作れずにいた。更にそんな中、大学の入学費をバイト代で貯めた。

 そして自費で支払い、無事入学したと同時に1人暮らしを始めた。


 大学に入学していたのと1人暮らしもあり、必要経費のためバイトに勤しむ日々だ。

 そんな苦労を背負い大学に通っていたら友達もおらず、遊ぶ機会もなく。


 気づいたら卒業と。泣けます。


 しかも、大学卒業後は何故か飲食店に勤務していた。少しでも楽したくて就活サボったツケだろう。

 2回目の転職先は知り合いの工事現場であるが、休みが少な・・・ゲフン。


 でも、その後に幸せな結婚もあり、無事に子供も産まれた。

 しかし、2ヶ月しない間に別居とは。とほほ。ほんと、何のためにここまで来たのかと心が折れるくらい悲しい。


 そんなある日の土曜に。


 いつも通り、朝6時40分に家を出る。

 夕方17時過ぎに帰り。いつも通りの身支度をしてから夕食を食べた。


 その後は連勤と疲労(精神含めて)のせいか、死んだようにリビングの床で雑魚寝してしまった。


 そして今に至る。


 おっかさん・・もとい。美人母上に抱っこされた後、周りの人たちに抱っこのたらい回しを受けていた。


 これが生まれた洗礼ってやつなのか。


 そして、母上に再び抱っこされ、そのまま部屋を出た。


 めっちゃ広く長い廊下を歩き、とある一室に入った。

 なんか周りにたくさんの人(知ってる金髪騎士さんも中にいた)と中心に年齢は中年くらいの男性神官さん?らしき人と女神像がある。


 その隣に短い白髪にダンディな顔付き、赤いマントと如何にも強者オーラを垂れ流している人がいた。


「俺とメイリーンの息子だ。きっと魔力に恵まれ、素晴らしいハルバードの使い手になるはずだ!」


 腕を組んでいるダンディさんがそう答えた。


「あなた様。必ずしもそうとは限りません。

 ですが、この子に何があろうとも私はこの子を大事に育てていきます。」


 あーなるほどパパ上か。いや父上か。なんとなくだが、そんな気がしていた。

 全く、俺でなければ見逃してたね。


「当たり前だ!我が子を見捨てたりなどせん!

 勿論、皆も共に助け合いながら見守っていこうではないか!」


 父上が意気揚々に周りへ語っている。豪快で元気溢れる人やなと感じた。


 準備ができたのか神官さんが中心から女神像?の近くへ行き、こちらを向く。


「では、これより『選定の儀』を始める!」


 神官さんから力強く言い放たれた。


 なんぞそれ。と思いつつも、泣くこと以外できないので見守っていたら、急に女神像を中心に光出した。


 うぇーー!目が痛い・・・


 「むむむむ!なんとこれは・・なんということか・・・・。」


 光が照らされる中で神官さんが呟いた。


「どうされましたのかな?神官殿よ?早く結果を教えてほしい」


 急かす父上に対し。


「ドルガル様・・・・なんと申し上げればいいのでしょうか。

 その、非常に申し上げにくいのですが、彼にはスキルや魔力がありません。」


 ・・・・・・・はい?

 あーあ、本当どうしてこうなったのかな?

 とりあえず泣いときますかな。


 「ふぇーーーーーーん!」


 あとがき


 初めて、書いてみる側に回ってみました。


 応援・フォローなどしてくださった方々、ありがとうございます。

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 よろしければ、今後もお付き合いいただければ嬉しいです。

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