踊るマーメイドフェスタ

ナルスン

純心のマーメイドフェスタ

第1話 崩壊の前日






小さな頃は世界は神の御心のまま平等で、誰もが笑ってるとおもってた。


僕がいて家族がいて"先生"がいる。

全てが僕の中では完璧で、その闇に気が付かなかったんだ。


気が付かないふりをしてたんだ。




××××××××××




「アル!早く起きなさい!!お父さんもう畑のお仕事に行ったわよ」



「兄貴ー 俺も先に行くから早く来いよー」



「うぅぅ、、おはよう、、」



その日も何も変わらない1日だった。

母親に起こしてもらって、しっかり者の弟に少し呆れられながら急いで朝ごはんを腹に入れ仕事に向かった。 



「おぉ、アル起きたか。全くお前は少し読み書き出来るからといって、夜遅くまで本なぞ読みおって。農家の長男としての自覚が、、、」



「ご、ごめんって父さん。"先生"から貰った神様たちの歴史が面白くってさ。ほら農業の神様に詳しくなってお祈りでもすれば何かご加護が貰えるかもしれないし」



いつもと同じ言い訳して



「ばかもん!神様方にはそんな疾しい気持ちなど

見破られて逆にバチを当てられるぞ!いい物を作り、感謝し、捧げる。何度も言っているがこれが大事なんだ!!わかってるのか!大体余所者の"先生"様になぞなつきよって!!」 



「そうだぞー 兄貴ー いい物作らなきゃな

じゃないと隣の所みたいに不作になるぞー 

"先生"の話もつまんないのに良く聴きに行くよなー」



お決まりの返事をもらう。ここ最近なぜかお隣さんは不作ぎみだった。いや、村全体が不作気味なんだけど、お隣さんの所が一番の不作だった。



「マルス、お隣さんの前では絶対言うなよ。あと、"先生"の話はこの世界の何より面白いだろ!」



弟のマルスはのんびりしていて人の心の機微に鈍感なので釘を刺しておく。

僕に神の本を貸してくれた"先生"は6年前、僕が10歳の頃村にお医者様としてきてくれた人だ。



「"先生"には父さんだってお世話になってるんだから、そんな態度良くないよ!村の皆んなもどうして仲良くできないのさ」



「ふん!!お前も長くこの村で生きていけばわかる時がくる」



僕は"先生"を尊敬している。文字も歴史も神様の事も"先生"から教えてもらった。世界には色んな神様がいて、気に入った人に加護ってやつをくれるらしい。加護は物として現れると先生は言っていた。

剣だったりアクセサリーや馬なんて事もあるらしい。神の性質やその人の望む物で能力は様々らしい。



そんな僕に色んなことを教えてくれる"先生"は余所者扱いで村の皆んなからは少し距離を置かれてる。皆んな先生にお世話になってるはずなのに、、、。



「アル!マルス!無駄口はもう良い!!今日は収穫なんだ!!早く収穫して家でご馳走だぞ!」



「わかったよ父さん」



「ご馳走最高ー!!」




そうして僕らはいつも通り収穫をして家に帰ったら。この後にでも先生の所に顔を出せば、、、。



いや、この時はもう遅かったんだ。

もっと前に僕だけでも村と"先生"関係を良くするために動いていれば何かが変わったのかもしれない。

たらればだけど、こんなに後悔もしなかったはずだ。











結論から言えば"先生"はこの日の夜、神の加護で

僕以外の村の人を皆殺しにした。















▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

どうしてもこのタイトルで話を出したくて

でも更新とかしなくなりそうなのが怖くて3年くらい読むことに専念してましたが、どうしても自分でストーリーを始めたくて書き始めました。


ひっそり頑張って行きます!

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