裏クリーンレンジャー
@yanagikavuki
第1話 誕生1
雨の中、スラム街の外れにある瓦礫の中、1人の少年が寒さでうずくまっていた
髪の色は褐色で、相当着替えなどをしていないのであろう、体中が汚れて衣服もボロボロの状態だった
「おれもこれで最後だな…」
そう決意したときに黒塗りの車が目の前に止まった
黒いスーツを着た男が傘を差し出し、後部座席にいた男に傘を向けた
降りてきたのは初老の男、と言っても体格はかなり大きかった
警戒する少年に
「威勢がいいな、名はなんと言う?」
名前?おれはいつも
「クズ」
と呼ばれていた、本名なんて聞いたことがない
伏し目がちにそう言うと
「クズか、これからこっちに来い」
抵抗はあったものの、一度死を覚悟した身だ、とついていくことにした
車はとても乗り心地がいい
見たことがあるのは、スラム街で乗り捨てられたシートもボディーもボロボロの車だった
どんどんさっきいた場所から離れていく
明るく賑わいのある街中を潜り抜け、また静かな林の中を通り抜ける
着いたのは立派な屋敷だった、周りを見渡し建物を眺める少年がのけぞってしまうほどの高い建物だった
広くて綺麗な建物に圧倒されるばかりだった、少年は胸をときめかせていた
室内に入ると一人の男性が
「また無断で外に出かけたのですか?…なんて小汚い子供…」
続きをいう前に初老の男は口を塞いだ
「おれに指図するんじゃねー!」
と怒鳴り、男を投げ飛ばした
「悪かったな、ひどいことを言わせてしまって」
酷いことを言われるのは慣れている…でもかばってもらったのは初めてだった…
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