ワーリー・ウォーリー・クーリーと 忘れられた地下街

ベレー

第1話

{昨日午前8時過ぎオール山の旧鉱山跡にて巨大な金の塊が発掘されました。専門家によると、これらの金塊は自然で発生したとは考えにくく人為的に作られたものの可能性が高くこの先の研究に・・・}


 「兄さん兄さん、金塊だって。僕らが住んでる山だよ。」


 「この前ピクニックに行ったじゃないか。」


 「えー。クーリーも行きたいでしょう?」


 「僕はご飯が食べれたらいいや〜」

  

 「そんなこと言わずに行こうよ〜」


僕たちは仲良しフクロウ三兄弟、3人で協力しながら日々過ごしている。勇気たっぷり、いつも頼りになるワーリー兄さん。いつも何か食べてる食いしん坊で怖いもの無しの弟のクーリー。そして発明ならお手のものどんなものでも作って見せよう僕が次男のウォーリーだ。今日もいつもどうりの日々を過ごしている。


 コンコン


おっと、これは誰か来たみたい。多分いつものお騒がせさんだな。


 「窓の外から聞いておったぞ。今すぐその山に行って金塊を手に入れるぞ」


この人(?)は宇宙人さん。宇宙からある日突然僕らの家にやってきた。今は土の下に秘密基地に住んでいるらしい。親指サイズとは思えないくらい声がでかい。自称宇宙最強らしい。


 「隊長〜。待ってくださいよ〜。そんな走らなくても〜」


この人(?)は宇宙人さんの部下。いつも宇宙人さんに振り回されてる。かわいそうに。宇宙人さんと違ってかなり落ち着いていて常識人だ。急がんと金塊が他の誰かに取られてしまう


 「バカモン。一刻を争う事態なのだぞ。いそがんと金塊をほかのだれかにとられてしまう。」

 「そんな下心たっぷりなのは隊長だけですよ〜」

 「ね、宇宙人さんもこう言ってることだし探検に行こうよワーリー兄さん」

 「まあいいや。じゃあみんなで行こうか。ほら、クーリー食べるのはもう終わり」

 「え〜。まだ腹半分だよ〜。」

 「1週間分の食料一人で食べたのに?」

 「おい、貴様ら。何をモタモタしているさっさと支度しろ。おい、部下わしの荷物は持ってきたか?」

 「はいはい、持ってきましたよ。一体何をこんなに持ってく必要があるんですか?」

 「もちろんわしの常備品たちじゃ」


 「よし、みんなの準備も終わったことだし、オール山にむけてしゅっぱ〜つ」

 「ちょっと待って兄さん。近いと言っても歩いて行ったら半日はかかるよ。今回の目的は探検なんだからこれに乗っていこうよ」

 ズッドーン と、どこからともなくドリル車が出てきた。

 「やるじゃないか発明フクロウ。ではさっさといくぞ!」

 「だから僕はウォーリーだって・・・聞いてないか」

 

 「みんな乗った?」

イェーイ

 「それではオール山の旧炭鉱へ向けてしゅっぱーつ」

こうして5人はオール山へ出発しました。通常半日かかる航路を立ったの三十分で到着してしまいました。さすがウォーリーの機械ですね。

 「さあ、みんなもうすぐ旧鉱山に着くよ。ここからは地盤が緩いから速度を落とすね」

 「何を言っておる。ここまでくるのにもう三十分という莫大な時間を浪費しているのだぞ!これでは到着が遅れて金塊を取られてしまうぞ。速度を上げろ」


そう言って宇宙人さんは操縦桿に手をかけます。


 「ちょっと!ここは地盤が緩いんだ。しかも鉱山のせいであちこち穴だらけなんだ。今スピードを上げたらじばんがくずれちゃうよ!」

 「そんなことわしが知るもんか!わしの宇宙船ならこんなとこまで一瞬だぞ!」

 「地球に来たとき壊れて今も修理中なんでしょ?それなら意味ないじゃんか」

 「わしを愚弄するか」

二人で操縦桿を取り合っていると

ガラガラガラ

と音が鳴り、みんなが乗ったドリル車ごと地面に落ちていきました。

 うわーーーーー----


 「みんな大丈夫?」

 「わしは大丈夫じゃ」

 「僕も大丈夫だよ。クーリーは?」

 「んーんーんー」

 「わー。クーリーが埋まってる。早く掘り出さないと」


 「あーびっくりした」

 「とりあえずみんな無事でよかった。これからどうしようか」

 「わしが見てきた限りわしたちは洞窟の中に落ちたようじゃ。距離からしてこの洞窟は旧鉱山の洞窟で間違いないじゃろう」

 「すごーい、宇宙人さん」

 「わしに感謝するんじゃな」

 「そもそも宇宙人さんが邪魔しなければこんなことにならなかったんだからね!」

 「まあまあ結果オーライじゃ」

 「とにかくこの洞窟の先に進んでみよう」

 

 「僕と宇宙人さんは落ちた時に壊れたドリル車を直そうと思う」

 「おい!なぜわしを巻き込む」

 「宇宙人さんが故障の原因なんだから手伝うのは当然でしょ」

 「仕方ないのぉ。今回だけじゃぞ」

 「じゃあ、ワーリー兄さんとクーリーと部下さんでこの洞窟がどこにつながってるか調べて来てくれない?」

 「わかったよ。じゃあ行ってくるね。ウォーリー修理頼むね」

 「わしも忘れる出ないぞ」

 「わかったよ。宇宙人さんも頑張ってね」

 「任せるんじゃな」

 

こうしてワーリーとクーリーと部下でこの洞窟を探検することになった。ウォーリーの言うにはオール山の旧鉱山につながっているはずだ。近いと言ってもここから目的の洞窟までは直線距離でも4,5キロはある。しかも真っ暗の洞窟の中自分たちの響く足音だけが聞こえる状況はきっと誰が体験してもきついものだと思う。30分も歩くと三人はもう疲れ切っていた。


 「みんなここらへんで一回休憩しない?クーリーももう限界みたい」

 「そうですね。クーリーさんの目が明後日どころか再来年の方を向いています」

 「ごはん。ごはん。ごはん。ごはん。飯。ごはん。お米。ごはん・・・」

 「クーリーが・・・。休憩しよう」

 

 「クーリー、はいご飯だよ」

 「ごはんだご飯だjkbkjぼさdlqこじさdぁsんだおslだ」

 「すごい勢いで食べてますね」

 「あ~あ~僕たちの分まで・・・」

 「それはさておいてどれくらいまで来たんだろう。これだけ歩いたんだからもうすぐ着くころだと思うんだけど・・・」

 「そうですよね。ずっと同じ景色じゃまいっちゃいますよ」

 「しっ。何か聞こえる。みんなも注意深く聞いてみて」

 カタンカタンカタン・・・・

 「なんか電車みたいな音聞こえない?」

 「ほんとですね。この先に何かあるんでしょうかね?」

 「いっ~てみよ~うか~」

 「そうだね。行ってみよう」

そうしてワーリー・クーリー・部下たちは洞窟の奥のひらけた部分まで進んでいった。


 「なんだこれ…」

 「洞窟の中にこんなものが…」

 「すごいね〜」

カタンカタン…ガヤガヤ

そこにはとても信じられない光景が広がっていました。そこには地下洞窟に広がる大正街が広がっていました。それも小さい町などではなく、大都市が広がっていました。薄暗く瘴気漂う君の悪い町でしたが、とても栄えてるようで大勢の町民で賑わっていました。

 「地下洞窟にこんな街があるなんて」

 「とても旧鉱山の中にいるとは考えられませんね」

 「おなぁすいた〜。なんか食べ物ない〜?」

 「そうだね、腹ごしらえでもしようか。持ってきたご飯クーリーが全部食べちゃったからね。こんなに大きな町だし何かしら食べ物屋さんがあるはずだしね」

 「やっ〜た〜。じゃああそこの焼き鳥屋さんにしよ〜」

 「よしそうしましょうか」

どーん どーん どーん どーん …

 「向こうのほうから何か聞こえない?なんか爆発音みたいな。相当遠そうだけど…」

 「ここは旧鉱山の街ですから、きっと今でも鉱山活動があるのでしょう」

 「そうか…」

カラン

 「おう、いらっしゃい。見ない顔だね〜。あんたたち“新入り“かい?」

 「あ、はい。少しここを見ていこうと思ってまして」

 「へえそうかい。じゃあなんにする?」

 「じゃあテキトーにお願いします」

 「はいありがとね〜」

 

 「はいお待ち」

 「ありがとう。はいクーリーご飯だよ」

 「ご飯、ご飯、ご飯…」

 「すごい勢いですね〜…それにしてもほんとよく食べますね〜」

 「お金足りるかな?」

 「大丈夫。たっぷり持ってきたから」

バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク

 「クーリー、クーリー。もう終わりもう終わり、お金もうないよ」

 「でもこんなに食べてるのに全然お腹いっぱいにならないよ〜?」

 「クーリーさんは本当によく食べるねぇ」

 「いやでも、部下さんいつもよりクーリー多く食べてるよ?」

 「そうですか」

 「ん〜まだまだ食べれる〜」

 「クーリー終わり終わり」

 「大将お勘定お願い」

 「アイよ、25円と30銭ね」

 「え、銭?」

 「なんだお前さん銭シラねぇのか?じゃあ25300厘かい?それとも2万5000円買い?」

 「あ、じゃあ2万5000円でお願いします。」

 「アイよ。2万5000円ね。確かに受け取ったよ」

 

 「なんか変なお店だったね」

 「そうですね。今どき銭とか厘とか使うことないですのに」

 「なんでもいいや〜。美味しかったから〜。お腹は全然減ってるけど〜」

 「じゃあね大将美味しかったよ」

そう言って3人は店を出ました。

 「え、あれ?」

3人とも息を飲みました。店を出たらさっきまでの大都市とは打って変わって大都市の廃墟がありました。街の人たちの声もなくなり恐ろしいくらいの静寂が訪れました。自分の心臓の音しか聞こえないその状況で彼らは立ち尽くすしかありませんでした。

 「街は?みんなは?さっきまであんなにいたのに?それに街も、できたばっかりのような綺麗な街だったのに。どこに行ったんだ?」

 「あれ?ワーリー兄さん。さっき食べたお店が」

 「あ、お店がなくなってます。ボロボロの店跡しかありませんね」

「どういうことだ。どうなってるんだここは」

「落ち着いてくださいワーリーさん。今はとにかくウォーリーさんと隊長に報告しましょう。一旦戻りましょう」

「兄さん兄さん。僕も少し怖い」

「そうだな。一旦戻ってドリル車に乗ってまた来よう」

そう言って3人はさっき歩いてきた道を戻って行きました。先ほどまであったものが忽然と姿を消す状況に3人とも戸惑い足も自然に早くなっていきます。地面も先ほどまでの舗装された地面ではなく、ずいぶん昔に舗装されたであろうコンクリートの破片がところどころ見えるだけである。街の入り口の近くまで戻ったとき、

 「あれここに入り口なかったっけ?ここから入ってきたよね?」

 「え、ええ。そのはずですが、ほ、崩落でしょうか、道が塞がってますね」

入り口が塞がれていて3人とも困惑し不安になる中、先ほど来た道からまた・・・

どーん どーん どーん どーん ・・・

 「ま、またあの音だ。な、なんの爆発音だろう。まるで何かと何かが衝突するような音だ」

 「一体なんでしょう。近づいては遠のいて、近づいては遠のいて。気味が悪いですね」

 「一体どうしよ〜。どうしたらいいの〜」

 「でももういく場所はこの通りを抜けて旧鉱山の出入り口から出るしかなさそうですね」

 「そうだね。今は進むしかなさそうだね」

こうして3人は来た道を戻りそのまま街の中心の広場へ向かいました。




・・・・・続く・・・・・


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