認識の違い 関係

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 男は、がっかりしていた。

 せっかくここまで来たのに。

 と、肩を落とす。

 それは、目的地であるお店がやっていなかったからだ。


 今の時代には、ネットがある。

 店が開店しているか確認してからこればよかったのだ。

 たしかこの店はホームページを作っていたはず。


 確認を怠ったのは自分だ。

 自業自得だと思って、男は大人しくとぼとぼと家に帰っていく。


 その背中を見ていたのは、偶然店の様子を見に来ていた店主だ。


 男は店主知り合いだった。


 互いに愚痴をいったり、お酒をのんだりする親しい間柄だ。


 遠慮なく物を言い合える存在だと、店主は思っている。


 客と店員というよそよそしい間からではなかった。


 だから店主は、良かれと思って男に声をかけた。


「何か用があるなら、店をあけようか」


 男は振り返ってにやりと笑った。


「そりゃよかった。でも目当てはお前さんだよ。日ごろからお客様である俺に生意気な口をきいてたから、むかっぱらがたってたんだ」


 その手には凶器が握られていた。


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認識の違い 関係 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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