第3話

「は?」


見渡す限りの黒い正方形の煉瓦ブロック。


どうやら、ゲームに入って最初の転移場所はダンジョン内だったようだ。


しばらく魔物がいないか周囲を散策していると、


「ようこそ、勇者よ。ここに来たのは3256人目。わたしを倒した者は、まだいないッ!!説明しよう!ここはわたしのために特別に建てられた部屋であるッ!どんな攻撃でも耐えられる(ようにシステムされてる)!」


どんな攻撃でも耐えられる?


あ、チュートリアルなのか。チュートリアルダンジョンね。

それなら、一回素手であいつを殴ってみるか。


「よっ、オラッ!」


「ながぁぁぁぁだかぁぁぁぁあ!」

キラ〜ン☆

※☆3つ欲しい


さすがチュートリアル。

相手がめっちゃ弱いな。

なんか真っ黒なローブ羽織ってて強そうなオーラ出してる系人間?だったけどな。


『パッパパーン!おめでとう🎉🎊㊗️ゲームクリア‼︎』


ん?ゲームクリア?

なんかエコーかかってんな。

チュートリアルクリアって意味か。


よおし、次に進もう。


でもここから出る扉どこだ?

あ、なんか外開きのでっけえ扉あんじゃん。でもなんで取手ないの?

まるでこっちからは使わないように設計されてるみたいだ。


これ、凸ったら開くかな?

さすがに全力体当たりで開きそうだけど。


もしやチュートリアルその弍なのか?


じゃあ遠慮なく行くか。


「オラッ!」


ドゴォォォォォォォォォン!!!!


ん?なんかすげえ音して扉飛んでった。

ま、いいか。


「〜ん、誰かいないかなあー」


トコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコ。


「?、だぁーれだ?」


「誰だ貴様!」


「ん?ハルトって言うんだけど」


「?!お前、あっちから来たということは?!もしや?!魔王様を?!」


人の話聞けよ。

俺はハルトだよ。


「真央様?」


あいつ女の子だったんだ。


「そうだ。魔王様だ!」


「あの黒いローブのおにゃのこなら倒したよ」


「おにゃのこ?それは分からんが、黒いローブ、魔王様で間違いない。というか貴様、魔王様を倒したのになぜ息切れすらしていない?」


「いや、だってチュートリアルだよ。一撃で倒せるでしょ」


「一撃?!な、なんということだ、、、お前!嘘をつくならもっとホントらしい嘘をつけッ!」


「?」


「き、貴様ぁぁ!」


「??」


「魔王様の仇ィィィ!!」


「???」


バアァァァァァァーン!!!!


「????」


どうやら、あの黒い顔の執事みたいなやつは、死んだようだ。


レベル9至の境地は、敵の攻撃を跳ね返すほどのガードの堅さを持っているようだ。


ってか、あいつも強キャラ感半端なかったな。

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