過去編 二 スラムへ

ー2098.3.15ーーーーーーーーーーーーーー

ー中国,砂金砂漠,ヴィライア自治区ーーー

ー晴天,39℃,102.2°F,8%ーーーーーー


俺たちはホテルで一泊し元気を取り戻した。

「今回の任務の最終確認をしよう」と

二人で俺の部屋に集まり、話をはじめる。


「今回は先ず、自治区西のスラムに行き

その先にある小さい広場で

地元の戦闘集団「黒豹軍」の幹部と会う」

と話し始め、互いのスマートフォンの

中のブリーフィングデータを擦り合わせて

確認をした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


a.m.9:00


一時間くらいたったあと


俺たちは行動を開始した

「先ずは、自治区西へ向かおう」

と言い 西へ向かい歩いて行く。


建物は砂岩製で窓には模様が入っていたりと

景観の良い町だ。


町は東に行くほど施設や景観が良くなり、

西へ行くほど痩せこけた少年や

トタンや質の悪い材料で出来た家が増えていく。


だが珍しいことにこの町は西側に川がある。

そのため、西側のスラムの方が

多く水を使えるのだ。


まあ、水が綺麗かは置いといてだな…。


西側はホテルや飲食店もないと聞いた。

勿論、スラムに観光客が行くわけもないのだが。

西はトイレ等のライフラインですら

整備されていないと聞く。


完全に東西で格差が生じている。


いま向かっている戦闘集団の中にも

格差に対する不満を持ち戦う人がいるそうだ。


反政府ゲリラの目的は、

スラムに対する政策の改善。

それとスラム在住者への支援であり

中国政府軍への攻撃や

政府重要施設への攻撃を行う


又、目的のためならば

他の地域の戦闘集団との共闘もするそうだ。


いまスラムの人が食べているものも

軍施設から強奪したものらしい。


なので今回はこのゲリラが

基地から食料強奪をしているときに

裏でバレないようにミサイルに

対処することになった。


そんなこんなで歩いていると、

やっとスラムについたらしい

俺は頭からいらない考えを捨てて

スラムへと足を踏み込んだ。



スラムに入ったその瞬間、

スラムの人々が俺達を睨む。


大人から子供まで

十五人ほどが一斉に俺達の方へとむく様は

ホラー映画やホラーゲームのような


「恐い」という感情を俺達の心の中から

引きずり出そうとしてくる。


だが俺は 負けずに踏み出して言った。

「安心してくれ、我々は政府の人間ではない」

「黒豹軍の人に会いに来た」

「知っている人がいたら場所を教えてほしい」

「黒豹軍の人間は我々の事を知っている」


俺はたいして上手くもない中国語で

敵ではないこと、

そして、

ここの反政府ゲリラに会いに来たことなど

包み隠さず話した。


その行動が功を奏して

その場の緊張が一気に解ける

奥で慌てて動く人が何人かいる。

恐らく人を呼びに行ったのだろう

俺達は近くの椅子で迎えが来るのを待っていた。

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