承諾(後編)
林風(@hayashifu)
第1話
承諾(後編)
報告
お寿司も食べ終わり、台所では、彩子と母親とが仲良く片付けをしている。
父親と残され、会話を続けていた。
「で、武君。仕事のほうは順調なのかね」
「そうですね、お義父さん。まだまだ、下っ端の身なんですが、先輩とも、打ち解けてきましたし、楽しくやらせてもらってます!」
「そうか、それは頼もしい限りだな。確か、広告代理店で働いていると、聞いていたが」
「はい。今年で四年目に入ります。飲み会などがあり、お酒などは飲めないたちなので、遠慮させてもらってますが、付き合い程度なら、いただくことはできます!」
「じゃあ、今度、いっぱいどうだね?私と」
「いいですね、お父さん。しっかりお供させてもらいます!」
いい雰囲気で、父親とも、仲が深まっていた。
そこに、台所仕事を終えた、彩子と母親が戻ってきた。
母親が、武に話した。
「武さんたち、もう新居は見つけたの?」
「そうですねえ。具体的なことは決まってませんが、新しい住み家は、こどもができてから、二人で探そうと思ってます」
父親が言う。
「ここで暮らせばいいじゃないか。彩子もこどもが産まれるまで、ここで暮らすんだろう?」
「お父さん。そういうことは、今後決めればいいじゃないの」
母親が、たしなめる。
そこに、父親が畳みかけた。
「武君。赤ん坊の名前はもう決めてあるのかね?」
「はい!候補がそれぞれあがってます!女の子なら、あみ、いおり、なつき!男の子なら、みなと、かえで、かなた、などです!」
「うーん、私も考えたんだが、大和(やまと)というのは、どうかね?」
「大和ですか。男らしい名ですね。でも……」
そこに、彩子が待ったをかけた。
「父さん!これ、武さんとわたしたちが、二人で一生懸命、考えた名前なのよ!口をはさまないで!」
『たけも、嫌なら、嫌って、はっきり言いなさいよ』
『でも、お義父さんの案なんだし、邪険にはあつかえないよ』
二人は小声で話している。
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