辺境伯家はどんちゃん騒ぎがお好き?


「洋風おでんは好評ね♪」

「そうですね、でも、あまりパンは食べておられないようですね♪」

「そうね、おでんとビールで、お腹を満たしたいのでしょうね」


「パンがかなり余っていますが、どうします?」

「ミルクにつけてフレンチトーストでもいいのですが、今回は素揚げしましょう♪」


 固いパンを小さめに割、素揚げして軽く塩を振ります。

 サクサクしてビールのつまみになります♪


「隊長さん、これなら固いパンもそれなりに美味しいですよ」

 隊長さん、ご試食です。


「おお、これはサクサクして食べよい♪ビールに合うな♪」

「皆、このパンを食べてみよ、旨いぞ!」


「隊長!ビールが足りません!」

「これ以上は町で調達することになる、おい、誰かビールを買ってこい!」


 幾人か、走って町に買いに行こうとしている時……


「何事ですか!」

 メイドさんの1人が来たのです。

 この迎賓館の使用人を連れていました。


「おっ、あんたか?皆で夕食を食べていたところだ、エマさんが作ってくれたのが美味くてな、ビールが足りなくなったから、町に買いに行くところだ」


 迎賓館の使用人が、


「ビールなら、先ほど取りに来られたはずですが?」

「そうなんだが、足りなくてな……」


「この町の商店は7時に閉まりますよ、それ以降は酒場でしか、ビールは提供していませんよ」

「なに、今は8時を過ぎているではないか……」


「そうか……しかたないか……」


 露骨にがっかりしている隊長さん。


「夕食なら仕方ないですよ、一応ジョスリーヌ様に申し上げておきます、それから、ここの方たちにご迷惑をかけないようにしてくださいね」


「分かった……」


 メイドさんの顰蹙を買ったようですが、楽しくご飯ぐらい食べなくてはね♪無視無視♪


「ねえ、隊長さん、大きな空の水桶なんてないかしら?」

「ありますが……どうされるのですか?」


「口に合うかわかりませんが、安酒で良いなら、結構持っていますよ♪」

「提供してくださるのか?」


「でも、さすがに無料とは……」


「料金は出してあげましょう、頼みなさいな」

 突然、声がします、ジョスリーヌ様ですね……

 メイドさんを引き連れています……まったく……


「ただし、私も混ぜなさい!」


 やっぱり……


「アンドレもマリアンヌも寝たわ、晩餐も終わったわ、この後は自由時間なのよ」


「ジョスリーヌ様、こんなところでお酒……辺境伯様に叱られませんか?」

「大丈夫、主人がおれば、今頃はもっと派手にどんちゃん騒ぎよ♪うちは辺境伯、領民は荒いのよ、親睦を深めるために、このようなことは珍しくないのよ♪」


 ……


「どんなお酒か楽しみね♪」


 警備隊の方が、コッヘルなんて差し出しています……

 よくある事なのでしょうね……


「安酒ですので、怒らないでくださいね」


 ●ブンさんの『焼酎 20度 4L』1,498円……サトウキビ糖蜜を使ったもので、甲類の焼酎です。

 水桶は5.4Lぐらいは入りそうですので、水桶に焼酎1つでね……水桶は3つ……


 いつものように、フレイヤさんが幌馬車内で用意して、外に持ち出し、警備兵の方がここまで運びます。


「まずは私が飲んでみるわね♪」

 真っ先に、コッヘルを水桶に突っ込んでいる、ジョスリーヌ様でした。


 この後、酒盛りは続き、おでんも焼酎も何回追加したことか……


 おでんはお肉がすぐなくなりました。

 だしの意味もあるので、ここは牛すじ串、つくね串、鶏もも串、沖縄風ソーキ、ロールキャベツなどなど●ーソンさんのおでんも追加……

 さらに最初の具も大量投入♪豪華にパワーアップ♪


 揚げ乾パン?もどしどし作ります。

 これ、酒のお供になると、結構評判がいいのですね♪


 焼酎は1本22ランドで取り寄せ、売値が25ランド、つまり3ランドの儲けで、7回分ですので21ランドの儲け。


 しかもウィスキーなんてのもね、37度の1.8L、1,698円、仕入れ25ランド、売値を30ランド、5ランドの儲け……

 水差しに入れて提供です。


 信じられないのですが、ジョスリーヌ様と5人のメイドさんたちで、空瓶にしていました。

 ウィスキーのつまみですが、さすがに固いパンがなくなり、エマさんが取り寄せています。

 といっても、チーズクラッカーと、各種のナッツですけどね。


 このあたりでエマさんたち3人、ベロベロです。


 男ども?ひっくり返っていました……


「まだまだいくぞ!」

「ジョスリーヌ様!お供いたします♪」


 ジョスリーヌ様たち6人の女性陣、酒豪でした……

 

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