愛情たっぷりトースト


 ……危ない……創世の秘密なんて知ったら、神様の怒りを買いそうです……


 あれ、私の行動を神様は『娯楽』としてご覧のはずでは……


 なるほど、わかってきました、この『娯楽』、破局の伏線が仕込まれている……


 これはゲーム、観客はわくわくしながら見ておられる……

 いつ、私が『いらぬことに首を突っ込むか』、いつ地雷を踏むかと……


 のぞき見などは身を滅ぼす……人の性(さが)を嘲笑うという事でしょうね……


 まあ、いいわよね♪禁忌なんてあずかり知らないわよね♪  

 でも、注意よね、この頃、女性ホルモン過多の様な気がしますからね……

 女になって、しかも美女になって……これで、男なんて惚れ、抱かれたりしたら、完全に女……


 うっかりすると、女特有の噂話が大好きになったり……

 嫌な予感がしますよね……


 やはり、女を侍らしての百合三昧が正解よね♪


「エマ様、なにをお考えに?」

 クロエさんの声に我に返ったエマさんです。


「いえね、ベネット王国に入ったら、このままベネットの王都に行こうか、それともどこかの町で定住しようかなとかね」


「定住ですか?私はエマ様とご一緒出来るなら、何処へでもついていきますから♪」

「私もご主人様となら、何処へでも♪あの世でもご一緒しますよ♪」

「フレイヤさん、凄いことを云うのね♪私も見習わなくっちゃ♪私もエマ様となら、死出の旅でもお供します♪」


「2人とも、そんなご大層な決意は……困るけど……ありがとう……これから3人で仲良くしましょうね♪」


 3人仲良く、この世界を楽しみましょう!幸い私の危険予知はチートですからね、お婆さんになるまで、仲良くね♪


 今日のモーニングは厚切りトースト、例のパン屋さんの無料サンプルには3斤の食パンもあります♪

 これを2斤分6枚に切ったのです♪


 軽く切れ目を入れて、そこにソフトマーガリンを塗りこんで、パンの表面に水を軽く霧吹き、調理の力のオーブントースターで焼き上げ!●ァミマさんで売っている純粋はちみつを塗ります。

 最後に100円●ーソンの7グラム4個のバターを1個のせて、ハニーバタートーストの出来あがり♪


 もう1枚目は、●ブンさんで売ってる、ツナ&マヨとコーン&マヨを半々に塗ってから、オーブントースターで焼き上げ!


 飲み物はインスタントコーヒー、スティックシュガー、そしてコーヒーフレッシュ。


 ●ーソンさんから取り寄せた、レタスミックスサラダとたまごサラダそれぞれ1袋を3等分。


 ちょっとばかり気合いを入れて作ったのよ♪

 女の嗜み全開なのです♪


「私の大好きなクロエにフレイヤ、愛情たっぷり込めたのよ♪召し上がれ♪」


「ご主人様の愛情たっぷりの朝食♪頂きます♪」


 ささやかですが楽しいお食事、人生って、このぐらいで丁度いいのですね♪


 一応、休憩所にはトイレもありますので、お花を摘んでおきましょう♪


 あら、いやだ、こんな細かいところまで、女の嗜みがね……まあ、いいかしらね、女なのですから……

 大向こうの神様達はお笑いでしょうね……


 日中はこのトイレを使用するつもりです、ここでなら安心ですからね。


 おトイレを済ませ、馬車に戻ると、昨日のお客さんの1人が来たのです。


「お嬢さま方、何処まで行かれるのですかな?」

「ベネット王国までいき、後は昨日のような移動パン屋をいたします」


「そうですか?私どもとは反対方向ですね……」

「実は私はベネット王家出入りの商人で、バンベルク大主教領でも商売をしております」

「もし、よろしければ、昨日のパンを売っていただけないかと思ったのですが……」


「昨日のパンはあれでお終いなのです、別の物で良ければ多少はありますが?少し固めのパンですけど、ご試食されますか?」


 幌馬車に戻り、スティックプレッツェルを取り出し、そして差し出したエマさんです。

 一応、焼き上げてたものを一つ、無駄とこき下ろした、調理の力の『冷ます』機能が役に立ったようですよ。


「このままでも美味しいですが、オリーブオイルをかけても美味しいと思いますよ、お持ちですか?」

「一応持っております、どのぐらいの量をどのぐらいの値段で売っていただけますか?」


「量は私どもも、この先、このパンを食べますので10個ぐらいなら、ただお値段は売る気が無かったので……4ランドでは高いですか?」

「お安いと思いますよ、というより、馬鹿げた安さかと……」


 この日、40ランド儲かった訳です。


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