第13話

 麻衣が妹で、自分の子どもがいる。


「手紙ですきなひとができた?ってどういうことだったんだ?」


「えっ、好きなひとの子どもができたんだもん。好きなひとができた、であってるよ。ずっと孝だけ、ほかの俳優さんとのラブシーンも全部NGで、他の男性とキスもしたことないよ。

孝は、そうじゃないの、知ってるけど、でも、付き合っても1か月もたないね。」


「なんでそんなことまで、知ってるんだよ。」


「今日は、泊まっていくでしょ?もう間違いのないように、避妊の手術したんだよ。私たちって、本当なら、子どもを作っちゃいけないから。」


10年ぶりに、麻衣と、、


まさか、そんなことになってたなんて、、


麻衣は、ずっと苦しんでたのに、自分は何も知らずに、生きてた。


どうすればいいのか、わからないけど。

結婚できなくても、ずっと一緒にいたいって

もうぜったい離したくない。世間の常識では、気持ち悪い事だろうけど、そんなの今さら知ったから、諦めるとか、できない。


「おれたち、法律的には、結婚はできないけど、一緒に暮らしていきたい。だめかな?」


「はい。喜んで。でも、もうこの仕事をやめてからね。」



 結局、日本には、住む場所がみつからないので、外国に移り住むことにした。


息子のユウマには、打ち明けることはできなかった。

いずれ知ってしまうときが、くるのだろうけど。伯父さん夫婦が本当の親子のようにずっと育ててくれたので、まっすぐにいい子に育っていた。


「ほんとに、俺で、よかったのか?後悔してないか?」


「後悔なんてしてないよー。もっとはやく言えばよかったのかなって、思ったことはあるけど、仕事が忙しいし、楽しかったし、忘れることできてた。でも、やっぱり完全には忘れることできなかった。他の女のひとにとられるの、やっぱり耐えられないって、気持ちが膨らんでしまって、 ほんと大好きだよ。」


おしまい。




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