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 やっぱり戦いは避けたい。そうなると逃げるのが最善の選択肢だ。


 僕はデビルバットたちの動きを見極め、ベストなタイミングで前方へ駆け出した。程なく彼らとすれ違い、獣の臭いと翼による風切り音を間近に感じつつも僕はそのまま全速力で通路を走っていく。


 ――やった、戦わずに済んだ!


 そう思った直後のことだった。僕は不意に後頭部や背中に衝撃を受け、思わず前へ転びそうになってしまう。


 そしてなんとか踏み留まって顔を上げた時、目の前には僕を追い越して飛んでいくデビルバットたちの姿が! どうやら僕は背後から体当たりを食らったらしい。


 さらに彼らはツバメやハヤブサのような鋭い動きで瞬時に切り返し、再び僕の正面へ飛来してくる。その飛行能力は僕の走力を遥かに凌駕していて、とてもじゃないけど逃げ切れそうにない。


 そうだ、スライムと違ってデビルバットは動きが素速いんだった。逃げようとしてもすぐに回り込まれてしまうに決まってるじゃないか。もっと冷静に判断するべきだった。


「ッ!? うぐっ!」


 急に全身に激痛が走り、今度こそ前へ倒れ込んでしまった。痛みと熱さが体を蝕み、視界も歪んでいく。手足に力が入らず、もはや立ち上がることが出来ない。



 あぁ、僕はもうひとつ大事なことを忘れていた。デビルバットは毒を持っているということを。


 それに気付いた時にはすでに手遅れだった。激しく動いていたから毒の回りが早かったのかもしれない。


 体は一転して寒気を感じるようになり、だんだんと意識が薄れて……。



 BAD END 6-5

 

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