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よく分からないけど、敵の急所を衝けという意味なら剣で戦う必要があるだろう。
そしてこういう場合に狙うのは鎧の繋ぎ目や関節だ。そこはほかの部分に比べれば防御力が弱いし、壊してしまえば復元が出来なくなる可能性が高い。間違っても胴体の真ん中や頭を狙ってはいけない。
ゆえに僕は剣を抜いて身構える。相変わらずこの金属の感触と重さには慣れない。
「行くぞッ!」
僕は剣を握りしめたまま、鎧の騎士に向かって駆け出した。幸いにも鎧の騎士は岩のモンスターほど素速くはない。僕の走力でも容易に間合いに入ることが出来て、そのままヤツの肩と腕を繋ぐ部分に向かって剣を振り下ろす。
その場に響くけたたましい金属同士の衝撃音――
でも非力な僕の一撃では繋ぎ目を破壊することは出来なかった。逆に剣を握っていた僕の腕の方が衝撃によって痺れ、大きな痛みを受けてしまう。
さらに攻撃をした直後、隙の出来た僕に鎧の騎士は巨大な拳を振り下ろしてくる。そのカウンターを避ける間なんてない。
僕は全身に猛烈な衝撃を受けると同時に弾き飛ばされ、痛みと浮遊感が意識を包み込んだ。そして大広間の壁に背中を打ち付け、意識を失ったのだった。
――その後、僕はこの時の恐怖と痛みが頭に焼き付き、二度と鎧の騎士と戦うことが出来なくなってしまった。
BAD END 6-7
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