第68話・アップデート後の世界
アップデートが終わり、私はログインする。どうもアリスです。いまは魔王城の開拓を手伝ってます。
「それじゃあ、畑を耕すぞー」
「「「おー」」」
コボルトちゃん達が浄化された畑と魔王城の土で作られた畑を見る。浄化された土では果物が良く実り、できた物が変化していた。逆に魔王城の土は芋系が育ち、それ以外は育たないようだ。こっちも変化している。
採取された物を分けたり、検証班の図書館に届けるようにしている。私は薬系の生産職なので薬作る以外はやる事は無い。
初心者が入るようになってきた魔王城など、少し言いにくいが昔の私達のような人もいる。だけどすぐにコボルト達に捕まって牢屋に入れられたりする。獅子戦記の事があり、マナーの悪いプレイヤーはかなり目の敵にされている。複雑な心境です。
「薬の補充終わったよ」
「ありがとうございます」
お店を開くコボルト。ここの第一店舗、宿屋と料理屋も兼ねた道具屋です。第二は鍛冶屋。コボルト達が店番をしていて、品物のやり取りをしている。
私も中堅プレイヤーのフリーなので、兎さんに協力する事で魔王城で活動している。最近は人が増えて、色々相談する人も増えた。
「やっぱ敵が強いから生産でSP貯めて、クエストで経験値を集めるのが主流だね」
「それか食料護衛のクエストを受けて、竜の里に移動するかだね。向こうの方が環境は厳しいけどレベルは問題ないみたい」
「まだ物価は安いから、お金貯めて店が欲しいな」
「おい、綺羅星に貢いで破産したプレイヤーがいるらしいから注意しろ。兎さんからの報告だ」
「少しレベルがあると、白薔薇ちゃんと一緒に魔物退治クエが受けられるらしい」
そんな話を聞き流しながら、私は私で活動する。時計兎さんは忙しいけど、ロザリオさん、命姫ちゃんは島と魔王城、水晶ちゃんは島と竜の里、白薔薇ちゃんはいろんなところ。時計兎さんはレベル上げしている。
魔導人形関係で白薔薇ちゃんが一番人気があり、その次のロザリオさんくらい。娘である命姫ちゃんとかはお母さんの後ろにいるからほどほどだ。
薬をある程度貯めたら竜の里に移動する。護衛クエストと共にするので白薔薇ちゃんとバンダナくん達と移動だ。
白薔薇ちゃんが少し不機嫌そう。たぶん兎さんはいま浮遊基地でレベル上げしてるな。あそこの管理人であるイヴちゃんの好感度上げしているから、少し機嫌が悪い。
それでは食料、武器、薬を持って移動を開始する。
◇◆◇◆◇
雪景色が広がる竜の里は賑やかだ。スタート地点で公式に初心者おすすめにされているだけに、プレイヤーが多く居るし、クエストもたくさんある。
「バンダナさん」
「あっ、どうも」
白いコボルトの女の子とバンダナくんが会話して、その後に鬼族のオウマと言う人の元に行くバンダナくん。なぜか兎さんが受けたクエストを、バンダナくんがしているらしい。特訓と言う名のスキルアーツ、戦闘特技獲得クエストとのこと。
ただ兎さんはクリティカル狙いの手数だから、オウマさんのクエストで獲得するスキルはいらないらしい。少し可哀想。
鬼の巫女と竜の姫君が人気で、お近づきになろうとして親衛隊と従者に捕まるプレイヤーがいるとのこと。いろんな人が多いな。
私は少しフィールド探索して、帰る時間を待とう。なにか見つけるといいな。
◇◆◇◆◇
「ゴボウとワラビと山芋の群生地を見つけて、アリスさんがしばらく竜の里から移動できない?」
「了。群生地を見つけてはさらに見つけて、その場所を教えるのに時間がかかるようです。ついでにバンダナはオウマの下で必殺技の習得をしているので、彼らだけ置いてきました」
ユニは白薔薇からの報告にはあと頷く。アリスは運営関係者と言うこともあって、あまりこういう風に目立つのを嫌っている。だが見つけた物が物だけに報告してこうなったようだ。
ワラビなどは新たな食材アイテムで、わらび餅を作れないかとか色々検証と料理人が向かったらしい。
「あの子もあの子で、あのギルマスから離れて運が上がったのでしょうか?」
そう思いながらクエスト発注書をまとめ上げて、クリアされた物と人気の無い物をうまくさばく。ホームが欲しいプレイヤーなどもいるから、うまくまとめないといけない。
ユニはしばらく書類整理をしていると、クロが現れて膝の上で丸くなる。どうもクロとの信頼度は高い方で、にやにやしながら仕事をしていると………
「は? 白薔薇が温泉を掘り当てた?」
「はい、魔槌術なる上位スキルの練習で地面に当てて居たら、温泉を引き当てましたと聞きました」
「マジですかー」
当人は怒られると思ってあわわあわわしているらしい。落ち着かせて三郎達、大工ギルドに連絡して使用できるようにしないと。そんなことを考えていると、兎さんから連絡が入る。
【時計兎】「我、転送装置ゲット。帰還します」
【マーリン】「V」
【カリバー】「運が良いね、マサムネくんなら量産できるかも」
【時計兎】「準備よろしくね」
「………マジですか?」
なんか時計兎の関係者だけVRMMOゲームして無い気がする。
ユニはそう思いながらも書類の整理と大工関係のギルドとプレイヤーのリストアップをし出しながら考える。
「ここまでゲームに愛されているのなら、可愛い動物をもう少しプリーズ」
「わん?」
「あっ、クロちゃんはもう可愛いよ~♪すりすりすりすりすり」
「キュウー」
もふもふして色々タイミングよかったなと思い、準備に取り掛かるのであった。
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