大海大戦

第50話・精霊石強化

 白薔薇やバンダナを連れて、火山の方から未開拓エリアを広げる。森林と岩場が広がる山で、空を飛ぶもモンスターが多く居る。


「兎しゃ~ん~大きな湖を見つけました~」


「おー水の精霊石を作れそうかな?」


「それより着てくだしゃい」


 湖はかなり広く、透き通った水底に川魚が泳ぐ。


【侍ハート】「良い釣りスポット」

【エタる】「これは湖良いですね」

【エリック】「なんか動物います?」


「えっとねえ」


 その時、綺麗な羽根を持つ白馬が空を飛び、仔馬が湖を歩く。


「ペガサスおるねん」


【ウサギン】「いまから行きます」

【ユニ】「ニンジンですね、用意します」

【ユウ】「わーい、空飛べるかな?」

【ナイト】「ぺ、ペガサスナイトになりたいんですけど、いまから神技に入ればいいですか?」


 確かにそんなことできそう。


 仔馬ペガサスがこちらに飛んでくる。無防備と言うか、メロディーバードより危機感は無く、友好的なモンスターらしい。さっそく黄ニンジンを出して食べさせてテイムタイム。


【カリバー】「ペガサスナイトになりたいってフレンドコール来たけどこれか」

【レックス】「一種の夢ですよね?」

【ソルティア】「ペガサスに乗りたいですので抑えでお願いします。テイム取らなきゃ」


 なんか『神技の騎士団』の視聴率が上がり出している。おっと一頭テイム。続けた親子か、山の主に認められたからもあるだろうが、山の動物が友好的である。


 騎乗して戦えるか試しに乗ってみた。


「うおっとっ!?」


 なにも馬具無しだとキツイ。落ちないようにするのでやっとだ。


 視聴者からライダースキルがありますと言われたりして、あったから取った。それでやっと安定して乗れるようになる。


【カリバー】「ライダースキル、馬に乗ったりすると覚えるスキルだね」

【デュランダル】「ワイ将、ライダースキル8やw」

【グングニル】「槍使いの私もそれくらいだッ。いまから島行きますね」


 早速神技はペガサスナイトになるために来る予定らしいので、ここの探索はここで切り上げよう。


 ペガサスに乗り、子供にコボルトが乗り空を飛んで進む。意外と楽で良いな。


 白薔薇を後ろに乗せて、中央エリアに戻ると、黄ニンジンを大量に用意したプレイヤーがいて、いままさに向かうところである。


 ちなみにペガサスには水の精霊石を作る能力があり、もう精霊探すよりテイムモンスターから精霊石をもらうのが良いとプレイヤー達は話し合う。


 ◇◆◇◆◇


 マーリンはお仕事で忙しく、研究の成果は『賢者の図書館』から発表された。


「『賢者の図書館』の錬金、鍛治、魔術師考察担当の『クリス』です。今回、精霊石の製作で色々発見しました」


 動画を流しながらの発表。この人はミ―チューバ―であり、自分のチャンネルを持っているらしい。その中の発表だ。


「水の精霊石と風の精霊石で錬金スキルで錬成したところ、氷の精霊石を作り出すことに成功。光も闇も島で手に入り、火と風で雷の精霊石が作れました」


 他にも雷と風で嵐の精霊石、土と火で金の精霊石と言う新アイテムを発見。


 トライアンドエラーを繰り返して、光と雷で輝きの精霊石、光と闇で混沌の精霊石が作れたりしてデータを取っているとのこと。


 一人のプレイヤーが装飾品、アクセサリーとして装備できるのは最大五個。精霊石をアクセサリーとして揃えられるのは二つ三つのみだそうだ。


「ちなみに兎さんは樹で自然HP回復、嵐で攻撃力強化に重量軽減、風で重量軽減、輝きでアンデットと闇属性耐性、火で攻撃力強化だそうです」


「いえーい」


 彼女の動画なのでコメントは分からないが、色々反応は大きいらしい。ペガサスナイトもついでに報告。


 グングニルと言う槍使いのプレイヤーが様になって空を駆けて、模擬戦でプレイヤーと戦う様子が反響を呼ぶ。


「いっやー色々大変だけど楽しいね。ペガサス神聖魔法と水魔法使えるからサポートは強いね。ライダー用のアーツで攻撃力や機動力あげられるから、テクニック系のプレイヤースキル要求かな? タンクは回避タンクだろうかって感じ」


 空を飛んで戦場を駆け巡り、うまく立ち回りを要求される。神技のプレイヤーが下した結論である。


 ここまで来ると、俺も練習した方が良いかもしれない。ドラゴンがいるからね、ドラゴンの卵探しに、秘境まで進むプレイヤーがいるらしい。


「その辺りってレベル10以上でもキツイって話だけど」


「ああ、まだそこまで町の設備が整ったところが無いからね。アイテムが底が尽きたり、集中力が途切れたりしてミスるプレイヤーがいるけど、休憩場所とかあれば行けるよ」


 カリバーがそう説明して、それでも無茶な進行をするプレイヤーは後を絶たないらしい。


「なんでだ?」


「まず島と一人だけ成功例を出したプレイヤーがいるらしい。確かギルド『午後のティーナイツ』って名前で、見たことの無い???の卵を手に入れたとか」


 それが俺の水晶と命姫の卵の可能性があるらしい。っていうかナイツとか騎士団多いな。NPCにも騎士団いるし、多すぎない?


「それを言わないでくれよ。結構情報が混線してるんだよ」


 名前をいまさら変えることはできないし、とりあえずそこは置いておき、ワールドクエストは95%に上がっている。そろそろ終わる頃だ。


「船も完成するし、船が完成して大海の獣討伐が先かって話題だね」


「機動力テストも終わったし、すぐに落ちることは無いだろう」


「ああ、楽しみだよ」


 こうして着々と進む造船計画。こうして三つの船が完成するのであった………

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