第37話・交換会
切り替えていこう。と言う訳でモフモフされていたコボルト達を回収して、いつもの調子のマーリンに頭を下げる。転移のスクロールもタダでは無いからね。
っていうか男の子のバンダナになぜメイド服を着せた。おかげで少し下がったっていうより、虚空を見つめてたぞバンダナ達。目を離すとこれだ愛好家。闇が深いぞ愛好家。
通達でもうすぐポイント売買は締め切るらしい。そんな中でプレイヤー側の様子を見る。
樽は売れて魔鉱石のインゴットも売れている。プレイヤー達の強化も起きるだろう。いろんなギルドがある事に気づく。メイドギルドって凄いねえ。
「そろそろ時間だ」
タイムリミットが近づき、ワールドアナウンスが流れる。イベントが終わりお疲れ様と、貢献ポイントでの順位発表。
一位は『神技の騎士団連盟』。二位は『武狼の牙連盟』、三位『ロザリオ様親衛隊連盟』。三位おかしくねえ?
三位だけは関わらないで過ごしたいなと思いながら、報酬ポイントを確認。一人120000Pは確実に稼いで、俺は554300ポイント稼いだ。最終日は品物のほぼ全てのポイントを受け取ったから、後は白薔薇がラストアタック決めたのも大きいようだ。
「561000P稼いだよ~」
マーリンはそう言い、双子ちゃんもそれくらいらしい。前衛は無駄遣いしなければこれくらいは稼げるよう設定されてそう。無駄遣いする事を考慮したのかな?
他の500000オーバーはカリバーとジャンヌ。ユニは俺より下くらい稼いでリストに発狂した。卵リストがあるのだ。
「全部ほしいッ!」
「全部は無理だろう」
「これは会議ですッ。会議で全ての子をお持ち帰りしないといけませんッ」
「落ち着け」
そんな騒ぎの中、誰かが流れ込む。愛好家のメンバーか。
「大変です会長」
「分かってるけど、全員お持ち帰りするんだろ」
「そうだけど違いますッ!」
そう言って渡したのは大きくなったオーブ。アルマジロくらいの大きさではあるが、宝石の輝きは依然より綺麗。そして鑑定するとカーバンクルと言う文字だけに。
ミケは可愛い我が子をぺろぺろして、オーブはきゃははしてる。
「オーブ君、幼体から進化したんだね」
「ああ、宝石作成(幼)が宝石作成に。宝石魔法なる魔法を覚えたぞ」
「おおっ、それは珍しい。どんな効果だろう」
「キュ」
そして手を前に出すと宝石の壁を出現させた。宙に浮くクリスタル。それで?
「防ぐんだろうか? 紫炎は返したから魔法使っていい」
「それでもしゃれにならないからなお前のは」
「あれこれって」
「知ってるのかカリバー」
その結晶体と言うか魔法陣のようなものに、見覚えがあるカリバー。彼が言うには魔法を反射したネームドモンスターが使ったらしい。
「あの時は特殊スキルかと思ったけど、あれって魔法なんだ」
「キュ~」
得意げのオーブ。そしてクロが勇ましく現れる。
雄たけびを上げるクロはケルベロスに進化、幼体から進化して火精霊魔法と上級火魔法が使えるモンスターになった。さらに火の精霊石を作り出す。
「サラマンダーはいないのか?」
「それは違うのだ」
突然現れるリーフベア。彼らもまたちやほやされて、いろんな服を手に入れて存在意義を手に入れた。
「むっはーケルベロスはサラマンダーと同じ、火の魔力を食らう者。吾輩達のように精霊石を生み出せるのだ」
「待て、お前達も作れるのか?」
「樹の精霊石を作れるぞ。僅かに傷を癒してくれる優れものだ」
早速ここにいる間に、各々のギルドは魔石とヘルメットなどの小物を持ってリーフベアの下に来る。彼らは喜んで作り、小物を手に入れた。
◇◆◇◆◇
報酬リスト交換が始まる。カリバーはレアな装備に顔を緩ませ、ジャンヌは必要な物を相談しながら決めて、会議を開いてモンスターをどれだけ買い揃えるか話し合うユニ。
「お兄さんはなににするの?」
「卵と像と苗樹と種と設備。あとは薬かなこれこれ」
そう言った。双子ちゃんは首を傾げて、リストを確認。
白銀葡萄、神聖桃、聖水梨、
創造の女神像で100000P。神業の鍛冶場で100000P。全ての病気と怪我を治し、瀕死の者を生き返らせる聖なる雫は女神像と同じポイント。
ランダムタマゴが一つ50000Pで二つ。残りはさっき言った種と苗木やすでにある果物や野菜、動物につぎ込む。1ポイントの素材ももらい全て使い切るぞ。
「ランダムタマゴですか。魅力を感じますが、外れもあるよと書かれていますよ」
「ふん、いまの俺は運が良い。俺は己の不運と運を信じるぜ」
「どういう意味だ?」
「可愛い子とか引いて愛好家のみんなに無茶ぶりされる自分と、愛好家が血の涙流すレアモンスターを連れた自分を信じるって言ってるんだよ」
「あー」
マーリン解説ありがとう、ジャンヌも感心するな。
ユニは信じてますよと急に聖女のように祈り出し、カリバーは欲しい装備の組み合わせに悩んでいる。ポイント足りない言うなよ。
ミケが卵と聞いて背中を上る。オーブになんて言ったか知らないがキラキラした目で見て来る。そうだな、妹か弟かできるぞクロも喜べ。
「私は魔導書にしよう。どんな本かはランダムで気になる」
「女神像並みだし、確かに気になるな」
「うん、他にも高ポイント品に手を出すから、せめてあと少しあれば二冊にしたい」
「なら私もそれにする」
「私もそうしよう。あとの卵はランダムタマゴ♪」
「じゃ、私も♪」
双子ちゃんがそう言いリストを決める。こうして交換会は終わり、明日届くプレゼントを心待ちにする。明日からは開拓が本格的に始まるのであった。
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