第27話・久しぶりのソロ探索

 配信無しでログイン。こうすると動画を見直したりできないから大変だ。


 カリバーに配信者なのに止めて平気かと聞かれて、配信者じゃないから大丈夫だよと答えた。


『いや、確かにミ―チューバとかじゃなく、FFOの公式からの動画サイトだけだけど、十分配信者だよ?普通の人はアーカイブに残さないし、動画垂れ流してるだけで受け答えしないよ?』


『まあ、コメントが良くあるから反応しているだけで違う。設定はデータ管理大変だけど後からでも見れるようにしてるだけだ。あとタダでゲーム通貨が入るし』


『だからそれがもう配信者だって、君の中の配信者ってなにを指すの?』


『そりゃ配信日を決めてたり、時間帯はしっかりしてて、ミ―チューブとかで投げ銭で稼いでる人』


『うん間違って無いけど、普通の人からすれば君も配信者だからね』


 色々サービスで受け答えしたりしてるし、ほぼ時間帯もしっかりしてるからか配信者だったなんて。だった投げ銭もらえるようにできないだろうか?そんなことを考えながら今日することは聖樹エリアから西エリアを調べるのとコボルト達の商品確認。


 聖樹から東は完全に火山の火口だから研究所がありそう。まだクリムゾンコンドルを倒してないからね。


 みんなで樹海エリアの開拓地に来る。港町のように家が建つが、潮風で劣化しないか心配になる。後は知識を増やす為にコボルトを連れていこう。


「「というわけで私達は」」


「ウルフ達と戯れているよ」


「ど、どうかな? 少し恥ずかしいけど………」


 待望の水着回は放送しないらしい。こればかり俺は運が良いと思った。


「似合ってるよロザリオ」


「え、えへへ♪」


 嬉しそうにはにかむロザリオ。双子ちゃんも感想を求めて来る。全員似合っているし、そこらのアイドルより人気出そうだよ。


「お兄さんは特別です」


「島のこと好きにさせてもらうので、いくらでも見ても良いし、スクショも良いですよ~」


「こらこらそこまでしないよ」


 まあ見るけどね水着。同じように水着を着こむ白薔薇は少しだけすまなそうにしていた。


「俺が仕事だからって、気にしないでくれ」


「ですが白薔薇は魔導人形です。主を差し置いて遊ぶのは」


「ウルフやここで寝泊まりする練習だと思え、ここが機能しないと困るからな」


「……了」


 不満そうな顔をしているが頭を撫でておこう。双子ちゃんでも思うが妹ってこんな感じかね。みんなと別れてからリーフベア達の元に向かう。


 ………

 ……

 …


「むっはー、こんちわなのだ~」


「こんにちはリーフベア」


「今日はどう言ったご用件なのだ?」


「ここに人が住めるように確認と、コボルト達のお勉強だ」


「むっはー勉強は大事なのだ」


「吾輩達も日々更新しているのだ」


 シルクハット、蝶ネクタイ以外に兵士のヘルメットや格闘家の格好した者などいる。小物を付けるのが好きらしい。コボルト達は勉強の為に図書室で本を読む間、俺は廃墟を確認する。


 部屋数は多く修理する方法は分からないが木造なのでプレイヤーでも修理可能。ホテルのようだと言う言葉通り、ギルドホームとして使用ができるくらい部屋数や機具の設置は可能だ。


 そして浴室だが山の方に向かってパイプが伸びて居て、おそらくそこから温泉を引いてたんだと思う。


「……攻略順は」


 クリムゾンコンドル撃破後は火山探索だろうか。温泉使えればなんだと言うが、実は温泉プールなる施設が町にある。


「確か連邦だったな、風呂入るのはリアルだけで良いと思うが無いとおかしいから採用してるのかね?」


 その辺は運営のさじ加減だろう。建物の確認は職人を招かないといけない事が分かっただけで良い、後は一人エリア探索だ。


 ◇◆◇◆◇


 真っ直ぐに西に移動することしばらく、打ち捨てられた港があった。


 ボロボロの灯台は入らない方が良いものでここ直せるのか分からない。


 海から船を上げて、整備する整備室のような倉庫があり、中は広々としていたが船を作れたり、整備できる設備が整っている。ただしMPが必要だし、なにをどう動かせばいいか不明。


 船は三つ収納できる倉庫であり片や作り、片や整備して運搬していそうであった。


「本があったぞ。ご丁寧に偉い人の机がある側の本棚に。ご都合主義ご都合主義っと」


 書かれている事もこの港は観光用の木製船の増築と整備を担当する物であり、昔の船乗り体験ができると言う内容であった。


 ついでに海の魚を釣ったりとか色々プランがあったらしい。だが流行り病がどうのこうの言い始めてから日誌は読めなくなる。


「昔の人は病気で文明リセットがあったと見るべきか」


 よく設備を見ると魔導道具作りのレシピとやり方がある。道具作りは錬金術と鍛治の領域だが………


「品質を求めなければ素人でも材料があれば作れるなこれ………インゴットと同じ扱いなら、魔導道具も売り物として出せるッ!!」


 これに急いでその設備を探す。探しだしたら鉄のインゴットなどを使用して使ってみた。


「できた………」


 しかも凄い物ができた。


『魔導醸造樽』


 鉄製の魔導具に樽をセットした製造機。


 魔石にМPを使い、素材を発酵させ酒、飲料水、酢へと変える。


『魔導発酵樽』


 鉄製の魔導具に樽をセットした製造機。


 魔石にМPを使い、素材を醗酵させ食材へと変える。


 これらは各村に持って帰ることもできるし、あとでトレードできるか確認する。


「すげえもん手に入った。やべっ、一人になると運が上がるのか?」


 あいや、ロザリオ達の水着は可愛かったからうん今日は運が良いんだ、それだけだろう。


 港と聖樹の間にフィールドがあるが、開拓することでセーフエリアに変えられるタイプのものであった。となると理想は………


「ここと聖樹エリアをくっつけた町作り」


 これは大事になるな。サプライズが増えたと思い、俺は勝利を確信した。


 材料は中くらいの魔石が必要なのが材料不足だ。急いでフレンドメールで神技と愛好家、黄昏に連絡。これは早めに製造ラインを作りたい。


「使用した際、どうなるか確認するか」


 使用すると物の移動できなくなるとか、確認できることは確認しておく。


 発酵樽には牛乳を醸造樽にはミカンを入れた。とりあえず時間を経過することでヨーグルトとチーズ、果実酒と酢ができるようだ。


「酒か。確か未成年はゲーム内の酒ってジュースになるんだっけ」


 大人設定を誤魔化す者もいるかもしれないから、脳波からスキャンとかしてブロックしているとか。ゲーム設定登録するのにだいぶ時間がかかるからな。


「目玉になりそうだし、持って帰る頃にはヨーグルトはできてそうだ」


 製造中は持ち運び出来て、再度選択は中の物を破棄するしかないらしい。確認作業をしてからコボルト達を回収してみんなのところに帰った。

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