第16話・樹海エリアの探索
北エリアを調べているとサトウキビ、唐辛子を手に入れる事ができた。
「砂糖は作れそうだな」
「コックコボルトが喜びますね」
「まあ、出て来る敵は厄介だな」
体力が多く毒攻撃をするツリースネークと言う緑の蛇が多く出る。解毒草がこの辺りから採取できる辺り、そろそろ異常状態を気にした方がよさそうだ。
桃の他に南国地帯なのだろうかマンゴーのようなゴーの実、パイナップルであるナップルの実を見つける。
ただそれを投げるシュートマンキーと言う猿の新種が2か3匹で現れる。ナップルの実を投げて来るので危ない。
木々を蹴り駆けて一気に接近するか、弓矢で戦うコボルト達。俺も避けながら接近して斬るしかない。
【ライト】「動きが」
【一服野郎】「投げ込まれるとき、敵掴んでぶつけてるw」
なに?敵の攻撃は敵で防ぐもんだろう? そう聞くとコメント欄がそだねとかできねえよとかに分かれる。
一息ついて休憩中、続けてトマトことマトマの実を見つけたのはよかった。
「けどこれって木に巻き付いて育つのな」
蔦が近くの樹に巻き付き育ち、赤い実を宿すマトマの実。コボルト達がおいしそうに食べていた。
「おいしいですっ♪」
尻尾を振って喜ぶ、マトマの実はコボルト達に人気である。いくつかもちろん採取。鑑定で調べると野生動物に食べられないように高い物に巻き付いて空高くに実を実らせると書かれている。
「育てる時は棒を突き刺して育てるか」
「妹と弟達に良い土産ができましたね♪」
革で作ったバックパックに入れておくコボルト達。マトマの実を採取していると茂みから何かが飛び出す。
すぐさま攻撃体制になる一同だが、俺は静止させてみた。
「ガルルルっ」
現れたのは緑色の毛並みを持つ狼であり、子供狼も連れて現れた。
「子連れだ」
そう言って警戒しているだろう狼に一口齧ったマトマの実を投げてみる。
「食べるか?」
「………わん」
狼の子供達がマトマの実に群がって食べ始めた。それを見てコボルト達は必要な数は残して渡す。
「わんっ」
【ライト】「テイムできるかな」
【ユウ】「なんて名前です?」
「『フォレストウルフ』って名前らしい、子供連れなのは狩りの練習中っぽいな」
ここに来てから新種族が増え始め、緑マーカーになったフォレストウルフ達を見て付いてくるか聞く。
「わん♪」
テイムが成功して一気に5匹住人が増えた。調教もその時に上がる。
【カツ丼】「フォレストウルフ全員テイムしようぜっ!」
【ミント】「いいですねえ~」
「あーマトマの実の数によるかな。後はこいつらの説得」
そうして話しながら探索を進めると今度はメアの実とダイメアの実が手に入る。ゴマと大豆だねこれ。
これで油が取れる。なにより大豆、味噌と醤油作りができるかもしれない。
「現実再現してるから、現実から作り方を真似ればできるかもしれない」
【一服野郎】「新素材おめ♪」
【コックマン】「大豆が手に入ったと聞いて」
【カツ丼】「早い早い」
フォレストウルフも15匹に集まった。コボルト達が背中に乗り、行動したりする。移動は早くなりそう。
「白薔薇、そろそろ戻るぞ。さすがに大所帯だ」
「分かりました」
そうして戻ろうとしている時、突風が放たれた。
「いまのは?」
突風と言う割に地面から空に向かって風が放たれたようだ。木の葉が舞っているのが見える。
「精霊魔法の反応ありです主」
「精霊魔法!?」
いまだにプレイヤーが会得していない精霊魔法が使われたらしい。これは………
「乗りながらは無理だからコボルト達、バンダナ達は帰還。フォレストウルフ達はバンダナに付いていけ」
「はいっ、お気を付けてッ!」
聞き訳が良すぎて泣けてくる。
コメント欄も行け行けと言う者と撤退の方が良いんじゃと言う人に分かれているが、俺の意見は決まっている。
「俺も精霊魔法がどんなものか知りたいッ!」
【カツ丼】「ようゆうたっ!それでこそ男や!」
【ハカセ】「こちらとしても助かります」
【一服野郎】「白薔薇ちゃんも帰した方が良いのでは」
【侍ハート】「いや、精霊魔法が分かるなら連れて行った方が良い」
そういうこと、突風が舞い上がったところへと走り出す。
………
……
…
「白薔薇、ここからは走りながらだっ。なにがあっても瞬時判断して行動する。指示を即座に聞いてくれ」
「了」
そして茂みをかきわけて飛び込んだ視界に移るのは。
薄緑色の白い髪の女の子と巨大な蛇。蛇は巨大すぎて少女を飲み込めそう。
涙目の幼女だな、人間っぽいけど浮いてるから違う。カボチャズボンに手を蛇に向かって伸ばしている。周りは突風が噴き出して、それでも蛇にはダメは無い。
対する蛇はこちらに気づき威嚇する。よしと決めて、油が入った陶器を蛇の口に投げ入れて……
「【着火】」
火を放ち混乱させる。さすがに口内が突然燃え上がれば怯むか。
「蛇の頭部にフルスイング」
「了」
大きな音が鳴り響き蛇はのたうちまる。その間に少女の前に立ち、剣を構えて集中する。
「目玉ッ!」
【一服野郎】「えぐっ」
【レックス】「躊躇いも無く目玉に剣を突き刺した」
【ハカセ】「さすがですね」
「攻撃を剣に、押し刺せッ!」
「了」
淡々と指示を聞き、左目に刺した剣が外れないうちに鉄槌で叩きこむ。暴れる蛇が悲鳴を上げて、鉄の直剣は粉々に砕けて刺さる。鉄の斧を取り出して次はどうするかは決めていた。
ただ殴るように斬る。ここからは死に戻りありの攻撃だ。正攻法だけだぞ喜べ、樹海大蛇。良い名前だな、エリアボスか?
違うネームドだった。アウチッ。
【ナイト】「防いだけど木の盾が一撃で粉々になった」
【ビビンバ】「装備不足だ。引き返せ」
ならば次、水が入った陶器をいくつか出したおく。
【カツ丼】「なにを?」
陶器へと向かって身体をぶつけてかみ砕いて火を消す樹海大蛇。ほれ【雷撃】。
電流が走り悲鳴を上げると共にまた火が付いた。
【ナイト】「なんで火が点いた!?」
【カツ丼】「俺知ってる。水と油と鉄の粉を混ぜたっていうか、半分ずつで入れた陶器だ」
【侍ハート】「電気で火が散ったのか」
鉄で火花散れば良いなと思ったが点いたな火花。これだから油攻めはやめられぬ。
悲鳴を上げて片眼から血を流す樹海大蛇。これは畳みかけるところだな。
樹海大蛇が大口開いて向かってくる。即座に幼女を担いで斧を口に投擲。
口の中に入り、血を流すがまだ動く。
「白薔薇」
俺はそれに加えて、
「斧がある位置に鉄槌できるか?」
そう聞いたら即座に、
「了、委細問題なし」
そう言って鉄槌が放たれ、斧が砕けた音と共に身体の中を斬られ、大蛇は悲鳴を上げながらポリゴンへと変わる。
【カツ丼】「ひええぇ」
【一服野郎】「ほとんど外道攻撃過ぎない?」
【疾風】「大蛇可哀想」
「敵だから」
俺はそう言って締めくくり、コメント欄は鬼やら外道と言われる。
『レベルが上がりました 4>5』
『短剣術が上がりました 5>6』
『盾術が上がりました 3>4』
『投擲術が上がりました 5>6』
『斧術が上がりました 3>4』
『自然魔法が上がりました 5>6』
『鑑定が上がりました 5>6』
『解体が上がりました 4>5』
『ワールド初、ネームドモンスターソロ討伐されました SP3P獲得』
『島の一部エリア制圧に成功しました。セーフエリアの解放に成功しました』
『【外道の業を使う者】の称号が送られます』
いらんッ!マイナスしかなさそうな称号しかないんかこのゲームッ!
まあいいこのエリア解放は成功したらしい。やったね。
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