第10話・決戦へと進む為に
覚悟を決めてログインする。もうほとんど動画配信者並みに人が同時に来る。
【ハカセ】「来ましたね」
【オウル】「昨日は料理のできる子と手先が器用な子を選別しましたね」
ああ、まずは戦える者達と共に鉱山まで移動だ。
「行ってくるよ」
「気を付けて」
ロザリオに家の事、動けないコボルトを任せて、俺達は大移動を始めた。
◇◆◇◆◇
「まずは鍛治に慣れる事を優先する」
「鍛治ですか……ここにこんな設備があるなんて知りませんでした」
「ここなら武器が作りたい放題ですねっ♪」
「いや、この坑道の奥にはとんでもない化け物がいる。発掘できるのはこのエリアだけだ」
「くぅーん」
怯えるコボルト達、だが尻尾をまたに挟んで、彼らは前に進む。
「僕らはなにをすれば」
「まずは掘れ、そしてまずは俺の様子を見て、できる、いややれると確信したコボルトは鉄の短剣を作るんだ」
まずは徹底して鍛治スキルのレベルを上げる。鎧は重いから軽装を作れる腕前になるまで手を出さない。盾もだ。
その考えは検証班になっている『賢者の図書館』の者達も同じらしい。
【ハカセ】「インゴット加工は魔法の素質がある子にやらせてはいかかですか?」
【オウル】「本を読ませましょう」
【侍ハート】「戦の前の準備ですね」
うむ確かに。本は一応ストレージに入れてあるから、全員がまず読む事を始めさせた。内容を頭の中に入れて、簡単な魔法が使えるか確かめる。
「そして俺は坑道の奥に行き、モンスターに遭わずに発掘に入る。これは戦える者や発掘がうまくなった者は参加するようにするぞ」
「はいっ」
「では行動開始」
◇◆◇◆◇
お粗末な鉄の短剣を持って、魔法は【石礫】を出せるようになったコボルト達に、視聴者達は驚き、感心している。
そしてそれを持って肉と皮を確保する。
「決して見つかるな。姿勢は低く、草の中に紛れ、臭いでバレないように風の向きを気にしつつ、背後からの奇襲を始める」
やり方を教え、俺は一匹の兎に攻撃するが、彼らには数で攻めてもらう。一匹三人で殺到すれば確殺できるだろう。
「痛いのを我慢しろ、まずは徹底して兎を全力で狩るんだ。大物の時は連携することを忘れるな」
「はいッ」
イノシシが現れた。ストライクボアと言うモンスターで、こいつは突進のダメに初心者は苦労するが、大盾のタンクや【石壁】と言う魔法、または太い木などに激突させるとすぐにスタンする。
「観察しろ、敵の弱点を探れ。自分にできない事は他人にしてもらい、自分は他の者ができないことをするんだ」
「はいッ」
◇◆◇◆◇
分かった事はコボルト達は新たに魔法やスキルらしい物を獲得できるということ事。森のフィールドにストライクボアを大きくしたビックストライクボアと言う強力なボスがいる事。
料理スキルも上げつつ、木工、石工スキル、細工スキルを上げながら、武器の手入れを始めた。
砂浜で受け身の訓練、森の中を疾走して早く駆ける訓練をしつつ、一つの事に集中する訓練もする。
「大岩を押す事に意味は無い。ただそれだけに集中する、一つの物事に集中する事に意味がある。大岩を協力しつつ推し続けろ。一つの事に集中する癖を付けるんだ」
「はいッ」
「「「はいッ」」」
コボルト達が一丸となり訓練を開始して、ロザリオはその様子を応援する。オーブはコボルト相手にも震えていたが、しばらくしたら甘えだした。甘えん坊で、赤ちゃんコボルトと共にお子さん持ちに面倒見られている。
ロザリオの下で女神に祈りを捧げていたコボルトに神聖魔法を覚える者が現れたのは驚いた。
【ミント】「神聖魔法は教会にある女神像に祈れば手に入りますからね」
【ユウ】「女神像を回収してよかった」
その通りであり、100匹のコボルトを日本屋敷二階建てで保護する中、後は繰り返す。
「ロザリオ、肉の貯蔵はどうなってる?」
「ウサギが20個、ネズミが50個で、昨日のシチューの残りがあるよ。パンはもう小麦が残り少ない」
「小麦は決戦日にとっておくから、使用しないでくれ。魚を取る係も作ろう。いまの技術ならモリを作れるはずだ」
俺のステータスも彼らと共に行動した結果、だいぶ鍛えられた。
◇◆◇◆◇
キャラネーム:時計兎 Lv4 種族:人間 所属:王国出身
『装備』
武器:『鉄の長剣(攻撃力+20)』
防具『初心者の皮鎧(防御力+15)』
右腕:『』
左腕:『木の盾(+5)』
腰:『』
足:『皮のブーツ(+5)』
アクセサリー:『』
『』
『』
『スキル』
戦闘スキル 短剣術:4 盾術:3 斧術:2 投擲術:4
自然魔法:4 気配感知:5 気配遮断:4
生産スキル 料理:3 鍛治:5 細工:5 木工:3 石工:2 調合:5
農業:5 採取:4 伐採:3 発掘:5
補助スキル 鑑定:4 解体:4 調教:4 潜水:2
SP:10 所持金:0G
◇◆◇◆◇
SPを使いステータスもいじりながら、ステータスを見る。このゲーム、同じ人間だからと言って、同じようにレベルが上がり、ステータスが強化される訳では無い。プレイヤーの行動次第で、力だけ上がりやすかったのするのだ。バランスを整えるのなら、SPを振って整えるしかない。そしてコボルト達。
うん、ゴブリンの巣を退治するにはギリギリだがなんとかなるだろう。無理なら引き返せばいい。
後はアクセサリーを作らしていたコボルトが作った宝石のペンダントを付ける。
『サファイアのペンダント』
サファイヤのペンダント鉄製。
МP回復10秒ごとに+3
これが作り始めて日が浅いコボルトが作った物だ。装飾スキルが無いから俺はアクセサリーを作る事はできない。できたとして鍛治スキルの恩恵だけで作る羽目になるから、本職より低い。
いまのレベル体で考えても自然回復で+3は高い方だ。序盤の物としては高性能。
後はこれでコボルトの集落を取り戻す。
「じゃ、行こうか」
コボルト達の遠吠えが響き渡る中、森を進み、コボルトの集落へと向かう。
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