攻略辞めたら運が上昇した

読書好きのシマリス

ゲームスタート・島開拓期

第1話・キャラメイク

 ふざけんなッ!! その一言で俺は全てを投げ出した。


 俺の名前は神里怜司かみさとれいじと言う高校1年生。ゲーマーである。


 さすがに親に迷惑をかけたくない為に課金は小遣いや家事の手伝いで稼いだ金で課金するくらいの者で、此度、VRMMORPGと言うジャンルのFortuneフォーチュンFantasyファンタジーOnlineオンライン。略してFFOにβ版の当選したことが始まりだ。


 このゲーム、幸運な不可思議が君を待つ、運営ですらどうなるか分からない世界観と言うキャッチコピーであり、様々な人が楽しめる内容になっているゲームではあるが………


「くそがッ!!絶対に製品版は彼奴らと組むかよ!!」


 俺はとあるギルドに所属して、ゲームしてキレた。


 そのギルドは最初はよかった。アホのように敵を倒しているだけで済んだから。だが生産職の協力や、NPCと親密で無いとダメな部分が出て来るとおかしくなる。


 俺や一部のギルメン以外のプレイヤーが、支払いの滞納し出したり、NPCをただのデータと考えて動く辺りで、ゲームしずらくなった。


 滞納金に付いては、金払いが遅いのかと思い問い詰めたが、生産職に出す金が勿体ないとアホな事を言い出して何を言っているか理解できなかった。


 彼奴ら曰く、自分達はゲーム攻略組であり偉いのだと言っているが、だからなんだと思う。店で買い物しているんだから金を払えよと思い、何度も支払うように言ったが無視される。


 NPCがあまりこのモンスターを狩り続けると、この辺りから消えてしまうとギルドを訪れた際も、俺達は「人気のモンスターだし、他の所も似た苦情が入ってるから、ゲーム的に絶滅されるんじゃないか?」と認識、別にドロップ品はうまいがそれだけのモンスターな為に、狩りから外すと話し合って決めたはずだった。


 ギルマスやアホはむしろそれで躍起になって、絶滅させやがった。結果、モンスターをテイムするギルドやNPC達と敵対する事になり、頭を下げることになる。


 頭を下げに来た俺達の事をプレイヤーは許したが、だからなんだと得意げなバカ達は決して許さないと言う話になり、このままでは製品版が出た時に全プレイヤーと敵対する流れになると感じた俺達は脱退を決意。


 だがギルマスは脱退は許さないと、日ごろ俺の事を嫌っているのに、脱退を反対する始末。周りから俺は何時の間にか保護者にされていた。


 やっと製品版が発売されることになり、βプレイヤーはレベルリセットされるがボーナスポイントと言うポイントを多くもらえて強くてスタートできる話がなされ、称号や素材アイテムなど引き継ぎ可能と言う好スタートを切れることになる。


 だから俺達は脱退資金として全アイテムの譲渡する代わりに、一からキャラ作りする事を話した。


 初めは我が儘を言っていたギルマス達だが、滞納している資金も払うと言う話や、コレクターであった俺のアイテムを全て手に入れると言う話に満足して、めでたく脱退できる話になる。


 別ギルドの人達も立会人として立ち合い、生産職の支払いを終えて良い気になる奴らを無視して、製品版をやることになった。


 まず言える事は、もう彼奴らの守りや、他の人の面倒を見る気は無い!!と言うこと。


 生産職プレイヤーにでもなるかと決めて、どう始めるか作戦を立て始めるのであった。


 ◇◆◇◆◇


 製品版を手に入れた俺は、すぐにキャラクターを作ることになる。


 βテストの報酬としてボーナスポイントがある。それ以外はリセットされてしまうが、これだけで十分だ。下見もできてるしね。


 ゲームハードであるヘルメットを被り、ゲームを起動させると視界が暗闇に包まれる。すぐにスポットライトが目の前を照らして、一人のアバター。プレイヤーが映し出された。


『キャラクターをこのままスタートしますか?』


 NO。俺は二十歳くらいの外人剣士をやめて、一から作る。引き継ぎができない為に称号やアイテムを全てロストしますと出るがYES。称号って殲滅者だろ。一つの種族を滅ぼした者に与えられる称号で、攻撃力と経験値が入りやすくなるがNPCとの信頼に亀裂が走る奴。いらないな。


 背丈は俺のパーソナルデータから採用させて、体格もほぼ同じにする。髪型はボサボサショートヘアの黒髪と黒目。ほぼ自分と変わらないが、まあこっちの方がかっこよくなってるな。満足してこれで決定。


 このゲームはβ版は最大Lv20であり、製品版はLv50になっている。


 スキルポイント、SPを振り分けて、短剣術などのスキルを取り、アーツと言う技を使いプレイする。ジョブは無しで、自己申告程度。SPはステータス強化にも使えて、極振りもできる。しないけど。


「一応あのギルドで頑張ったおかげで、トップスリーにはなれてたからな。ほとんどイベントの進行を俺が担当して、戦術は好き勝手に暴れるってお粗末なものだったな。良くイベント順位3位に入れたな」


 女性プレイヤーだけのギルドや、騎士プレイギルドは圧倒的にポイント差で1位と2位勝ち取ってたが、あのギルドの人達には申し訳ない事してたな。何度も頭を下げたが足りないくらいだ。


 俺は一番ポイントが高い、日本屋敷二階建て庭付きを選ぶ。これはセーフティエリアや買い取った土地にセットするとホームが手に入るアイテムだ。ついでにスキルで調教を習得。これで動物や専用のモンスターをテイムできる。


 普通に習得しようとすると9Pも消費するが、ボーナスで回避。これで日本屋敷で付いてくる三毛猫を持ち帰る。


 後は破壊不可の手漕ぎボートを購入。これが無いと始まらないからな。


 後は乳牛2頭に、鶏親子。雄の牛と牛小屋と鶏小屋。庭の面積を購入。残りはSPポイントに振り分ける。


「とはいえ」


 日本屋敷並みに高いユニーク武器。性能の良い武器も欲しいと言えば欲しい。モンスターの卵や、調合や錬金で使用する作業部屋やそれが組み込まれているホームも気になる。


 それともステータスやスキルにポイントを割って、キャラクターを強化すると言う手もあるが、俺はSPに残りのポイントを振り分けておく。


「課金課金っと」


 課金のポイントもある。親に土下座して使用できる金額、三万が闇に消えてボーナスポイントに変わり、SPに回す。まあSPでステータス強化もできるし、問題ないな。


 後はボーナスポイントでセット販売されているスキルを習得しておく。うん………


「やっぱりステータスにも少し振っておくか」


 そして俺は普段なら決して振り分けないLUKに少しポイントを振った。たまには変わったプレイもしたいんだ。


「名前は『時計兎』っと」


 こうして俺こと時計兎はこういうスタイルになった。


 ◇◆◇◆◇


 キャラネーム:時計兎 Lv1 種族:人間 所属:王国出身


 STRちから20 DEXきよう20


 INTかしこさ10 VITせいめい20


 AGIびんしょう20 LUKこううん50


『スキル』


戦闘スキル 短剣術:1 盾術:1 気配感知:1 気配遮断:1


補助スキル 鑑定:1 解体:1 調教:1


SP:40 所持金:1200G


 ◇◆◇◆◇


 こんなものかと納得して、俺は王国スタートでゲームを始めた。

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