第32話 壊れる心
アルファ厶が手をかざすと、壁の上部についてる突起物から、お湯のシャワーが出てきた。俺の身体を濡らすとシャワーを止めて、容器に入った石けんを泡立てて身体を洗っていく。
ほぼ毎日アルファ厶と風呂に入り、必ず身体を洗われ、アルファ厶の手でイかされていた。俺をイかせた後には、アルファ厶も俺の素股で大量の白濁を吐き出していた。
今日もアルファ厶の怪しい手の動きで、俺の息が熱くなる。頭の中ではライラのことが気になって、とてもそんな気分にはなれないはずなのに、俺の身体がアルファ厶の愛撫に反応して喜んでしまっている。
アルファ厶に耳朶をしゃぶられ、乳首を引っ張られて股間のモノを握りしめられた。
「んあっ!あっ、ふ…ぅ」
「カナ…俺のカナ…、今日はここを触ってもいいか?」
「んぅ…、えっ?」
アルファ厶の長い指が、俺の後孔をクルリと撫でる。
「…あ、そこは…っ」
「大丈夫だ。優しくする。俺はカナの全てを知りたい…」
耳元で熱い息を吹きかけられて、俺の背中に痺れが走った。
泡のヌメリを利用して、アルファ厶の指がツプリと入る。
「やあっ、あっ、は…ぁ」
「カナ…、熱いな…」
アルファ厶の指が深くまで入ってくる。
ずいぶんと久しぶりの後ろの刺激に腰を震わせ、俺は息を乱して背中を仰け反らせた。
「…カナ。もしやカナは、ここを使ったことがあるのか?」
アルファ厶の問いに、俺は少しだけ振り向いて小さく頷く。
「ふぅ、んっ、俺…前の世界で、あっ…ん、恋人、がいたから…」
「なにっ?恋人…。そいつと、こんなことをしたのか?」
「ああっ!」
いきなりとても敏感な所を強く押されて、俺は顎を上げて大きく叫んだ。
「なんだ、ずいぶんと良さそうだな。そうか…カナは慣れているのだな。それなら遠慮などしなくてもいいかっ」
「やっ、ま…って!慣れてなんかないっ!だって…あっ、その人とは数回抱き合った…だけ…やぁっ!」
「だまれ!何回であろうと、そいつは俺のカナに触れたんだろうがっ。くそっ!ムカムカするっ」
俺の耳のそばで怒鳴り声を上げて、アルファ厶の指が増やされ、俺の後孔を乱暴にかき混ぜる。
初めに感じていた気持ち良さが消えて、引きつる痛みに涙で滲む視界で下を見ると、俺の太ももに一筋の血が流れ落ちていた。
血を目にした途端、俺は身体を震わせてアルファ厶に懇願する。
「い、いやだっ。アル…もうやめてっ。痛いから…やめて…」
「なに?痛いはずがないだろうが。おまえは慣れてるのだからな!」
「だからっ!慣れてなんかないってばっ!なんで俺ばっか責めんの?アルだって色んなことしてきたんだろっ?婚約者もいるじゃんかっ!あっ、いたっ!」
いきなりガブリと強く肩を噛まれて、俺は痛みに顔を歪める。
「だまれっ!俺は王だっ。この国で一番偉いのだ。その俺に指図をするな!ライラのことも、おまえには関係ないっ!」
「アル……」
ずっと我慢していた涙が、滝のように流れ出した。もう文句を言う気力も抵抗する力も無くなり、俺は泣きじゃくりながらアルファ厶に身を任せる。
アルファ厶は、暫くは俺の背中にキスをして後孔をいじっていたけど、ふいに指を引き抜いて俺から離れると、黙って風呂場から出て行ってしまった。
バタン!とドアが閉まる音がするなり俺はその場に倒れ込み、長い時間泣き続けた。思う存分泣いて少しだけ落ち着くと、身体の泡を落として風呂場から出た。
尻の痛みに顔を歪めながら身体を拭き、ジンジンとする肩に気づいて壁についてある鏡を見る。
俺の肩にはくっきりと歯型の痕がつき、血が滲んでいた。
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