第27話 聖ルドルフ国前線へ

聖ルドルフ国に入る所まで来たジンとメル。


「アリア王国から救援要請を受けて来ました! 被害状況はどうですか?」


訝しそうな顔をしている兵隊がいう。


「君達が救援? それは、なにかの冗談かい?」


冒険者カードを見せるジンとメル。


「えっ!? A級冒険者!?」


すると、ビシッと敬礼して


「失礼をして、すみませんでした! 被害状況をお伝えします! おい! 資料をお持ちしろ!」

「はっ!」


奥に行き、戻ってくると説明が始まった。


「まず、東の外側の方から農作物が毒の異常にかかってしまうという被害を受けています。それで、少数の人がその食物を食べたことによる毒の状態になっています」


「それは、一刻を争いますね! 直ぐに行きましょう!」

「あぁ! いえ! 冒険者達が使っている毒消し薬で治るようなくらいの毒だったので、直ぐに解毒できたんです。なので、死亡者はいません」

「そうなんですね。人が毒に直接かかることは?」

「直接毒にかかることはほぼないですね。上がってきている報告はみんな毒の作物を食べて毒の状態になってしまっているので……」

「そうですか。わかりました。では、そちらの前線の方に行きますね」

「はい! お願いします!」


関所を通ると、東の端を目指すことにした2人。

相変わらず2人ともトレーニングをしたままであった。

メルも最近は移動中、重力を掛けて移動していた。


進んでいると、ワラワラとポイズンスネークがいた。


ブンッ


「「ウインドカッター」」


ザシュザシュザシュザシュ


まだまだいるポイズンスネーク。


ブンブーン


「バーニングストーム!」


ゴォォォ


一気に片付けるジン。


しかし、見えない死角からポイズンスネークに奇襲を受ける。


『ガブッ』


毒状態になるジン。

急いで自分自身に異常を治す魔法をかける。


「くっ! キュアライズ」


ブーン


頭上に魔法陣が出て来て魔法陣が下へ移動する。


「ふぅ。バーニング」


ゴゥという音と共にポイズンスネークが灰とかす。


「こいつら、攻撃すると人も攻撃してくるんだな。そういえば、ドルゴ連合国でも、誰も攻撃してなかったから被害が無かったのか。こちらから危害を加えなければ、危害を加えないと……」

「そうなんだね! 確かに攻撃した時はウルフ達も攻撃してきたもんね!」

「んー。そう言われればそうか 」


メルの言うことを記憶を思い出して納得したジン。


「まぁ、冒険者以外は攻撃しちゃダメだな」

「そうだねー!」


どんどん東へ行く。

2人ともトレーニングを続けているが、以前よりも重力は重くしており、それでも、移動速度は早くなっている。


移動しながら間法を放っていく。


「サンダーバレット!」

「サンダーバレット」


メルとジンで殲滅していく。


すると、目の前にワームが現れた。Cランクの魔物である。


「ウォーターカッター」


スパァン


真っ二つになり灰になる。


「なんか、でかかったな?」

「きもい!!」

「あれが出たら俺が対処するよ」


そこから、道中何回か出たので、ジンが対応する。


すると、大きな蛇が現れた。


「メル! ストップ! バジリスクだ!」

「バジリスクって、毒息はくやつ!?」

「そうだ。目を見ても石化はしないぞ。あれは、絵本での話だからな」

「そっか! なら、大丈夫だねー!」


『シャーー』


「バーニングレーザー」


ジュッと音がするがそれだけであった。


「むー! 効かないー!」


メルはむすくれた顔をしながら次の魔法を考えている。


「メル、粘膜があるから効いてないみたいだぞ?」

「そっか! じゃあ、雷属性で!」


ブンブーン


バジリスクの上に2連の魔法陣が浮かぶ。


「いっけー! サンダーボルト!」


ズガァァァンッ


ビリビリッ ビリッ


バジリスクが感電してビリビリしている。

頭から徐々に灰に変わっていく。


「やったな! メル!」

「よっしゃー!」


ガッツポーズをするメル。

ここの所、ずっと色んな属性を使ってきたメルは自分が成長していることに喜んでいた。


「進もう」

「はーい!」


再び走り出す。


バジリスクの倒し方がわかったメルは出てくる度にドンドン倒していく。


段々と前線に近づいてきている。

魔物の数も多くなってきた。


ジンは少し力を入れて殲滅することにした。


「これで、一掃して道を作ろう」


ブブブブーン


魔物の方向へ4連の魔法陣が出現する。

最初の2つは炎の魔法陣、最後の2つが風の魔法陣これを横にすることで、広範囲に殲滅し、道を作る。


「バーニングブラスト」


ヒュゴォォォォォォ


炎の渦が一直線に魔物を飲み込んで行く。


「よしっ! 今だメル!」

「うん! 行こー!」


走りながら魔物の群れを突破する。

とっぱした後に、魔法を後ろに放つ。


「ボルケーノストーム!」


ゴォォォォォ


凄まじい熱風を背中に浴びながら、前線へ走り続ける。


そして、遂に最前線近くまでやってきた。


「あらぁ? 邪魔者かしらぁ?」


そこに居たのは、不気味な笑みを浮かべる女の悪魔だった。

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