第五百一夜『デジユッケ-paracide-』
2023/11/14「夜空」「犠牲」「増えるトイレ」ジャンルは「純愛モノ」
すっかり夜も更けた時刻の事、身の丈程もある
「このやり口、多分
農業従事者風の青年が眺めているのは、ソーシャルネットサービスと
* * *
『自宅で作れる美味しい豚ユッケ』
自宅で作れる美味しいユッケです!
生食なので、新鮮な物を選んで調理してください。
材料
豚肉加熱用 200グラム
野菜ジュース 10グラム
ゴマ油 適量
ニンニク ひとかけら
卵黄 一個
作り方
豚肉を細切りにしたものに、他の材料を加えて混ぜるだけ!
とっても簡単で、とっても美味しいです!
* * *
農業従事者風の青年が見ている料理は、確かに外見だけなら美味しそうに目に映った。だが、皿に盛られているのが火を通していない加熱用の肉で、それも豚肉だと思うと
ひょっとしたらこの生の豚を食べてみたいと感じる、
彼は生の豚肉を食べ続けた人間が、脳や
青年は死神だった。死神と言うのは
「うん、このやり口は先輩に
欲の張った無知で
「呼びました?」
青年が背後から声をかけられて振り返ると、そこには
「呼んではいません。それよりも拝見しましたよ、この投稿って先輩の……先輩が誰かに書かせた物ですよね? 何というか、さすがです!」
死神の青年は喜び半分
「何それ? 私、知りませんよ?」
死神の女性は少しだけ驚いた色を見せ、しかしそれ以外の感情に乏しい様子で否定した。
「え? でも、これって前に先輩がやったのと同じ奴ですよね?」
死神の女性は回想を行なう様に視線を左上の
「ええ、似たような事はしました。ですが、豚肉の寄生虫なんか使いませんよ。だって寄生虫に
死神の女性が語る様は
「えぇ? 本当に先輩の仕業じゃないんですか?」
「しつこいですね……私ならそこら辺の人間を
悪い顔で邪悪な言葉を吐く死神の女性を前に、死神の青年は不本意ながらも納得した様に矛を納めた。
「そうですか……じゃあ、先輩の仕業じゃないなら他の死神の仕業でしょうか?」
それに対し、死神の女性は要領の悪い後輩に溜息を一つ吐き、何か気づいた様子で持論を並べ始めた。
「そうですね……これって私の憶測に過ぎないのですが、多分これを書いているのは寄生虫本人じゃないでしょうか?」
「寄生虫本人?」
「ええ、さっき話して口の根が乾く間も無いでしょう? 毎日の様に豚肉を生で食べている人間が、脳味噌を寄生虫にやられる事もあるって。多分人間の脳味噌を乗っ取った寄生虫が、仲間を増やすために寄生虫を人間に食べさせているんだと思います」
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