第三百八十夜『時間銀行-making bank-』
2023/07/02「朝」「矛盾」「最悪の時の流れ」ジャンルは「SF」
あなた、そこのあなた! あなたの顔を見てピンと来ました、お話したいことがあるのですが、よろしいでしょうか? いえ、時間は取らせません。
私、一種の銀行員の様な物でして……時間銀行と言う部署に勤めております。
ええ、
私共は皆様から時間を預かり、引き出したくなった時に色を付けて時間を返還する。
ほら、童話や民話なんかでよくあるじゃありませんか? 悪魔だか死神と取引して寿命を延ばす様な話、私共ははそれなのですよ。
いえいえ、私共は
……どうやらあなたは私の事を、時間銀行の事を本当に信じてないどころか、何故私共があなたの所へ参ったかも分かっていない様ですね。だって、考えてみても下さい。
だってあなたは今、何にもやっていないじゃないですか!
自宅のベッドの上でうたた寝から覚醒すると、嫌な冷や汗をかいている自分に気が付いた。
いつの間にか
悪夢の中で、俺は悪魔か死神を自称する女と何やら会話を交わしていた気がする。悪魔か死神を自称しているものの現実感があり、そして自分にとって
俺はベッドから、ゴミ
「今日も何も出来なかったな……まあ、今日できる事は明日やればいいか……」
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