第三百四十夜『異世界との通信-Fires of Prometheus-』
2023/05/20「青色」「蜃気楼」「人工のかけら」ジャンルは「ギャグコメ」
本作は異世界転移ないし異世界転生作品である。異世界と言うのだから地球とは全く別の世界であり、地球と全く別の世界にも関わらず動植物の植生や
異世界人は異世界の人類である。特に説明は無いが、まるで照らし合わせたかシェアワールドであるかの様にその文化水準は想像を絶する程一様に低く、異文化交流を
この異世界の住民も
その結果、この世界の人々は戦争とは無縁で、労働をせずとも食事にありつけ、軍備も銃後の守りも必要無かった。その反動として
稀人は常に一人この世界に存在し、
「ねえねえ、こないだの稀人のお話は特に面白かったね」
異世界人の女性が、同じく異世界人の男性に話しかける。
「うむ。彼らのもたらす異世界の知識には、我々が
「えっと……そうそう、覚えてる。異世界では果物や野菜は自然にはたくさん採れないから、土をいじったり種を
「うむ。その成り立ちや歴史について
「そっかー、やっぱり稀人ってすっごく賢いね!」
「言うに及ばず。彼らは俺達には無い文明や習慣を持っていて、それを俺達に話して下さる。
「私としては、あのお話が一番驚いた。そう、
「そうか、俺はあの時は首を
「そうなの! 自分では開けられるけど、他人から開けられなく物だなんて変なのって思ったけど、他人が物を持ちだすって考えは思いもしなかった!」
「うむ。自分であくせく労働? とやらをして、品物を
「物だなんて、
「まあ稀人殿には稀人殿なりの、我々が図れぬ考えの深奥があるのだろう。付け加えて言うならば、今回の稀人殿のお話で次点はあれだ……
「あー! あれには私もビックリした、野菜や果物を火に当てると食感が変わるなんてね。そんな事する必要も無かったし、考えた事もなかったもの」
「うむ。異世界では食物を生で
これが、この世界の人々にとっての最大にして唯一明確な娯楽だった。稀人を歓迎し、稀人から話を聞き、稀人に感心する。
この世界の人々にとっては必要な事ではなく、はっきり言って無駄な事だったが、娯楽とはとにかくそう言った物なのである。
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