第百六十三夜『妖怪の仕業-Kalpavriksha-』
2022/10/31「屋敷」「竜」「危険な枝」ジャンルは「学園モノ」
その中学校ではちょっとした怪談が流行っていた。彼ら彼女らが今より小さい頃に妖怪ブームがあり、その延長線上に妖怪が題材になった都市伝説ブームが発生したのは一種の必然とも言えた。
何、難しい話ではない。何か自分達に不運が起こると、それを妖怪の仕業だと茶化したり
これはある種人類の本能ないし共通認識の様なもので、古今東西似た様な話があり、そんな理由でこの中学校で妖怪の仕業だと言う茶化し文句が発生しても、誰も気にする事は無かった。
ところであなたは、
まあまあ、この文章を読んでいるあなたにしか出来ないアンケートの様な物です。答える必要は無いので、答えたくない、或いは答えられない場合は答えなくても結構です。
噂話と言えば、今地元の中学校で流行ってますね、妖怪の仕業って奴。土砂降りに見舞われたら妖怪の仕業、税率が上がったら妖怪の仕業、抜き打ちテストが来たら妖怪の仕業……これだと地震やら高波が起こって妖怪の仕業になりそうな勢いですねえ。
まあ、妖怪ブームと言うのでしょうか? ああ言ったものは古くも今も度々起こる物です故、
例えば古くは十三世紀に
これは状況証拠とか推測に過ぎないのですが、鵺とは見る人が押し付けたい妖怪のイメージで姿形や権能が変わる妖怪なのだと言えましょう。いわば地震、雷、火事、親父の化身とでも言いましょうか……或いはぎっくり腰や魔女や毒薬に侵略兵器の化身かも知れませんね! いえいえ、これはただの連想ゲームに過ぎませんが。
今、あなたは鵺についてどんな姿とどんな能力を持った妖怪だと想像していますか? 身の丈八尺の巨人? 歩く度に災害を引き起こす怪物?
ひょっとしてあなたは今、何故こんな質問をするのか? と考えているかもしれませんね、それは簡単な事です。
今、窓の向こうで、お前が考えている姿に化けているからだよ。
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