外貨獲得用の商品作物他有用な物

 地域分布及び特性を以下に挙げる。


 白樺……メープルシロップの項でも出てきた為重複するが中部以北分布。


 用途は爪楊枝。


 地中海沿岸では自生せず、イタリアでは日本製の爪楊枝の有無が高級店か否かを示すバロメーターとなる。


 クロモジ(黒文字)……養命酒の項に出てきた烏樟の植物名。


 本種は関東以西に分布。


 変種を含めると日本全国。


 日本国内で高級爪楊枝として使用。


 養命酒の他にも生薬としては脱毛、フケ防止、インフルエンザ感染予防等。


 枝葉をお茶にする他、香りも良く化粧品や石鹸等に用いられ、日本特産の香料として1970年代まで欧州に輸出されていた。


 なろうの戦国ものでは柑橘系石鹸がデフォだが何故か一度もクロモジの香り付き石鹸が出てこない。


 爪楊枝としては魔法と現代工学で無双する作品にだけ出てくるのだが……。


 ニホンハッカ……日本全国に分布。


 古来上杉謙信が薬草として用いたとの伝説が残る。


 本格栽培は江戸時代。


 1930年代には世界ハッカ類生産量の7割をニホンハッカが占めた。


 竜涎香……作物ではないがマッコウクジラの結石。


 日本では十七世紀の紀州、十九世紀の琉球で漂着例が残る。


 当時の琉球は竜涎香の世界的産地だった。


 発見率は0.1%と少ないもののマッコウクジラから採れる事が広く知られるようになったのは機械油として鯨油の需要が増した産業革命後。


 本種は高知県沿岸や紀伊半島沖、小笠原諸島沖を回遊するが沖合で捕鯨出来る程の操船スキルがあれば堺を通さず外国と直接交易出来るだろう。


 大砲を用いた銛の打ち出し機構は江戸時代に考案されているので外航船の改造も難しくない。


 何処も台風の直撃しやすい地域なのは偶然か不明だが、海岸を散歩すると稀に漂着しているので散歩がてら探してみよう。


 詳細な鑑定が必要だが、水に浮き柔らかく炙って良い香りがすれば確定。


 g単価の最低価格二千円から。


 最高級品は三千円を超える。


 他に漂着物で高価な物として壺や香木、台風後はフィリピン沖に生息し欧州で工芸品として珍重されるオウムガイの殻も流れ着くが、フィリピンは植民地化されている上に本項との関連も薄い為省略。


 樟脳……楠から採れる。


 江戸時代樟脳は金銀に次ぐ輸出品で、主に薩摩と長崎で栽培、製造されていた。


 明治以降高知や台湾でも栽培。


 材は家具や仏像、造船用に用いられる他、精油は樟脳の他強心剤(カンフル剤)としても使われていた。


 幹は上記三種と競合する為剪定した枝葉を水蒸気蒸留に使おう。


 残った物も防虫効果は残っているので乾燥させた後燃やせば蚊取り線香の代用になる。


(蚊取り線香の代用はセンダンでも可、本州の伊豆半島以西に分布)


 以下有用植物。


 杜仲……同じく養命酒の原料の一つ。


 中国から輸入が必要だが樹皮が生薬、葉がお茶、魚や豚の餌として使われている他、商業利用される程含有量は高くない※1が樹液からゴムが採れる。


 体力を奪うのでゴムの採取はニ年目以降の冬が良いだろう。


 剪定した枝を乾燥させた物も量は少ないが重量比では樹皮と同等の薬効があるとされる。


 インドセンダン……熱帯のインド原産の為日本国内で露地栽培は不可能。


 全部位に防虫効果があるとされ、置いた部屋からゴキブリが消えたり(※個人の感想です)現地ではオイルを絞ったカスを田んぼに防虫剤として撒くが決して万能ではなく、弱るとアブラムシやカイガラムシが付く。


 絞りカスは他にも線虫の増殖を抑える代わりに堆肥化に欠かせない放線菌の増殖を助ける効果を持ち、牛等の反芻動物や兎の飼料にもなる。


 中国を経て日本に伝わった歯ブラシの原料でもある。


 椿……日本原産。


 庭木の植栽や家具、整髪料等に用いる椿油の他にも灰をどぶろくに加える事で澱と共に沈殿し清酒造りに使える。


 ※1ガタパーチャ含有量はサイトにより6~10ないし8~10%。


 純度差は季節変動による。


 葉が落ち乾燥する冬の方が高純度。


 化学的に合成される前に主流だったマレーシア原産のガタパーチャ(ややこしい事に植物名と樹脂名が同一)の含有率は50%超。


 参考文献


 読むクスリ、江戸時代の科学者達。


 参考サイト


 竜涎香


 http://chikyu-to-umi.com/kaito/ryuzenko2.htm

 

 杜仲茶

 http://www.tatenomokuzai.info/%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%81%A6%E6%91%98%E3%82%93%E3%81%A7%E3%80%81%E5%91%B3%E3%82%8F%E3%81%86%E3%80%82%E3%80%9C%E6%9D%9C%E4%BB%B2%E3%81%AE%E6%9C%A8%E7%B7%A8%E3%80%9C/


 以下wiki。


 烏樟、ニホンハッカ、樟脳、センダン、杜仲、ガタパーチャ、インドセンダン、椿。

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