~IN BER~ 未来からのプレゼント
たから聖
第1話 白髪のおじいちゃん
その、、深い深い森の中……
白髪のおじいさんは毎日毎日
研究を重ねていた。
『そうさの~今日は、最高の
研究結果の結晶といくかの?』
おじいさんは……ぼや~ッと
葉巻を吹かしながらも、
『可愛がっとった案件があるんじゃ!ひっそりと眠らせておいたんじゃ。
さ、とっかかるとするかのぉ。』
白髪のおじいさんはガチャガチャと工具を……いじりだした。
おじいさん博士は作業に
とっかかり始めると、ハイビター
チョコレートを口に
放り込んだ。
おじいさんにとっては、験を担いだしきたりみたいなモノだ。
『お前は、可愛いロボットじゃ。
名前はAT3にしよう。さてさて
燃料も、考えといたんじゃ。』
おじいさん博士は……
オイルをトポトポと丁寧に入れだした。
おじいさんは、慣れた手つきで
仕上げに入った。
好物のハイビターチョコレートを
食べずに、ひたむきに
ロボット作りに汗を流していた。
おじいさんは……とても
言い表せないほどに、幸せに
満ちあふれる時であった。
《このロボットで最後じゃ。》
【私も、戦い続けた一生じゃった。】
【AT3お前は私の分身みたいな
もんじゃ。背丈は小さいけどのぉ。】
おじいさんは……昼夜問わずに
1週間あまり、貫徹した。
それほどまでに、AT3には、、
深い愛情を……持っていた。
ボロボロになったおじいさんは
疲れ切って、草むらに倒れ込んだ
星空を眺めていたら。
何とも、言い難い感情がふつふつと湧き上がってきて
思わず、ひと筋涙が込み上げてきた。
おじいさんは……こぼれる涙を
拭うと、次から次へと
涙が溢れてきて……とうとう
泣き出してしまった。
おじいさんは……お酒は飲めないので祝杯の代わりにハイビターチョコレートを1つ口に放り込んだ。
やったんだ!
私はやり遂げたんだ!!
感動やら、疲れやら精神力も
体力も使い果たして
いつの間にか、草むらで寝てしまった。
その日、初めて幸せな夢を見た。
なぜか、レッドカーペットに
立っていた不思議そうな表情を
浮かべたおじいさんは……
みんなから祝福されて
おめでとう。
おめでとう。
と……言われ続けていた。
パチッと、目が覚めると朝に
なっていた。
【わしゃ?どれだけ寝たんじゃ?】
トロトロと目をこすりながら
時計を見に行くと、、、
【んん?】
タイムスリップしていたのだ。
なぜ、おじいさんは……
気が付いたのか?
見たこともない
プロテイン・バーが時計の前に
置いてあったからだ。
おじいさんは……思わず。
【ほぅ、これは??】
慌てて、AT3を見に行くと
消えていた。
そこには1通の手紙が置いて
あった。
おじいさんが手紙を開けると、
~ひいじいちゃん、おめでとう~
と、買いてあった。
【?!……ひ、ひ孫かの?】
そこに一緒に置いてあった包みを
カサカサと、開けてみると。
ひ孫からのお礼のたくさんの
お菓子が入っていた。
電話が、ジリリリリ……と
鳴る。おじいさんが物珍しそうに
電話に出ると……。
電話の主は……ひ孫であった。
【ワシの?あぁそうか。
宿題に持っていったか。そうか。
役に立てたか。】
おじいさんは……胸をなで下ろすと……チンッと電話を切った。
『初めてのプロテイン・バーじゃ。頂くとするかのぉ。』
おじいさんは……嬉しくて
仕方がなかった。
プロテイン・バーの包みを開けて
口の中に、おそるおそる
入れて、食べてみると。
『モソモソする菓子じゃな。
未来のお菓子は……。』
おじいさんは……満足げに
ハハハハ!!と
高笑いをするのであった。
~THE END~
~IN BER~ 未来からのプレゼント たから聖 @08061012
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます