「ギルガメッシュ」 〜伝説のジョブ「武器士」で迷宮塔の頂点を目指す〜

花舟

第1話 暗く冷たい檻の中から…

薄暗く冷たい石畳にひいたボロ布の上で俺は目を覚ました。手と足には分厚く重い枷がはまり、鎖で繋がれていて身動きが取りづらい。

硬い床で寝たせいで身体は強張り、疲れも取れない。でも1週間も同じ寝方をしていれば多少はなれてくるものだ。


この状況、言わずともわかるだろう。牢屋の中だ。俺は今パーティーメンバーの殺害未遂容疑で投獄中なのだ。


何故こうなってしまったのだろうか。

遡ること10日前、俺は仲間たちとある迷宮に潜っていた。



~~~~~~~~~



迷宮塔国の2番街にある「堕天使の集い」という迷宮。迷宮塔国とは迷宮塔と呼ばれる天を衝くような巨大な塔を中心にできた国のことだ。

1番街から10番街までの区画で区切られており、番号が若いほど迷宮の難易度が上がっていく。迷宮から出土するアイテムや装備品はとても質が良く迷宮産としてこの国の特産品になっている。


仲間たちとは冒険者になりたての頃からの付き合いでお互いに信頼関係は十分に育っていたと思う。

リーダーは俺。最上級職[ベルセルク]のリオン。剣や斧など近接火力に長けていてメインアタッカーを務めていた。サブリーダーは最上級職[ウォーロック]のジルク。魔法火力に長けており、中遠距離の要。あとは上級職[ホークアイ]のレオナ。銃を得意として遠距離で遊撃を担当。上級職[ハイプリースト]のミーナ。回復魔法を得意としてパーティーの回復役を担っていた。

この四人でパーティー『黄昏トワイライト』。三人とは良好な信頼関係を築けていたと思っていた。ジルクは少し相手を軽んじる癖みたいなものがあったがうまくやれていたと思う。レオナとミーナも協力してくれてよくフォローしてくれていた。

その証拠に異例の速さで2番街まで上り詰めた。ギルドからも期待のパーティーとして見られていたし、このままの勢いなら1番街に行くのも時間の問題だと俺もパーティの仲間も周囲の人たちも思っていた。


ある一人を除いては。


その日、珍しくジルクからレベル上げに良い狩場があると提案があり、俺たちは「堕天使の集い」という迷宮に潜ることになった。

この迷宮は堕天使とは名ばかりのハーピィの巣窟で近接戦が不向きではあるが、遠距離火力があるこのパーティーであれば恐れることはないとのことだった。

俺は正直うれしかった。いつもあまり口を出してこないジルクがパーティーのために動いてくれた。

だからこそ自分で事前調査もなく潜ってしまった。ジルクを信頼してしまったんだ。


迷宮に入るとそこは天へと続く階段が空中に浮かんでいるというとても幻想的な空間だった。

ジルクの話の通り階段の合間が巨大な円盤型の階層となっていて、常に出入りが可能で階段は完全な安全地帯になっているので魔物も外までは追ってこないとのことだった。


階層攻略について話し合いながら階段を上がり階層を覗こうとしたそのとき、それまで先頭を歩いていたジルクがスゥーと後方に下がった。俺は俺たちが階層内を見やすいようにと気を使ってくれたのだと思ったのだが、それは思い違いだと少ししてから違和感に気づく。

後ろにいたジルクの方から何かが光っているように見え、そして次に感じる熱源と耳に届く「深淵なる劫火よ」という詠唱の声で俺は咄嗟に両脇にいたレオナとミーナを無理やり抱きかかえる。二人は「えっ!?」とか「キャッ!?」とか言っていたが今は気にしている余裕はない。


「果てよ!ヴァーミリオン・ストライク」

「二人とも衝撃に備えろ!……ぐああっ!?」


巨大な劫火球が背中側から直撃し、俺たちは飛び込むような形で階層に入ってしまった。俺が背中に背負っていた予備の斧は強烈な熱により柄が溶け、刃はジルクの足元に転がっていた。背中から伝わる焼けるような痛みで俺は声にならない声を発する。

そんな俺を見て二人は少しの間、気が動転していたがレオナは怒りを露わにジルクに叫び、ミーナは回復薬と回復魔法で治癒を試してみてくれていた。


「これは一体……どういうことなの!!ジルク!!」

「リオン今治しますからね。少しの辛抱ですよ!」


そんな必死の形相のレオナとミーナ、そして動けない俺にジルクが淡々と告げる。


「見ての通りだ。私にとってお前達は邪魔だったのだ。毎度の仲良しごっこも反吐が出る。今日この時をもってパーティーは解散だ。」

「何を勝手なことを!」

「問答は結構です。治癒に専念しますので黙っていてください!」


反論する二人にジルクは少し口調を和らげる。


「実は2番街に上がったその日にとあるパーティーから勧誘を受けてな。今より1番街へ上れる見込みのあるパーティーだ。素晴らしいだろう。レオナ、ミーナ、もし私に就くというのなら、お前たち二人のことも取り立ててやろうではないか。……さあどうする?まあ迷うまでもないよな?」


さっきのジルクの攻撃で魔物がこちらを敵視しているのが見て取れる。このままではこちらを攻撃するのも時間の問題かもしれない。

ジルクもそれには気づいている。俺は二人に声をかける「逃げろ」と。しかし二人は首を振り、決意を口にした。


「仲間を見捨てていくようじゃこの先絶対生き残れない。そんなことをするくらいなら死んだほうがマシよ!」

「ジルク。私たちはあなたの誘いには乗りません。パーティー辞めるというならご自由に。私たちはリオンと一緒に1番街に行きます。」


レオナとミーナの必死の決意を俺はとてもうれしく思った。また回復魔法の効果で半身を起こせる程度には回復でき、俺もジルクを正面に見る。ジルクは俺たちになんとも言い表せないような憎悪の顔を向けていた。


「フッ…そうか。わかっていたことだが、お前たちがそんなにバカだったとはな。ならばお望み通り、リオン共々ここで果てろ。」


ジルクが杖を構える。それに応じてレオナも銃を構える。そして間髪入れずにレオナの銃が火を噴く。同じ遠距離型の職業でも攻撃までの時間に差がある。「ホークアイ」は速射性に優れているためこの場ではその差が明確に表れた。レオナが撃った弾丸は正確にジルクを捉え……しかしあと少しというところで何かに壁のようなものに弾かれ跳ね返ってきた。


「えぇっ!?」


レオナは驚愕しながらのも頭を傾けギリギリで避ける。しかし避け切れず頬に一筋の血が滲む。これは一体なんだ。考えるより先に答えはジルクから飛んできた。


「無駄だ。もともと私はお前たちを殺すつもりでここへ連れてきているのだ。お前たちに与えた情報はすべてがデタラメ。この堕天使の集いは階層ごとに区切られ一度入れば中の魔物を一掃するまで出ることはかなわない。」


最初から何もかも騙されていたとはなんと滑稽なことか。確かに何の調べのなしにこの迷宮に入った。だがそれはジルクを信頼してのことだった。踏みにじられたのだ。許せるはずもない。ミーナのおかげで7割ほどは回復できギリギリ立てる。俺はジルクを睨みつけ、腰に携えていた剣に手をかける。するとジルクは俺たちの後ろへと指をさした。


「私へ敵意を向けてくるのはいいが、魔物がいることも忘れないことだ。」


その言葉にハッとして後ろを振り返る。すると魔物がこちらへ向かってきていた。さっきのレオナの銃声に反応したようだ。魔物のヘイトがレオナに集まっている。俺は咄嗟に魔物とレオナの間に入りヘイトを俺へと向けさせる。そんな俺にジルクは口を不敵に歪ませてみせた。


「私の魔法と魔物とに挟まれて絶体絶命というやつだな。こうなるとあまり早く死なれても面白くない。せいぜい足掻くといい。私は安全なここから上位魔法で攻め立ててやろう。あとここはハーピィの巣窟といったがあれも嘘だ。ここにいるのはフォールンというハーピィの上位互換だ。さぞ苦労するだろうな!フフフッ…ハッハッハ!」


こうしてジルクと魔物に挟まれての戦闘が始まった。俺はすぐにレオナとミーナに指示を出す。


「ミーナ、全体を見ながら回復と補助を!」

「はい!」

「レオナ、ジルクを警戒しながらミーナのカバーをしてくれ!」

「わかったわ!リオンは?」

「俺は魔物に専念する。ジルクの言葉を鵜吞みにするわけではないが、普通に考えても魔物を一掃できれば階層から脱出できるかもしれない。」

「了解!そっちは任せたわ!」


俺はジルクへの警戒も怠らずフォールンの群れに突撃をする。重要なのはレオナとミーナにヘイトを集めさせないこと。俺は「うおおぉぉ!」と雄たけびを上げ、できるだけ豪快に剣を振りヘイトを集め続けた。

フォールンはハーピィの上位互換というだけあってなかなか厳しい相手だった。ハーピィは両腕が翼になっているため足の鉤爪による攻撃と風魔法を警戒していればなんということもないが、フォールンの場合は背に翼が生え、両腕がある。また上等なものではないが剣や槍を装備している個体もいるため多彩な攻撃をしてくる。

俺は攻撃を剣で防いだりギリギリで躱しながらまず機動力の要である翼を狙い、動きの鈍った敵から潰していくことにした。ジルクの攻撃も激しく回復魔法も途切れ途切れなのもあり、20を超えるフォールン相手に俺は手一杯になっていた。


~~~~~~~~~


フォールンの群れを半数近く倒したころだろうか。ついに戦線が瓦解する。激しさを増したジルクの攻撃にレオナとミーナが膝をついたのだ。二人ともジルクの波状攻撃により回復する暇もなく魔力切れを起こしていた。

二人とももう一歩も動けないという状況だった。このまま戦闘を続ければジルクに対して無防備になるとともに、ジルクは動けない二人に攻撃をするだろう。ジルクは腐っても[ウォーロック]だ。無防備の相手を仕留め損なうこと何てことはないだろう。魔力切れを起こすということは常時展開しているパッシブスキルなども発動しなくなるため、とても危険な状況だ。

ここまで頑張ってくれた二人を死なせるわけにはいかない。俺はフォールンの攻撃をいなしながらアイテムボックスからアイテムを取り出す。【緊急転移の巻物】という。これは使用された番街に応じて各番街に一つしかない冒険者専用の医療所に転移させるアイテムで、1つにつき1人まで転移させられる。発動は簡単で対象者と接触していれば効果を発動できる。

この場面で俺一人になるということは限りなく死が近づくということでもあるが、考え込んでもいられない。俺は二人に向けてアイテムを投げる。巻物が二人の体に触れると空間が歪み、二人が吸い込まれる。

吸い込まれる直前、二人は俺の行動に気づき、しかし動くことはできず、小さく俺の名を呼んだ。それに俺は頷きで返答した。これできっと二人は助かるだろう…


俺はアイテムの効果が機能したことを確認し、ジルクに警戒しながら残りのフォールンの群れに相対す。この状況においても俺の行動に変化はない。

とりあえずはフォールンの群れをどうにかしないことにはジルクを直接叩ける可能性はないのだ。それに周りに味方が誰もいない状況なら俺にも手というものがある。[ベルセルク]の固有スキルだ!


「行くぞぉ!イモータル・バーサーカー!!」


このスキルは一定時間スタミナの消費が大きくなる代わりに攻撃力・防御力・反応速度が飛躍的に上昇する。俺は一気に勝負に出た。

半ば防御を捨て無理矢理にでも攻撃を当てに行く。翼を攻撃する戦法はもちろんだが可能ならば胴体を真っ二つに切り伏せる。それだけの火力は出ている。不可能ではない。

ジルクからも上級魔法が嵐のように飛んでくるが、この際気にしないことにした。俺はもうスタミナが切れるまで止まることは考えない。とにかくこの一手でフォールンの群れを倒しきる。

遠くからかすかにジルクの舌打ちと悪態が聞こえるが俺は手を止めはしない。


どのくらい経っただろう?夢中になってフォールンの群れを倒し続け、あと数体というところでジルクの気配が薄れていくのを感じた。撤退するつもりか?


「逃げるのか!ジルク!!」


返答はない。俺は残りの敵も勢い良く倒し切り、ジルクを追うためすぐ階層の入り口へ行った。

階層の入り口にはレオナの攻撃を弾いた不可視の壁があったはずだが、きれいになくなっていて階層の外に出ることができた。

まあジルクが逃げ出した時点で出られるであろうことはわかっていた。もし出れないなら逃げる必要はないからである。今のところ、どのようなスキルであれ迷宮自体に作用できるものは見つかっていない。であれば逃げる必要はない。まあなんであれ出れたのだからジルクを追おう。

俺は階段を降り迷宮の入り口に向かった。その途中であるものを見つけた。血痕だ。誰の血痕かはわからないが見当はつく。多分ジルクだろう。行きはこんな血痕はなかったし、同時刻に迷宮に入った他のパーティーもなかった。不可解ではあるが自分で傷をつけたのだろうか。だとすると何らかの作為を巡らせている可能性がある。警戒しよう。


~~~~~~~~


迷宮を出ると入り口を包囲するようにギルドセーバーの面々がいた。

ギルドセーバーとはギルドが独自に集めた精鋭たちで各番街の治安維持や冒険者同士の揉め事の仲裁、犯罪者の取り締まりなどをしている。

そんな戦士たちは俺を見るなり抜刀している。そんな中で一際豪奢な鎧を着るエメラルドの髪の女性が俺の前まで出てくる。

俺はギルドセーバーには目もくれずジルクだけを探していたが、出てきた女性まで無視はできず相対する。


「貴様がパーティー黄昏のリーダー、リオンか。私はギルドセーバー2番街総括クリスティーナ・ブランシュタングという。カルフォス家からの通報により貴様をパーティーメンバー殺害未遂の容疑で拘束する。」

「カルフォス家?なぜ貴族が出てくる?わかるように説明してくれ。俺たちとしてもつい先ほどパーティーメンバーに裏切られて命からがら迷宮から脱出したんだ。納得がいかない。」


豪奢な鎧の女性クリスティーナは俺の言葉に眉を顰め一瞬考えるそぶりを見せたがすぐに平静を取り戻す。


「私から答えることは何もない。とにかく拘束して投獄させてもらう。弁明は聞かん。抵抗するなら実力行使も厭わないぞ。」


多分ギルドセーバーたちもこのクリスティーナも詳しい話は聞いていない様子だった。ただこのままはいそうですかと聞くわけにもいかない。俺より先に迷宮を出たジルクのことを聞くことにしよう。


「わかった。納得はしてないが仕方ない。抵抗する気も、ましてや敵対する気は更々ない。ただ一つ伺いたい。俺の前に身体のどこかしらに傷を負った男が出てきているはずだ。奴は今どこにいる。」


俺の質問にクリスティーナが眉を顰め、考える素振りを見せる。癇に障ったか?とも思ったがすぐに顔を上げこちらを真っ直ぐに見る。


「ジルク・カルフォスという人物か?彼なら君に裏切られたと公言し、ギルドに泣きついてきた。リオンに足の健を切られながらも命からがら逃げてきたとな。」


やっぱりか。迷宮内にあった血痕が気になっていたがこのためだったのか。多分わざとらしく這いつくばって助けを求めたんだろうな。

もしかしたらレオナとミーナのことも間違った情報をギルドに流しているかもしれないな。でなければここまでの多くのギルドセーバーを導入することもないだろう。

でもだとすると、ひっかかることが一つ。ジルク・カルフォス?ジルクに間違いなさそうだが名字持ちだと?貴族だったのか?


「それはジルクの嘘だ。裏切ったのもあいつだし、足のケガは偽装工作でギルドを欺いている。それにカルフォスだと?」


「ジルク・カルフォスの虚偽の申告については今は受け付けていない。拘束後しかるべき場所で話すといい。それにしても知らなかったのか?ジルク・カルフォスは6番街に居を構えるれっきとした貴族の一員だぞ。爵位はともかく貴族からの要請には変わりない。」


クリスティーナは少し驚いた表情で話をしてくれた。確かにジルクは自分のことをあまり話したがらなかったが、貴族だということを隠していたのか。今までは迷宮の探索やパーティー運営に支障がなかったため無理に聞いて来なかったが、だとしたら気位が高いのも見下すような口調も納得がいく。レオナとミーナはこのことを知っていたのだろうか。だとしたら今まで無理をさせていたのかもしれない。

考えこんでいる間にも俺にクリスティーナは言葉を紡いでいた。

少し聞き逃してしまった。


「……あるか?……おい!聞いているのか?」

「っと…すまない。考えこんでしまった。」

「まだ質問はあるかと言ったんだ。あるなら手短に頼むぞ。迷宮前の広場をあまり占拠しているのもよろしくないのでな。」

「わかった。なら最後に一つだけ。残りのパーティーメンバーについて。俺が【緊急転移の巻物】で登録してある医療所に送ったはずのレオナとミーナのことが知りたい。」


クリスティーナはその場で医療所に連絡をして確認を取り俺に教えてくれた。どうやら魔力切れは魔力枯渇にまで進行してしまったとのことだったが、早い段階で医療所で治療ができたため命には別状ないとのことだった。

しかし回復にはかなり時間かかるとのことで、だとすると気になるのは医療所の警備状況だ。もともとジルクは俺たちを始末するために今回のことを仕組んだと言っていた。だからこそ人目が付きづらい迷宮内で犯行に及んだ。

医療所という人目が付きやすい場所に行ってまで犯行に及ぶかは正直ないとは思うが、一抹の不安が拭えない。それに今二人は身動きが取れないでいる。何かあってからでは遅いのだ。俺はクリスティーナに話をする。


「二人の状況確認、感謝する。ただ二人のことがとても心配だ。」

「君の言いたいことは君の心情を察すれば痛いほどわかる。君が懸念しているのは二人が安全かどうかだろう。転移先の医療所の医療関係者はすべてギルドセーバーの支援職のものたちだし、言わずもがな日替わりでギルドセーバーの戦士たちが警備をしている。どうかそこは信用してほしい。」


俺はクリスティーナの言葉に安堵した。


「他にはもう質問はないだろうか?」

「ありがとう、今のところはもうないな。時間を取らせてすまなかった。」

「いや、君の仲間を思う姿勢は私も好感が持てる。だがすまない。規則は守るためにあるもの。個人の私情はこの場合は忌むべきものだ。ということで先ほどから話をしている通り拘束させてもらう。投獄期間は現在のところ未定。罰則も未定だ。余罪などがある場合は罰則は重くなるが、できるだけ君の言い分も尊重しよう。すまないが待っていてくれ。」



~~~~~~~~~~~~



とまあこんなことがあり、冒頭の状況となったわけだ。


投獄されてから10日目、取調べなどは一通り終わったように思うが、いまだに拘束はとけない。医療所にいる二人の様子は安定しただろうか。

このあと今日は俺に面会が何人か予定されているということを寝起きに看守から言い渡された。

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