魔術師団から攻撃を受けて、魔封じの腕輪が割れました

私はギャオギャオの攻撃の成果がとても不満だった。


「ちょっと、ギャオギャオ、手抜きしているんじゃない!」

私の声にギャオギャオは驚いたように必死に首を振った。


「姉上、姉上と比べるとギャオギャオが可愛そうだよ」

ジェドが庇って言ってくれるけど、うーん、なんか納得いかない。

ギャオギャオは古代竜なのに!


後でメラニーに文句言ったら、

「まあ、あんたはその古代竜の飼い主なんだから、古代竜があんたより見劣りするのは仕方がないじゃない」

と訳の判らないことを言われたんだけど……それってまるで私が古代竜よりも強いみたいじゃない!



「そこの小娘。良くも我が軍に攻撃してくれたな。こちらからも攻撃せよ」

カス国王は攻撃命令をしてくれた。


前には黒いローブを着た20人くらいの魔術師と思しき者たちが出てきた。


これはまずい。


私は今は魔術を封じられていて障壁が張れないのだ。

魔術が使えないのは本当に面倒くさいんだけど……これも全部くそ婆のせいだ!


ここは先制攻撃しか無い。


魔術師はここで殲滅しないと後が不味い。


「アド、攻撃するわ。ギャオギャオ、敵、魔術師目掛けて攻撃して」

私はそう叫んでギャオギャオに命じると地面を蹴って目の前のクレーターに飛び込んだのだ。


「ちょっと待てよ、フラン!」

慌てて、アドがついてきた。


「アド、別について来なくていいのに」

「そんな訳はないだろう」

アドは私の前面に障壁を展開してくれる。


敵、魔術師達は砦に向けて衝撃波を放ってくれた。


要塞の石垣が次々に破壊される。


ギャオギャオがその魔術師たちに衝撃波で攻撃を次々に放つ。


障壁を張ってその衝撃波を防ごうとした魔術師がもろに衝撃波を食らって吹き飛ぶ。


ギャオギャオは古代竜なのだ。普通の魔術師が対抗できるわけはない。


「ルブランの小娘。喰らえ」

私に向かって爆炎魔術が叩きつけられた。

アドの障壁が一瞬で弾き飛ばされる。


私はとっさに母の魔封じの腕輪で受けた。


腕輪は真っ赤に光るがびくともしない。


ちっ、私は舌打ちした。そう簡単に魔封じの腕輪は壊れないらしい。


「アド、障壁は良いわ。魔術師達を攻撃して」

「判った」

アドが私を見て、首をふると衝撃波を魔術師に向かって放つ。

しかし、それは魔術師の障壁で防がれた。


「ええい、何をしている。弓隊前に。あの二人を討ち取れ」

カス国王の命令で弓隊が前に出てきた。


「こちらも弩で敵を攻撃だ」

ヴァンの声とともに、砦に置かれた攻撃兵器の弩で皆で弓兵を攻撃し始めた。


弓の巨大版だ。弓兵に次々に攻撃していく。


敵も盾を出すが、弩は本来攻城兵器なのだ。それも、ルートンのガスペルが改良してくれた連射の可能な弩だ。それは次々に弓兵を餌食にしだした。


そんな中私は剣を片手に飛び出した。魔術師の攻撃を腕輪で受けつつ、魔術師に接近してそれを一刀のもと次々に叩き飛ばしていったのだ。


あっという間に、魔術は半減した。


「何をしている。魔術の使えぬ破壊女など、我が方の敵ではないわ」

指揮官らしき男が叫んでいるのが見えた。


私はその男めがけて駆け出したのだ。


途中邪魔する敵は次々に切り捨てる。


「ここまで来た貴様の負けだ」

魔術師は次々に爆裂魔術を私に浴びせた。


私はそれを全て魔封じの腕輪で受けた。


もう腕輪は熱をもって真っ赤になっていた。


「貴様の変な魔導具もこれで終わりだ!」

私はそう叫ぶ指揮官らしき男の所に駆け込むと腕輪で殴りつける。


魔術師が最後に爆裂魔術をかけようとした所に腕輪でラリアートを決めた。


吹っ飛ばされる魔術師の最後の爆裂魔術が炸裂してそれが全て魔封じの腕輪に吸収される。


魔術師はしてやったりの顔をしていたが、次の瞬間、パリンと魔封じの腕輪が割れたのだった。


私の魔封じの腕輪が粉々になった瞬間だった。



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ついに全開のフランの登場で、どうなるバイエフェルト?

今夜更新予定です。

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