残敵を海賊船の残骸のいかだに乗って殲滅しました
凄まじい爆発音を残して、巨大火の玉は吹っ飛んでいった。
触れなくても風圧で海水が割れる。
一瞬で海水を突っ切って吹っ飛んでいった。
皆耳を押さえている。
そのあと爆発音がする。
そして、周りを凄まじい粉塵が覆う。
その粉塵がゆっくりと風で消えていく。
でも、粉塵が去った後、船団の真ん中は無くなっていたが、大半の船は残っていた。
「あれっ、威力だけ大きくて、被害はもう一つだった?」
私は唖然として見ていた。
少し、上を狙いすぎたのだろうか?
虚仮威しにはなったが、被害は10隻くらいではないだろうか。
見た目の割に威力は大きくないみたいだ。
「ふんっ、そこの女。言った割にちゃちではないか」
男が大笑いした時だ。
海の真ん中の裂け目が無くなって波が戻るや今度は大きく盛り上がって波になって海賊船団を襲ったのだ。
「えっなんだ?」
馬鹿にした海賊共が慌てだす。
船が大きく揺れて、何隻かぶつかり合って海の中に沈んでいった。
そして、前の方にいた船団の十数隻に波が襲い、それが船を押し上げたのだ。そして、その波は一気に海岸線に船を叩きつけたのだ。
船はひとたまりもなかった。あっという間に海賊船は粉砕されたのだった。
20隻以上が破壊されていた。
破片が周りに飛び散る。
私は目の前に障壁を張ってその破片を防いだ。
残りは70隻くらいだ。
でも、まだまだいる。
「姉上、どうするの」
「どうするもこうするもやるしか無いでしょう。ガスペル、ドミンゴ、学園の倉庫から魔道具出して。リミッターは壊していいから」
「了解」
二人は直ちに駆け出す。
「エドガルド、あなたはクラスの騎士を率いて防戦して。少しくらいの怪我は後でピンク頭に治してもらうから」
「判りました」
「後は皆後方待機よ」
敵が徐々にこちらに近づいてくる。
「フラン、フランのために作った魔道剣だ。使ってくれ」
「えっ、有難う」
私は喜んで剣を受け取ると、
プシューーーーとボタンを押す。
赤く輝く長い剣が現出した。
この剣は私の魔術も変換できるみたいだった。
大きさを変更できる。
「ようし、行くわよ」
私は剣を伸ばすと真横の海岸べりに近接してきた海賊船を叩き斬ったのだ。
百メートルくらい剣が伸びて叩き斬った。スパッと海賊船が両断されていた。
「えっ、そんなに伸びるか?」
それを見て作ったガスペルも驚いていた。
「ついでよ」
5隻くらいが護岸に接岸しようとしていたので、火の玉をぶつけて爆発させる。
しかし、次々と海賊船が接近してくる。
「野郎ども、あの女だ。やっちまえ」
「甘い!」
目の前に来た、船も剣を伸ばして両断する。
「ようし、こうなれば私が海に出るわよ」
「姉上、海に出るってどうするのさ。船なんて近くにないよ」
私の言葉にジェドが驚くが、
「これなら浮かぶでしょう」
私は海賊船の残骸の木片を海に浮かべたのだ。
おそらく海賊船の壁の一部だろう。
長方形の木片の上に私は剣を抜き放って飛び乗ったのだった。
「ちょっと、姉上、危ないって」
ジェドが心配していってくれるけど、
「大丈夫よ。ジェド。地上は頼むわよ」
私は木を風魔力で浮かして、さっそうと沖に滑り出したのだ。
兜を被っているから昔みた、テッカマンみたいだった。
木偏をサーフボードのようにくりながら、敵船に近づく。
敵は私が小さすぎて、見えないみたいだ。
そのまま、喫水線の横にビームサーベルをあてて一気に船の穂先から船尾まで斬っていく。
筏は惰性で進んでいくのでとても楽だ。
船は喫水線のところから次々に浸水していく。
海賊船の連中は私を見るまもなく、船ごと沈んでしまった。
「よし、楽勝」
私は、それを次々にやっていく。
筏が滑るように進むので真横に剣を構えるだけでいいのだ。
あっという間に10隻ほど沈めてしまった。
「おい、変なやつが海の上にいるぞ」
海賊たちが騒ぎ出した。
何か魔術とかで攻撃してくるやつもいる。
タタアタタアタタアーータッタラターーー
私はハミングを口ずさみつつ、現れた海賊船の横に平行に走らせて、飛び上がって、マストを斬り捨てた。
「ふんっ、またつまらぬものを斬ってしまった」
着陸してそう言うや、私は髪の毛を横に撫でた。
このセリフ一度でいいからやってみたかったの!
倒れたマストが勢いでその隣にいた海賊船を叩き割っていた。
「ようし、これからやるわよ」
私は剣を振り回して喜んでいたのだ。
「もっと盛大に剣を振り回していこう」
私はやる気マックスにしたのだ。
そこからは飛び上って剣を振り下ろして、次々に船を切り裂いていったのだ。
もう、当たるをもっけの幸いにして次々に叩き斬っていたのだ。
「おい、あの女を倒せ」
「野郎ども、女を目掛けて攻撃しろ」
海賊共は叫ぶが、この筏のほうが圧倒的に早いのだ。小回りも聞くし。
海賊達は私を見た次の瞬間には彼らの乗っている船が両断されているという感じだった。
そして、私が斬るのにいい加減に飽きが来た時には動いている海賊船は一隻もいなくなっていたのだ。
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