Case.1 探偵なのに盗むんだゆ ⑲
白玉の海から脱出した俺の
巨大ヤドカリは距離を
与えられた役割はあくまで台座の守護なのだろう。
よく見ると、やま田の
どうやら関節の奥まで入り込み、引っかかってしまったようだ。
「はっはっは、なかなか手強そうですな」
「ソ……、ヨーグルさん!」
「全く、どこに行っていたゆ! ソトスを捕まえるチャンスだったのゆ」
「ふむ、かの
本当の意味で何一つ気づいていないやま田に、真顔で
そして、それを
「どうされましたか、
「いや、たまに思うんだよね。もしかして俺だけが異常なんじゃないかって」
「ようやく気付いたゆ」
「そこはフォローするところじゃないんですか! これ、やまの字!」
「
「ちょっと待て、そのフォローの仕方だとまるで本人だけ正常だと思い込んでる感が増すから! 1.5倍ほど大盛りになっちゃいますから!」
「難しいゆー」
「やま田様は、もう少し地球のイロハを勉強する必要がありますなあ」
「むあ、頑張るゆ!」
両手でヨーグルにガッツポーズをするやま田を見ながら、改めて思うことがある。
こんな状況でも、いや、こんな状況だからこそ、こういう普段のやり取りをしているのはありがたい。
俺は平凡な人間だ。
ヒーローじゃない。
正直言って、さっきまで怖くてしょうがなかったのだ。
でも、今は俺の横にやま田とヨーグルがいる。
この二人と一緒に居ると、どんなことでも乗り切れるような強い気持ちが
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