歪な気持ち~3つの恋~
三愛紫月
野蛮な君を愛してる
私の好きな人
私は、
私の名前は、
「琴ちゃん、おはよう」
「おはよう」
私は、いわゆる傍観者だった。
恋愛も友達も…。
坂口君が小花さんに話しかけにいくのが凄いと思っていた。
彼女が、いじめられてるのは坂口君のせいだと私は感じていた。
赤池さんが、坂口君を好きな事にも気づいていた。
花村君が、小花さんを好きなのにも気づいていた。
私は、小さな頃から人間観察をしていたから、誰が誰を好きなのかすぐにわかっていた。
私は、花村君に金魚の糞のようにピッタリと張り付いてる
だから、小野田先生を好きなのに好きじゃないフリをしているのを私は知ってる。
少しでも、花村君と
原口さんは、花村君の取り巻きの中の一人、
どちらかと言うと、熊に近いかな?
「なあー。
花村君が、
「したした。愛ちゃんのファーストキスもらっちゃった。」
「
「小五からだっけ」
「
「6年だよ。紫音は、小5だよな」
「今どき、そんなもんだろ」
「俺なんかまだ、キスもしてねーわ」
「愛ちゃん、飽きたら回すから」
私が、その話を聞いてると
「あんなゲス話聞いて楽しい?」
「うん、楽しいよ」
私は、
「勇二、りさちゃんとどう?」
「次のデートで、やろうかな?って。」
「勇二の初めてっていつ?」
「中学あがる前、近所の姉ちゃんと」
「やべー。いいな」
「笹部もいつかできっから」
「りさちゃん、飽きたら回したる」
私も仕方なくついていく。
「あいつら、やっぱり最低だよ」
「でも、襲ってるわけじゃないじゃない。ちゃんと女の子だって嫌なら拒否するよ。」
「ってかさ、琴ちゃんは嫌じゃないの?
「別に、嫌じゃないよ。」
「何で?」
「普通以下の私が、あんなイケメンと付き合えるなんてあり得ないからさー。話聞いてるだけで嬉しいよ。家に帰って、
「メシウマって。琴ちゃん、おもしろすぎだから」
「
「聞きたくなかったよ。でもさ、当たり前だよね。普通にやってるよね。キスだって、その先だって」
「当たり前だよ。思春期だよ。興味あるんだよ」
「非モテじゃないんだから、やってるよね」
「それは、そうだよ。」
「坂口君は、やってなさそうだよね。」
「確かに、やってなさそう。」
「あんなに、イケメンなのにね」
「前髪のせいで、イケメンが隠れてるけどね」
「私さ、そればっかりの猿みたいなんより、坂口君みたいに好きな人に寄り添って縫い物してる男子のがいいな」
「小花さんのもの縫ってるイメージしかないね」
「確かに、そう。坂口君は、小花さんが好きだよね。絶対。でもさ、小花さんって何でいじめられてるのかな?」
「絶対、話しかけるの禁止って紙回ってきたでしょ?」
「あれ、誰が回してきたのかな?」
「わかんないけど、関わりたくない。」
私達みたいなのも、いじめに加担してる人間だって事は自分でもわかってる。
でも、関わりたくなかった。
私の取り巻く世界を壊したくなかった。
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