6.「月の系譜」シリーズ
このシリーズは好きでした。
元々「櫻の系譜」が作者様の先に原型話があって、その敵ボスが山吹泉/常世姫。
なんですが、封印されて人間の「山吹泉」だったのが元の「常世姫」に戻っていくか、という過程なんですよね。
・瑠璃の音
・玄冬の曠野
最初の巻でただの高校生(ただし養子)だったはずの泉ちゃんが榊によって「封印」だった鏡の欠片を心臓から抜き取られ、自分が人間ではなかったことを思い出すんですわ。
ただし最初は「私は誰?」からなんですが。
そんで「狩りを始める」ということで、配下の軍勢を集め出すという。
二巻目がそれで付喪神の「乙姫」を取り戻すまでの話。
この辺りで自分が根の国、月読の娘である常世姫であること、母が囚われの身になっていることを思い出す、と。
で。
・響鳴の森
まあここからイラストが一気に変わるんですよ。
絵師様は一緒なんですがね、絵のタッチが一気に。
と言ってもワタシはこの変化がとても好きでして。
唐突に洗練されたなー、と思った訳ですよ。
それまでがやや少女マンガとしても泥臭さを感じたのですが、すっきりと。
特にここから出てくる大雷阿夫利の存在もあったから、それまでの強い線よりもう少し軽みがある感じになってよかったなあ、と。
この阿夫利がまあ、ここから名前を泉ちゃんに取られて支配される鬼なんですが、彼の人間名を見れば判るひとにはわかる、まあ、モデルはJ氏です。
全然イニシャルトークにならない。
正直彼をサブキャラに置いたことで生き生きとした感ありますね。
・焔の遊糸
・有明の鬼宿
・凍てゆるむ月の鏡 全5
で、その三人+日本人形に入れた乙姫(これは同人誌で3on3の一人遠藤にゃんちゃんさんが描いたものが強烈に可愛かった……)+セレブ世界の超実力者の後継者があれこれ。
そんで過去常世姫が命を与えてしまった能楽師の少年の生まれ変わりの青年とか出てきて。
そんで最後の話で、もう一人の鬼が父親に虐待されていた少女の双子の片割れで登場。
前世で人間の女性と共に鬼であることを辞めて転生したらその相手と双子、……のピノコ的な、もう一人の腹の中に居てしまって後で取り出された、という……
最終的には弱く生まれたその少年/鬼の伊夫利と、少女を一体化させて、時に分身させて~という形にしてやると。
この少女達へ親の酷さがまあ人間を完全に見限るきっかけになってるのがね。
とは言え、この話のラスト、誰が裏切ったのか、という疑問が実は~が、阿夫利を次の櫻の系譜で裏切らせることになるんですがね。
ただ「常世姫覚醒までの話」としてはきちんと終わっているので良かったなと思います。
コバルトは売れ行きが悪いとシリーズ半ばでもカットしてしまうというのがありましたからなー。
まあ逆に言えば、炎の蜃気楼なんていや何処まで続くんじゃい、という感じでしたが。
ちなみにミラージュは友人の「最初に主人公が記憶どっかにやった時点で終わりということにした(笑)」にならいました。
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