(三)-3

 エレベーターは動き出しており、三階を通過したところで、私のお尻に何かが触れた。

 私は思わず小さく短く悲鳴を出してしまった。

「いい声ですなぁ」

 竹浦さんは嫌らしい声で言った。

 私が左を振り向くと、竹浦さんの手が私の臀部に伸びていた。その触感はデニム越しにではあるが、伝わってきた。下から上へ、上から下へとそっと表面をなぞるように触ったあと、今度は、手の平を押し付けるように上へ下へと撫でてきた。

「止めて下さい」


(続く)

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