(二)-7

 翌日は朝から仕事だった。私は地域正社員として近所のスーパーに勤めていた。

 仕事を終えると社員割りで買い物をしてから店を出た。そして別の買い物のため、駅前のドラッグストアへ向かって歩き始めた。

 駅前へ向かう途中には、繁華街があった。チェーンや個人経営の飲食店が立ち並ぶ一角だった。そしてそこから一本横道に入ると、夜の飲食店が軒を連ねていた。さらに進むと、ラブホテルが数軒あった。

 その繁華街の路地を駅の方に歩いて行くと、向こうから顔見知りの女性が歩いてくるのが見えた。あれは、私の部屋の二つ隣に住む竹浦さんの奥さん、竹浦翠子さんだった。

 彼女は私の一つ下だった。銀座でホステスをしていたという美人で、同性からみても綺麗な人だった。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る