悪役令嬢に転生しましたが前世からの呪いで火を吐かないようにするのでいっぱいです
花見川港
プロローグ
目の前の王子は私の婚約者だったはずだ。それが私を放って他の女のエスコートをしている。怒って当然の状況だって周りも理解している。
「気分が悪いので失礼します」
けれど私はその場を逃げ出した。周囲がざわついたのがわかるが気にしてられない。
口元を両手でおさえながら
庭園の端にある池の側に人の気配がないのを確認してから私は口を開いた。
「あんの……バカ野郎!」
叫びと共に業火が口から噴き出し、水面を赤く揺らめかせた。
側頭部にむず痒さを感じ、綺麗に纏めていた髪が解けていく。
人が必死に舞踏会の場で何も燃やさないように気をつけている間に、あの王子はヒロインと踊っているのだろう。
こっちは自身のメンツを保つ余裕もほとんどないというのに。
結婚の約束をしたうえでの裏切り。見事にこちらの地雷を踏み抜いてくれる。
「けほっけほっ」
熱を持った喉が痛い。
確実に王子ルートが進行している。
このままじゃ、このままじゃッ、
「あのバカ諸共死んでしまぅううう!」
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