腐れ縁

第1話

　出会って別れてまた出会って。

「久しぶり」

「今回もよろしく」

　なんて言葉を交わしてまた分かれて。そしてまた出会って。

「ストーカー？」

「いやいや、そんなわけないでしょう」

　なんて軽口をたたいては分かれて。そしてまた出会って。

「腐れ縁か」

「そのようで」

　仲は深まっていく。

「御同業とはいえこうも肩を並べて戦うとはね」

「不思議な縁だね。まあ次も同じとは限らないがね」

「そうならないことを祈っているよ」

「なんでさ」

「君と殺し合うのはごめんだからさ」

「それは私が強いからかい？」

「そうさ。ただまあその手にかかるのもいいかなとは思うけどね」

「……変態」

「違いない」

　今回も軽口をたたいて別れた。また縁があれば出会うこともあるかもしれない。心のどこかではそれを願っている。そんな気もするのだ。