失恋生活五日目
もう18禁になっても構わない。
私は素っ裸になって水場に飛び込もうとした。グッとセーラー服を捲し上げてスッポンポンになる気満々だった。
だけどミケに止められました。
頭を引っ叩かれました。
「にゃ!!」
「ちょっと、ミケも後頭部を叩かないでよ!?」
「にゃにゃ!!」
「えええ? 私の裸はミケランジェロの如く美しいからダメだって?」
「にゃーにゃにゃ!!」
「保護者として見過ごせないって言われても……、はい。しょぼん」
私はミケにとって子供扱いだったようで、ガミガミ……ちょっと表現が違うかな? ニャーニャーと説教を喰らって全裸は諦めました。
猫に保護者ヅラされる私って一体……。
だけど水浴びは流石にしたい。何しろ三日間も遠泳を続けたおかげて私は全身が海水まみれ。
だからスッキリしたいのだ。
私は「仕方ないか」と呟いてミケの言う通りにセーラー服のまま水辺に飛び込んだ。そして邪魔なカバをアイアンクローでしばき倒して泳ぎ始めた。
ミケも私に続いて水場に飛び込んでくる。
ミケはミケで邪魔なゾウを猫キックで追い払っていく。
私とミケは既に水場の支配者として君臨していた。反撃とばかりに襲いかかってくるカバとゾウを全てボコボコにしてやったから彼らは私たちに恐れをなして逃げていった。
私は静かに水辺に浮かんでみる。そして透き通った空をただポカーンと見つめていた。
「めっちゃ綺麗やねん。空、めっちゃ綺麗やねん」
意味も無く適当な関西弁を口にして私がボーッとしているとミケは何の前触れもなく私の顔に飛び乗ってきた。
そして何かに慌てた様子を見せて私に話しかけてくる。
「にゃー!! にゃにゃにゃ!! にゃーーーーーー!!」
「え? ゴキブリ?」
「にゃーーーーーー!! シャーーーーーーーー!!」
普段のミケはゴキブリなんて怖がらない、寧ろエサかオモチャくらいにしか認識していない筈。
私はミケの慌てぶりに訳が分からず、とりあえず愛猫の肉球が指す方向に視線を向けてみた。そして驚きのあまり開いた口が塞がらなくなってしまったのだ。
完全に忘れてました。
この島はジュラってたんだった!!
「ヒョエーーーーーーーーー!! ゴキブリがデッカ!! デッカいゴキブリーーーーーー!?」
何とこの島はかつて太古に存在したと言う巨大ゴキブリが生息していたのだ。私はあまりにもとっさの出来事に後先も考えずに機関銃を撃ちまくっていた。
だってそのゴキブリ、全長1メートルはあるのよ!?
ドガラガガガガガガガガガガガガ!!
「にゃーーーーーーー!!」
「え!? 機関銃が勿体無いって!?」
そしてミケから機関銃の貴重性を説かれて私は銃撃を止めた。確かに言われてみればゴキブリの掃除に銃弾は勿体無い気がする。
それにゴキブリは群れで現れたが私やミケなど気にも止めずに走り去っていった。そして一瞬だけ間を開けて私は理解出来ました。
蜘蛛です、これまた先ほどのヘビ以上の超巨大な蜘蛛がゴキブリを追っていたのだ。
蜘蛛と言えば糸、……糸? 私は頭に『!』と名案が閃いたマークを出しながらミケに大はしゃぎで話しかけていた。
そうだ!! 蜘蛛を捕まえて糸を無限に入手すれば色々と生活が潤うじゃん!!
「ミケ、あの蜘蛛を生捕よ!!」
「にゃにゃー!?」
ミケは私の提案にシェー!! のポーズをしながら驚いてました。
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