第8話

貴き血ブルーブラッド様…どうか、どうかこれまでのご無礼をお許し下さい…」


わぁ…目の前で美人吸血鬼が土下座してるぞ?

…まぁこうなったのには訳があってだな?


それを説明するために少し時間を巻き戻すと…


ーーー


おっ…来たな!

このダンジョン最大の敵、吸血鬼!


吸血鬼は高ランクダンジョンの奥に出てくる知性の高いモンスターであり、このダンジョンではその吸血鬼が高頻度で現れる


更にこのダンジョンの吸血鬼は奥に進むにつれ強くなり、最奥の真祖トゥルーブラッドに至っては討伐報告が一つのみの化け物である


…そんな化け物が俺の目の前に居る訳だが


「…なんで既に死にかけなの?」

「クッ…妾は侯爵級だぞ!こんな所で死ぬわけには…!そこの人間!血を寄越せ!」


…えぇ?

まぁ、死なないし、仲間割れしてる見たいだし、血、あげてみるか…


「はい、俺の血…蒼!?落ち着け!お前何時も再生した側からガブガブ飲んでるだろ!」


暴れんなよおい!?

どんだけ俺の血が飲みたいんだお前!?


「これは、蒼い血…?ま、まさか!貴き血ブルーブラッド様!?」


えっ…なになになに!?

どうした?急に青い血がどうかしたか?


貴き血ブルーブラッド様…どうか、どうかこれまでのご無礼をお許し下さい…」


ーーー


って訳よ!

…いや訳が分からんな!


青い血ブルーブラッドって何?」

「…貴き血ブルーブラッドは上位の血液、蒼き血は真祖トゥルーブラッド級の証なのです」


青い血ブルーブラッドってどの位凄いの?」

真祖トゥルーブラッドを貴族に例えると貴き血ブルーブラッドが成り上がりの貴族です、どちらも我々程度の吸血鬼からすれば天上のお方…」


「そっかぁ…でも俺人間やぞ?」


人間に青い血ブルーブラッドとかあるの?


「…御冗談を、貴き血ブルーブラッドと言うことは下位の血液は貴方の思うがままですよ」


えっ?人間でも血液操れるの!?

…試して見るか、コイツの血液をちょっと外に


「ギャァ!?貴き血ブルーブラッド様ァ!お許しを!どうか、どうか命だけは!」


あっ…これはヤバいな吸血鬼側の力を吸い出してる感じするわこれ


そりゃあ青い血ブルーブラッドの事を恐れもしますわ


「はぁ…はぁ…お、お許し頂き有り難く思います」


…ちょっと下心出てきたな

これさぁ、この子従魔にできたりしない?


「なぁ、俺の部下になる気はないか?」

貴き血ブルーブラッド様の、部下…?」


どうだ…?

俺の従魔に、なってくれるのか…?


「な、なります、ですから命だけは何卒…」

「そうか」


結局そこかぁ…

まぁ俺が居ればコイツも守れるからな、だから従魔にしても問題無し!ヨシ!


…正直こんなに美少女を従魔に出来る事に興奮してます、すまんかった


「所で何であんなにボロボロだったの?」

「大公級の吸血鬼と縄張り争いがあって…」


縄張り争い!?

えっ…野生動物かな!?!?知性を活かせよ!


「…そうか、じゃあその大公級とやら、殺すか」


吸血鬼のドロップアイテムも欲しかったしな!

じゃ、行くか!


「あっ、ちょっ…まっ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る